こんにちは。わらびです。
紅茶の産地として有名なスリマンガル。
茶葉の購入と茶畑を見学しに来たのですが、ショッキングなトラブルに見舞われてしまいました。
トコジラミとの遭遇
世界各地で問題になっている人類の天敵「トコジラミ」。
「南京虫」、「ベッドバグ」などいくつかの名前を持ち、ベトナム戦争では、米軍が、ベトコンを判別するために軍事利用したことがあるほど。
今回泊まったスリマンガルの宿でも遭遇してしまいました。
こいつです。
シラミとついているが、実際にはカメムシの仲間。
平べったい体でわずかな隙間にも潜伏し見つけにくい。
刺されると強烈な痒みに襲われ、それが1週間も続くとされています。
更には、一度の吸血で何箇所も刺すので被害も尋常ではない。
とにかく、恐ろしくて厄介なやつ。6年前、ラオスで被害に遭いました。
コロナ以降、日本でも話題にもなっているが、何故かその生態を知っている人は少ない。
体温だとか二酸化炭素に寄ってくるとか言われていますが、トコジラミが最も好むのが汗の匂い。
衣服に紛れるというのも、実はこれが原因。
特に汗をかきやすいズボンの腰回りなんかは要注意。ベルトの裏やポケットの中など身を隠す所がたくさんあるので、トコジラミからすると恰好の潜伏先。
脱いだ衣類をそのままカバンにしまうと、汗の匂いにつられて入ってきちゃうので、これにも注意が必要。
これを知らない人がほとんどで、トコジラミを持ち運び広まっているみたいだけど、結局はトコジラミではなく、無知のほうが恐ろしいのではないかと思う。
相手は所詮は虫。
知能も個性もない。習性で動くだけの虫けらなのである。
習性さえ知ってしまえば、それを利用し対策を練れるわけです。
私が保有する、唯一にして最大のトコジラミ対策が、汗がたっぷり染み込んだこのバックパック。
この背中のクッション部分は、超高性能トコジラミセンサーとして機能するのです。
信じられないほど精度が高く、トコジラミが部屋にいる場合は、電気がついていようとツルツルで登りにくいテーブルの上に置こうが、何を差し置いても優先的に集まってきます。
以前パキスタンで泊まったトコジラミの巣窟では、テーブルの上に置いていたにも関わらず短時間の間にクッション部分に5匹張り付いていました。
遠く離れたベッドから、本来は嫌うはずの、光の反射率の高い白い床を歩いてでも集まってくるほど効果は絶大。
それこそ人間なんてそっちのけ。
誘引性がとんでもないので、クッション部分にしか集まってこない。
くっついても目視で見つけやすいし、他の衣類に紛れ込むのを防ぐことをできるというのもかなりのメリット。
4時間ほど滞在しましたが、お陰で、刺されることもなく、衣類に付着し持ち帰ることもありませんでした。
部屋に1時間ほど置いておけば、トコジラミがいるかどうか判別できるという超優れモノ。
今回も、クッション部分に引っ付いているのを見つけましたが、一匹だけだったので、別の場所から紛れ込んだものと判断。
もっといるのであれば、一匹どころでは済まないと断言できるほど信頼を置いています。
世の素人たちは、寝袋や電気をつけたまま寝るなど、いかに刺されないか対策しますが、そもそも、トコジラミのいる部屋に泊まること自体が間違っているのです。
刺されない対策ではなく、いかに早くトコジラミの有無を判別するかが重要。
殺虫は全くできませんが、誘引という面に関しては、あのアース製薬よりも一歩先んじていたと自負しています。
製薬会社にサンプルとして提供すれば、研究に役立つことは間違いないと断言できます。
残念ながら、インドネシアで壊れたので捨ててしまいました。
貴重なサンプルが失われ、トコジラミ研究が数年遅れてしまったのは申し訳なく思います。
バス燃ゆる
スリマンガル郊外にある茶畑からの帰りのこと。
乗り込んだバスは満席だったので、運転席を背にするように腰掛けていました。
しばらく走ったバスは、街中に入ると変な音がし始め、車窓から見える人達がこちらを指差し大騒ぎ。
そしてバスが停車する。
外の人々が何かを言いながら大騒ぎし、乗客も急いで降りている。
私は言葉がわからないので、何が起きたかわからない。
奇祭か何かかなと思って外の人達の様子を撮影しようとしていたら、腰掛けていた場所のすぐ後ろ、運転席の真横から白煙がモクモクと登り始めました。
一瞬何が起きたのか分かりませんでしたが、瞬く間に煙の量が増えそれが火事と判断。
普段は沈着冷静な自分ですら「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ」と小声で囁き本気で焦っていました。
私よりも先に火事と気付いていた人たちは、入口あたりで詰まってもたついている。
こんな時こそ落ち着いて冷静に対処。
火事で生存するための三原則「おはし」。
押さない、走らない、喋らない
すぐ近くでモクモク煙が出ているというのに、今更それが何の役に立つのでしょう?
譲り合いの精神を重んじ、お年寄りに席を譲るタイプの人間ですが、この時ばかりは年齢性差問わず他人を押しのけて一目散に飛び出しました。
窮地に陥ると本性が現れるというのはまさにこのことだろうと思う。
何が原因か分からないけど、エンジン周辺から出火し、燃える歯車とか落っことしながら走っていたみたいです。
エンジンから燃える何かがボタボタと垂れていましたが、現地の人は手慣れたもので、延焼部分に砂をかけて火を消していました。
他人なんてどうでもいいけど、怪我人も無く大事には至らず良かった。
実は乗っているバスが燃えたのはこれが2度目。
以前は、フンザからイスラマバードまで戻る夜行バスが燃えました。
パキスタンでは守ることのできた「おはし」を今回は守る事が出来ませんでした。
まあね、おはしを守った所で、命が守れないんじゃしょうがないしね。
結局、緊急時にいちばん大事なのは、生きようという強い意志。
おわり
スリマンガルてはバスが燃え、トコジラミにも遭遇。
トコジラミはともかく、バスが燃えるなんて経験はなかなかありません。
私は2回目だけど。
幸い刺されることもなく、燃えることも煙に巻かれることもなく無事でしたが、いっそのこと、トコジラミが燃えてくれればいいのに。
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