コモド島で野生のコモドオオトカゲに遭遇!観光ツアー体験記

こんにちわ、わらびです。

コモド島ツアーでは最大の見どころとなる、コモド国立公園でコモドオオトカゲを見てきた時の様子を紹介していきます。

島の生態系の頂点に君臨する太古の恐竜。

容易く人を死に至らしめる猛毒を持ちながら、島には人とトカゲを分かつものは何もない…

森ではぐれるツアー客、マジで焦るレンジャー、そして取り残される自分たち!

一体どうなってしまうのか!?

この記事は2024年7月の情報に基づき作成されています。
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コモド島に上陸

コモド島ツアーではパダール島に次いで上陸したコモド国立公園のあるコモド島。

コモド島の人口は2,000人ほど。島の規模には見合わぬほど多くの観光客が訪れるため、大きく長い港が整備されています。

ちなみにこの島、もとは流刑地だったそうな。

ビーチに辿り着くと、コモドオオトカゲの写った大きな看板はお出迎え。

ここからはコモドオオトカゲの生息域となるので、島の勇敢な男もとい、レンジャーの同行が必須になります。

レンジャーといっても、特に銃火器を携帯しているわけではなく、長い木の棒を装備しているだけ。

いざとなったらこれで突いて追い払う。

原始的だが、おそらくこの島では昔からそうやってコモドオオトカゲと共存してきたのだろう。

それにしても、ドラゴンクエストの初期装備張りに心許ない。いざという時は迷わず逃げよう。

しばらく進むとそこには観光客用のレストランや土産物屋が並んでいた。

ここは観光客に向けた場所であり、南に3kmほど行った場所に島唯一の村がある。

青森県ほどではないにしろ、こんな辺鄙なところにも人が住んでいるんだなと少し関心してしまった。

コモドオオトカゲに遭遇!

土産物屋のすぐ裏の砂浜…

普通にいる。

びっくりするくらい普通にいた。あまりにもぬるっと普通にいすぎて感動する暇すらありませんでした。

世界最大のトカゲ。大きすぎてワニみたい。

さすがにこんな危険生物の住む島、人間とコモドオオトカゲ分ける物理的な柵があるものだと思っていましたが、そんなものは御座いません。

文字通り人間と共存し、こんな感じで人のテリトリーにも出没するみたい。

普通に砂浜をうろついているし、そこらで作業している人たちのすぐ真後ろを通り過ぎて行ったりもする。

人間は獲物ではないので基本的に襲われないとされていますが、それでも相手は野生の生物。時折人間が襲われるという事故は起きているみたいです…

ちなみに、コモドオオトカゲの毒に対する血清自体は存在するのでもし噛まれてしまっても大丈夫!

…とは安心しきれない。

なぜなら、コモドオオトカゲの生息する島々にはどういう訳か血清が保管されていない。

おそらくどの島も人は住んでいるけど、結構な僻地なので血清を保管できるきちんとした設備が存在しないとかなんでしょう。

なので、もし噛みつかれた場合はすぐさまラブアンバジョまで移動し、そこで血清を打たなければあんりません。

毒の血清はあるにはあるが、一番被害に遭う可能性の高い人たちのもとには無いという。

そこそこリスキーな暮らしをしてますな。

コモド島では1974年に観光客が初めて死亡して以降、30人以上がコモドオオトカゲにかまれ、うち5人が死亡しているそうです。

これはコモド島内のみの話みたいなので、他の生息地も含むと被害人数はもっと多くなると思われます。

人間を滅多に襲わないけど絶対に安全とは言い切れない。そんな感じ。

この時ビーチでは3匹のコモドオオトカゲを目撃しましたが、彼らは変温動物なので、このように木陰の多い森の中から、日の当たるビーチに出てきて体温を上げているのです。

まだここにいる段階では体温が上がりきっていないので、動きは鈍く、記念撮影なんかもできちゃいます。

この時撮影してくれるのはもちろん勇敢なレンジャーさん。

慣れているとはいえ、コモドオオトカゲの正面に立ち写真を撮る勇敢な男は違いますな。昨今の軟弱な日本人も少しは見習うべきかと。

日本人であればコモドオオトカゲと聞くと、かの有名な「世界の果てまで行ってQ!」での企画、珍獣ハンターイモトとの狂気の鬼ごっこを思い出すという人も多いのではないでしょうか?

めちゃくちゃインパクトのある映像でしたが、結果から分かるように、コモドオオトカゲは人間の女性よりも走るのが遅い。

人間にも劣るくらいなので野生動物になんて追い付ける訳はありません。

意外なことにコモドオオトカゲの最大時速20kmほどと、実はそこまで早くない。

というかむしろ遅いくらいで、何なら島に生息している生き物の中では結構な鈍足です。

コモドオオトカゲの獲物となるのは水牛、シカ、イノシシ、ヤギなど。

どれも最高時速40km以上で走ることができて、あまつさえデブの代名詞たるブタにさえ劣るのです。

スラバヤ動物園にて撮影

じゃあどうやって獲物を捕らえるのかと言ったら、そこは牙に含まれる猛毒を使うんですね。

コモドドラゴンの毒は、以前まではバクテリアだと思われていたそうだが、近年の研究で毒ということが明らかになったそうだ。

だからといって、

バクテリアじゃなくて毒なんだ、じゃあ安心だね。

とはならない。

認識が変わっただけで、依然として危険性は何ら変わっていないのですから。

コモド国立公園内に作られた水場

コモドオオトカゲの狩りは、動物の集まる水場でじっと獲物を待ち続け、やってきた獲物に噛みつき毒を注入する。そのため皮膚の色は周囲の環境に溶け込む保護色をしています。

この毒というのは非常に強力で、ひと嚙みされると人間であれば半日で。牛など大型動物であっても3日で息絶えるそうです。

牙の形も細かい鋸状で、咬傷は複雑かつ表面積が大きくなり、より効率よく毒を注入できるようになっています。

また、とても鋭い嗅覚を持ち6km以上先の匂いも嗅ぎ取るため、毒を注入した獲物をじりじりと追い詰め、毒と出血により体力を消耗させ弱ったところを捕らえるというのが狩りの方法。

一度狙われたら最後、この狭い島でコモドオオトカゲから逃げ切ることはできないのです。

スラバヤ動物園にて撮影

実はとても強そうな爪を持ちながら、これは狩りには役立たないみたいです。

森の中を探検

コモド国立公園の森の中へトレッキングへ。

島に生息しているオオトカゲは約1,700匹ほどで、そのほとんどが島の奥地に生息しているそうだ。

ツアーでトレッキングするのは島のかなり手前の方のみだが、ここでも数十匹のコモドオオトカゲが生息しているそうです。

ここが生息域であるのを示すように、トレッキングコース上にはいくつもの痕跡が残されていました。

周囲から1m以上盛り上がった土。

これはもとからあった自然地形ではなく、コモドオオトカゲのメスが産卵のために作ったコロニー。

コモドオオトカゲには共食いの習性があり、生まれてすぐの小さいうちは、他のメスに食べられてしまうので樹上で果物や鳥の卵、昆虫などを餌に生活します。

島の生態系の頂点に君臨するゆえに天敵がおらず、獲物が減少したことによって自らも危機に陥る。そのため自分たちで数を減らして調整する。

この共食いは、狭い島の中で生き残るために獲得した合理的な習性といえるでしょう。

ガイドの示す先を見るとそこには巣穴が。

成体になると、自ら巣穴を掘ったり他の野生動物が掘った穴を再利用するそうだ。

入り口付近に張った蜘蛛の巣を見るに今はもう利用されていない様子。

コモドオオトカゲの生息している痕跡は見つかるも、本体は一向に見つからず。

トレッキング用のルートはある程度整備されているが周囲の見通しはそこまで良くない。

急にオオトカゲが飛び出して来たら怖いので、念のためにガイドのすぐ後ろに付いて行く。

森の中でのハプニング

森の中をトレッキングしている途中。

先頭を歩くガイドが振り返り、最後尾の2名がはぐれていることに気づく。

レンジャーの様子を見るにかなり焦っている。

確かに、軽く嚙まれただけでも普通に死んじゃいますし、何よりはぐれた2名は無防備な上にコモドオオトカゲに対する知恵も何もない。

自分たちはその場から動かないように指示され、はぐれた2名を探しに行くレンジャー。

今度は自分たちが無防備になってしまった。

取り残された人間たちの数は6人。おそらく、その中で身体能力が最も高いのは自分。

つまり、もしコモドオオトカゲに襲われてしまった場合、グループ全体の生存を最も左右するのは私ということになる。

しかし、わざわざ他人のために自らの命を危険に晒してまで戦おうというヒーロー性や自己犠牲は持ち合わせてはいないので、持ち前の身体能力は逃走用に発揮するとしよう。

心なしか小声で話す一行。

キョロキョロするのはビビっていると思われるかもしれないので、冷静にゆっくり周囲を見回しビビッてないという雰囲気を出しながら警戒する自分。

コモドオオトカゲを見に来たはずが、今だけは出て来ないで欲しい。

コモド島の森の中。

恐怖を前に、人種、年齢の垣根を越えて、みんなの気持ちが一つに纏まったのであった。

幸い、はぐれた二人を連れてレンジャーも戻ってきて最終的に何事もありませんでしたが、猛毒を持つコモドオオトカゲの生息域で、手に汗握る緊張感溢れる体験をさせていただきました。

ちなみにはぐれた二人は、暑かったので上着を脱いでいたらカバンにしまうのに手間取って遅れてしまったそう。

大型の個体に遭遇

レンジャーとはぐれた2人も合流しトレッキングを再開。

レンジャーが何か発見し、彼の示す方向を見ると遠くから…

この日見た中では最も大きな個体。3m近くあるのではなかろうか?

望遠レンズで撮影しているが、それでも正面に立つ以上はいつでも逃げ出せるように警戒は怠らない。

脳裏にイモトアヤコの追いかけっこが思い浮かぶ中シャッターを切るも、相手が動いているというのもありしっかりとピントが定まらない。

巨体を左右に揺らしながらのそのそと歩く。

走るのは人間よりも遅いけど、単純に体が大きいので歩く速度は人間よりも早い。だいたい早歩きくらい。

こういう時サービスの一環として、レンジャーにスマホを渡せば、危険を顧みず正面に立ち写真を撮ってくれる。

しかしながら、正面に立つことのできない観光客は、基本的にコモドオオトカゲのケツを追いかけることとなる。

どうでもいい話だけど…

2024年7月のこと。

名古屋の東山動物園にコモドオオトカゲがやってくると、各メディアが報道していたのを覚えている人も多いことでしょう。

そしてちょうどその時期、直近でコモド島に訪れSNSにコモドオオトカゲの画像と動画をアップしていた日本人というのがこの私。

ということでこれに目を付けたTV番組のゴゴスマにて、自分の撮影した動画が視聴者提供として放送されることと相成ったのです。

一応、母親に見てほしかったので連絡してみたのですけど、残念ながら青森県でゴゴスマは放送されていなかったので見れなかったというオチ。

やっぱり青森県ってアレですね。

おわり

コモド島の頂点に君臨するコモドオオトカゲ。

危険な生物の生息する森の中をトレッキングするのはちょっぴり刺激的。

この島の中で彼らに狙われたら最後、決して逃げ切ることはできません。

皆さんも潔く諦めましょう。

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