ベトナム最後の王朝、フエのグエン朝王宮の見どころとおすすめの観光ルート紹介

こんにちわ。わらびです。

トナム中部に位置するフエ。1802年から1945年まで、グエン朝の首都として栄え、王宮を中心に壮麗な宮廷文化が花開きました。

今回は、多くの歴史的建造物が残るフエにおいて、最大の見どころである「グエン朝王宮」の見どころを紹介してきます。

グエン朝王宮とは?

グエン朝王宮」は、1802年から1945年まで続いたベトナム最後の王朝「阮朝(グエン朝)」の王族が使用していた壮麗な宮殿。帝の居住区や国家の行政機関が集中しており、政治、文化、宗教の中心として機能しました。

1804年にグエン朝初代皇帝の「嘉隆帝(ザーロン帝)」が建設を始め、その後、数代にわたって拡張。設計には中国北京の紫禁城の影響を強く受け、儒教的な思想を反映した宮廷の礼制に基づいて建設されています。

ベトナム戦争では激戦地だったため、多くの建物が甚大な被害を受け破壊され、現在残されている大部分は、新しく再建されたものとなります。

フエにある複数の建造物と共に世界遺産に登録され、他にはトゥドゥック帝廟、ミンマン帝廟、カイディン帝廟などがあります。

「フエの建造物群」として世界遺産に登録

料金

グエン朝王宮の入場料は200,000VND=1,200円。

複数の施設に入場できるコンボチケットもあるので、グエン朝王宮以外にも観光したいという人はそちらの方がおすすめ。

コンボチケットの料金

コンボチケットは全部で4種類あり、入場できる施設が異なります。

有効期間は購入日を含め2日間なので、初日はグエン朝王宮を、2日目はバイクやタクシーを借りて郊外の廟をまとめて回るというのが効率的。

グエン朝王宮トゥドゥック帝廟カイディン帝廟ミンマン帝廟料金
チケット①×420,000VND
チケット②×420,000VND
チケット③×420,000VND
チケット④530,000VND

グエン朝王宮の入場料は200,000VND、他三か所の廟はそれぞれ150,000VNDなので、①~③は80,000VND、④は120,000VNDの割引になります。

グエン朝王宮の見どころ

王宮は600m四方とかなり広く、建物も多いので観光には3、4時間ほど要します。

敷地内に自動販売機や売店があるので水分補給には困りませんが、かなりの距離を歩くことになります。

徒歩ですべて回るのはきついという場合は、電動カートに乗って見学するツアーもあるので、体力に自信のない方は利用を推奨。

おすすめの見学ルート

王宮は王宮門の一か所からしか出入りできないため、見学ルートとしては、王宮門を抜けたらすぐ左へ向かい、テートー廟とヒエン・ラム・カックへ。

次いで延寿宮と健忠殿を見たら、あとは王宮門方面へ向かいながら途中にあるタイビンラウや朱色の回廊を見て、最後にタイホア殿を見学するのが高率的。

1.王宮門

王宮の正門、中国の紫禁城の午門をモデルにして作られている「王宮門(午門)」。

1823年にミンマン帝によって建設され、カイディン帝の時期に再建されました。

「午」という字には南という意味もあり、これは、古代中国の「聖人君子が南から天下に声を傾ければ、世の中は平和に収まる。」という考えに由来しています。

正門には五つの門があり、中央の門は帝専用の門。その両脇の二つの門は宮廷の役人、外側の二つは兵士と動物が通るために使われました。

中央の門は、帝が外出する時にしか開かれませんでした。

門の上部には「五鳳楼」という見晴らし台があり、皇帝が儀式を見守った場所として知られています。

門の上にある朱色が美しい五鳳楼。

かつては全体に金箔が張り付けられていたとされています。

2.テートー廟(世祖廟)

グエン王朝の菩提寺「テートー廟」。

歴代帝のうち5代、6代は在位期間が短く、最後の13代目に関してはフランスに亡命してしまったので、それら以外の10人の帝の位牌が祀られています。

内部には朱色の美しい空間が広がり、王宮内でもひと際豪華な造りとなっています。

3.ヒエン・ラム・カック(顕臨閣)

テートー廟の前閣「ヒエン・ラム・カック」。

廟門は他の建築物と比べ随分と年季が入っています。おそらく戦争での破壊を免れたのでしょう。

ヒエン・ラム・カックの前には、ミンマン帝により作られた九つの鼎(三本脚の器)が置かれています。この鼎というのは、古代中国で誕生した祭器で、王位の象徴とされています。

それぞれの鼎には、歴代帝の生前の功績に基づき付けられた諡号である「高」、「仁」、「章」、「英」、「穀」、「純」、「宣」、「裕」、「玄」の文字と、ベトナムの四季を表した絵が刻まれています。

在位の短かった5、6代と生前に退位した11代、フランスに亡命した13代帝の鼎は置かれていません。

4.ジエント宮(延寿宮)

ザーロン帝の母親の住居として使われていた「ジエント宮」。

1804年、ザーロン帝が母の住居として建設し、内部には中国式のアンティークなどが置かれていましたが、戦争による破壊と略奪により多くが失われました。

5.ディエン・キエンチュン(建中殿)

1923年に完成した「ディエン・キエンチュン」。

王朝最後の二人の帝、カイディンとバオダイの住居兼仕事場として使われていました。

インドシナ紛争中にベトミンによって破壊され、2023年に再建完了、2024年2月に一般公開が開始された王宮内では最も新しい建物。

アジアとヨーロッパの様式を融合させた、王宮内では異彩を放つ豪華な風体。

豪華絢爛な装飾や調度品、派手で煌びやか。

植民地化される前に作られた他の建築物と違い、ここは植民地化後暫く経ってから作られたので、フランス様式の影響を強く受けているような気がします。

6.タイビンラウ(太平樓)

タイビンラウ」は、三代ティエウチ帝の時代に、書斎として作られた2階建ての木造建築。1921年、カイディン帝の時代に1度修復されました。

他の建築は鮮やかな朱色や、フランスコロニアル風の黄色を用いていましたが、この建物はそれらとは違った趣ある色使いをしています。

装飾をよく見ると、タイルが散りばめられているのでお見逃し無いように。

7.朱色の回廊

王宮の中央に位置する「朱色の回廊」。

今でこそ回廊だけが残されていますが、かつてはここが帝の宮殿の置かれた場所で、政務室や寝所と繋がっていました。

鮮やかな赤が映えるので記念撮影にもおすすめ。

また、吹き抜ける風が心地よく、疲れた際の休憩にも丁度良い。

8.ヒューヴー|ダーヴー(右廡|左廡)

当直の高級官吏が詰所として使用していた場所で、「ヒューヴー」は武官用に、「ダーヴー」は文官が使用していました。

王宮門を背にしたとき右がヒューヴー。左がダーヴーとなっていますので、お間違いのないように。

ヒューヴーでは、帝の衣装を着ての記念撮影を。ダーヴーでは他の世界遺産の資料や王宮の修復に関する記録が展示されています。

ここには大型送風機やファンがいくつか設置されているのでお勧めの休憩ポイント。

9.ロイヤルシアター(閲是堂)

ロイヤルシアター」。

かつては皇族のみが楽しんだとされる伝統舞踊「ニャーニャック」が行われていた劇場。

ニャーニャックはユネスコの世界無形遺産に登録されており、現在も1日2回、40分のショーが開催されています。

壁に展示されている趣味の悪いマスクはニャーニャックで使われるもの。

2. タイホア殿(大和殿)

タイホア殿」は、帝の戴冠式や儀式が行われた正殿。

1805年にグエン朝初代皇帝・嘉隆帝(ザーロン帝)によって建設され、その後何度か修復をされてきましたが、ベトナム戦争では完全に破壊されてしまいました。

現在あるものは1970年に再建された建物。

私が訪れた当時は、修復工事中で見学不可でした。

おわり

グエン朝王宮はかなり広く見どころも多い。

熱波が到来中で体感気温45℃という、ニュースでは外出自粛を呼びかける中での観光でした。

翌日は、郊外にある3か所の帝廟へと自転車で向かうことになります。…熱波の中。

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