こんばんわ。わらびです。
バリ島には見どころが沢山あり、世界遺産のタマン・アユン寺院や大自然を満喫できるキンタマーニ高原。
歴史も自然も多くの見どころがあるというのに、更には伝統芸能までも豊富にあるときたもんだ!
今回はその中では特に人気のあるバリ島のケチャダンスについて紹介していきます。
この記事は2024年6月時点の情報に基づき作成されています。
※100IDR=1円
ケチャダンスとは?

皆さん、「ケチャダンス」というものをご存知だろうか?
まあ当然、ほとんどの人が知らないと思いますが、これは、上半身裸の男性たちが円形に広がり、「チャチャチャッ」という独特な発声と共に踊るバリ島の伝統芸能。
終盤では、火を扱った演目が披露されるため「ファイヤーダンス」という呼ばれ方もします。
もとは、神聖な霊を降ろして村の厄払いをする「サンヒャン」という宗教儀式にルーツを持っており、1930年代にドイツ人画家のウォルター・シュピースという人物がインド叙事詩のラーマーヤナの要素を取り入れて現在の観劇用のスタイルにアレンジしました。
バリ島ではウブドなど何か所かで見ることが可能で、その中でも、断崖のステージの上で沈みゆく夕陽を背景に行われるという絶好のロケーションも相まって、最も知名度の高いのがウルワツ寺院のケチャダンスなんですね。
アクセス方法
ウルワツ寺院があるのはバリ島南のバトゥン半島の西の端っこ。
人気のある観光地と言えどアクセスは悪く、ツアーに参加するかタクシーで行くというのが一般的のようです。
少々面倒ではありますが、クタ地区からトランスメトロデワタ(赤い路線バス)の[K5B]で終点付近の「Politeknik Negeri Bali」まで行き、そこからGojekを呼んでウルワツ寺院まで行くというのが最も安く済むかと思います。
帰りも逆の方法で問題なく帰ることが可能。
- クタ地区→Politeknik Negeri Bali(路線バスK5B)
- 4,400IDR(Eマネーカード払いのみ)
- Politeknik Negeri Bali→ウルワツ寺院(Gojek)
- 40,000IDR前後
チケットの料金・購入方法・注意点
料金
ウルワツ寺院でケチャダンスを見るには、ふたつの料金が必要。それぞれ別で支払います。
- ウルワツ寺院の入場料
- 50,000IDR=500円
- ケチャダンスのチケット
- 150,000IDR=1,500円
ダンスのステージは寺院の敷地内の一角にあるため、そこまで行くだけでも入場料が必要となってしまいます。
ウルワツ寺院でケチャダンスを鑑賞するとなると、トータルで200,000IDR必要になりますが、ウブドではその半額の100,000IDRです。
せっかく寺院の入場料も払っているので、少し早めに行って寺院の観光をするのが良いかと。
上演スケジュール
ケチャダンスは毎日2回行われています。
1回目の上演は18:00~19:00。
2回目の上演が19:00~20:00。
1回目の上演が丁度夕日が沈む時間帯なので、そちらの方が人気が高くなっています。
チケットは先着順
ケチャダンスのチケットは、ツアー業者用に用意されている席数を除けば、残りの席は先着順になります。
それと、席はすべて自由席となっているため、少しでもダンスを間近で見たい人や眺めの良い上部の席に陣取りたいなど希望がある場合は、早めに行って列に並びましょう。
渋滞には注意
ウルワツ寺院に行く場合、ケチャダンスを見るために夕方ごろに出発する方が多いかと思われますが、この時間帯は、バリ島名物退勤ラッシュによる大渋滞とモロ被りしちゃいます。
本来であれば、クタ地区からだと1時間ほどで到着するような距離でも、渋滞に巻き込まれ倍以上の時間がかかるなんて当たり前。
この事を見越してかなり早めに出発しましょう。
ケチャダンスの様子
渋滞にはまってしまい、寺院に入ってすぐチケット販売の列に並び、なんとか一回目の公演チケットを入手。
ショーの始まる時間まであまり時間がなく、残念ながらウルワツ寺院の観光はできませんでした。

客席は円形の階段状。
ダンスの時に正面となる部分は既に人がいっぱい。良い席はツアー客たちによって先に埋まってしまうみたいです。

正面からは大分ずれたものの、このように眺めの良い席を確保。

特にすることもないので沈みゆく夕陽を眺めしばらく待機。
その間も続々と観客が詰め寄せ、

そして、中央の松明に火が灯されいよいよケチャダンスが開始されます。
ちなみにこの松明に火を点けるのは、特殊な能力を持った「マンクー」という僧侶の仕事。
ショーの終盤に行われるファイヤーダンスも、このマンクーにしかできないとされています。

続々と踊り手たちがステージに入ってきて、


松明の周りに座り込む。
この時行われたのは「森に迷い込んだラマ王子とシータ姫に忍び寄る邪悪な影」というストーリー。チケットの購入時に貰った紙に大まかな内容が記されていました。
詳しく説明するのが面倒なのでざっくり説明すると、、
邪悪な企てによって国を追われた王子ラマと妃のシータ、王子の弟であるラクサマナ。この3人は森に逃れ生活することに。
そして彼らを見つけた悪の魔王ラワナが、妃シータの美しさに魅了され、我がものとするため3人を引き離し、自らの宮殿へと連れ去ってしまった。
妻が連れ去られたことを知った王子ラマは、白猿のハノマンにシータを見つけ出すように依頼する。
ハマノンは宮殿へと向かいシータを見つけ出すも捕らえられ火にかけられてしまう。それでもなんやかんやで上手いこと逃げ出したというお話なんだそう。
もっと詳しく知りたいという方は、インド叙事詩のラーマーヤナでも勉強してくださいな。


連れ去られるシータを助けるために現れた聖鳥ガルーダ。
しかし救出はあえなく失敗。君は一体何をしに来たんだい?


そしてこれが悪の魔王ラワナ。
見るからに悪そう。
物語の根幹となる人物が次々と登場し、周りの踊り手たちは、両手を掲げ「チャチャチャッ」と肉声で独特なリズムを奏でます。
このダンスは、踊り手たちにとっては一種の神秘体験ともされるそうですが、昔の人たちは、激しい運動やあまり耐性のなかったカフェイン、大麻などを使うことで酩酊状態に陥り、それを神と繋がる神秘体験と考えていた訳なんですね。
このケチャダンスはそんな神秘体験の中でも健全な方で、踊りながら絶えずチャチャチャッと発声し続けることで酸欠状態になり、幻覚を見たりなんだか不思議な体験をするというもの。
インドとかだと、大麻を吸って「俺は神を信じていないけど、神を見た」なんてこと言っている人もいるけど怖いですよね。

満を持して白猿ハノマンの登場です。

魔王の宮殿にシータを探しに来たハノマンは、ちゃっかり踊りの列にくわったり、高いところへ登ったり、客席へと紛れ込んだりと、コミカルな演出で観客を楽しませてくれます。

そしていよいよショーも終盤。
とらわれたハノマンが火にかけられてしまいます。

ちなみに燃やしているのは油を染み込ませた椰子の殻みたいです。

さあどうなるハノマン!?
火に囲まれてここから逃げる術はあるのか?

なんとか火から逃げおおせたハノマン。
そして、周囲の火を蹴とばすと、瞬間、勢いよく上がる火柱とはじけ飛ぶ火の粉。
すっかり日も沈み暗くなったステージでは、とてもインパクトの大きい演出。これがファイヤーダンスと呼ばれる所以でしょう。
ここでは蹴とばす演出でしたが、ウブドで行われるケチャダンスでは、地面に敷き詰めた燃えカスを蹴散らしながら走るというハードなことも行われています。

最後は演者たちが挨拶をして終了となります。
おわり
独特の掛け声とリズム、面白い動き。
正直、ラーマーヤナの内容なんて全く知りませんが、ただ単純に見るだけでも楽しむことができます。まるで成人向け映像作品のようにね。
ショーの最後には観客からも参加を募り、このショーの演者がどんな感じなのかも体験できるので勇ある方はぜひ参加してみてね。
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