こんばんわ。わらびです。
この記事では、フォンニャ=ケバン国立公園内にある「天国の洞窟(パラダイスケイブ)」について紹介します。
天国なのに、「一生に一度は訪れたい」とは何ぞやという矛盾はさておき、この洞窟はベトナム旅行中に訪れた中でも、特に印象に残っています。
ありきたりな表現ではありますが、まさに感動の絶景という言葉が当てはまる場所。
この記事は2024年4月の情報に基づき作成されています。
もくじ
天国の洞窟とは?
「天国の洞窟」は、フォンニャ=ケバン国立公園の中にある洞窟のひとつ。
総延長約31kmに達し、東南アジアでも最大級の洞窟とされています。公開エリアは入り口から約1kmに限定されているものの、そこが地下とは思えないほどの圧倒的な空間の広さと高さには驚愕するばかり。
現在判明している中で、世界一大きな洞窟は、同じ国立公園内にあるソンドン洞窟。そちらは年間1,000人限定のツアーでしか入ることができないので、観光客が制限なく入場できる洞窟ではこの天国の洞窟が世界トップクラスの大きさになります。
アクセスが悪いので、フォンニャ洞窟に比べると足を運ぶ人が少なくなりますが、圧倒的な広さを誇る地下空間はフォンニャ観光では絶対に外すことはできません。
ちなみにこの天国の洞窟、世界遺産のフォンニャ=ケバン国立公園内にあるにもかかわらず、世界遺産の構成資産ではないんだそうです。
というのも、フォンニャ=ケバン国立公園が世界遺産に登録されたのが2003年。そして、天国の洞窟が発見されたのが2年後の2005年ということなので、世界遺産には登録されてはいません。
規模もかなり大きく希少な洞窟なので、そのうち拡大登録されるかもしれません。
入場料
- チケット料金・250,000VND=1,500円
- 電動シャトル(往復)・20,000VND=120円(必要な人のみ)
- バイクの駐輪代・5,000VND=30円
※1,000VND=6円
チケット売り場から洞窟の入り口付近までは1.5kmくらい離れているので、有料の電動バギーもあります。
洞窟の入り口自体は山の斜面にあるので、どのみちバギーを降りてからも数百mは山を登らなければなりませんが、足腰に余裕のない軟弱者、なるべく体力を温存したいという方は利用しましょう。
アクセス方法
天国の洞窟があるのはフォンニャ村から30km以上離れた山の中。
フォンニャ村以外から個人でアクセスするのは困難。バイクでも片道1時間以上かかるので、運転に自信のない方などは、基本的にツアーを利用することになるかと思います。
①フエ発の日帰りツアー
ベトナムの人気観光地であるフエからは、フォンニャ国立公園への日帰りツアーが催行されています。
ただし、かなり距離があるので、日帰りツアーで見学できるのは、フォンニャ洞窟か天国の洞窟どちらか片方のみとなっています。
②ドンホイ発の日帰りツアー
フォンニャの最寄りの町ドンホイからであれば、片道2時間程度なので、日帰りツアーでもフォンニャ洞窟と天国の洞窟の2か所を見学可能です。
③フォンニャ発のツアー
フォンニャの各ホテルからは、天国の洞窟への送迎も行われてます。
これには、天国の洞窟だけではなく、他に暗闇の洞窟(トイ洞窟)なども含まれているので、効率よく観光したい人にはおすすめです。
④レンタルバイク
天国の洞窟まで唯一自力でアクセスする方法がレンタルバイク。
道中、雄大なカルスト地形を眺めながら川沿いを進みます。
バイクのレンタルは、宿泊しているホテルか、村に何軒かあるレンタルショップ。
自分はメインストリートのWinmartの前にある「Hai’s Phong Nha Motorbike」でレンタルしました。借りるときのガソリンはほぼ空ですが、必要あればその場で購入もできます。
- レンタル料/1日
- 120,000VND=720円
- ガソリン代1.5ℓ・30,000VND
- 天国の洞窟での駐輪代・5,000VND
観光のシーズン
天国の洞窟はフォンニャ洞窟とは違い、雨季でも水没しないので年間を通して観光可能。
洞窟内は外気温がどれだけ高くなろうと全く影響は無いので、暑さに関してはそこまで留意する必要はありません。
- 乾季・3~8月
- 雨季・9~11月
天国の洞窟の様子
天国の洞窟の入り口は、山の中腹にある、わずか2mにも満たない岩の隙間になります。
こんなとこにある小さな穴の奥に、誰が巨大洞窟が眠っていると想像できるものでしょうか?
道理で長い間発見されないわけですよ。
洞窟内に足を踏み入れると、うっすら視界が白く濁りますが、この正体は何と雲。外から流れ込んでくる暑い空気が、洞窟内に流れ込み冷やされることで雲が発生しています。
地中に雲が発生する。それだけでもいかに巨大な空間かがわかります。
天国の洞窟の全長は約31km。
単純な総延長であれば、ここよりも長い洞窟は世界にいくつもあります。しかし、何と言っても天国の洞窟の凄さは圧倒的な広さを誇る地下空間。
入り口から階段を下ると、その先には信じられないほど巨大な空間が広がっていました。
ここが本当に地下とは思えない。まさに目を疑うような光景です。
この先約1kmに渡り、同じく開放的な空間が続いています。
洞窟内のいたるところには不気味でグロテスクな鍾乳石が連なっています。
その生成速度は1年で1mmにも満たないとされています。
ここにある巨大な鍾乳石たちは、何千年、何万年と気が遠くなるほどの年月をかけて、今の大きさになりました。
洞窟や鍾乳石の生成メカニズムも調べれば理解できますが、この巨大な地下空間も鍾乳石も、実物を目の前にすると改めて訳が分かりません。
天国の洞窟というのは、この光景が天国に見えることから名付けられたのですが、まあ確かにすごい光景ではあるけど、おおよそ自分の想像する天国とはかけ離れています。
天国がある場所は、読んで字の如く天。本来地獄を想起させる地下にその名をつけるというのも不思議な感覚。
この場所を発見した探検家たちからすると、人生最大の発見ともいえるこの洞窟は、まるで天国のような光景だったのかもしれませんね。
たなびくカーテンのように、薄く光が透けて見える鍾乳石。
水滴がしたたり今なお成長中。
植物のように複雑怪奇な鍾乳石。
いったいどうやって生成されたのでしょう?
1kmを進む間に次々と飛び込んでくる興味深い光景に目を奪われ、なかなか先に進むことができません。
結局観光に要した時間は2時間以上。
時間と我を忘れ、シャッターを切る手が止まらず、カメラのバッテリーも空っぽになってしまいました。
改めて見返してみても巨大な空間。
このフォンニャは、年間10個以上のペースで新たな洞窟が発見されているんだそう。
当然天国の洞窟のように、入り口が2mに満たない洞窟でも、中にはとんでもなく巨大な空間が眠っているかもしれない…、むしろ、調査がほとんど進んでいない以上は、世界最大のソンドン洞窟より巨大な洞窟があったとしても全く不思議ではないんです。
ロマンがありますね。
おわり
自然の作り出した奇跡の絶景。
こういった例え方は陳腐であまり好きではないのですが、そんな私でさえも、そう表現することがやぶさかでない天国の洞窟。
天国とついているのに、一生に一度は見てみたいというのは可笑しな気もしますが、死後地獄に行く人もそうでない人も、生きている間に拝んでおきたい光景です。