こんばんは、わらびです。
スンバワ島にはスンバワべサル、ビマという東西の主要都市がありますが、そこへと向かう前にアラスという小さな町にちょっと寄り道。
何故ここに来たかというと、どうも世界一の人口密度を誇る島があるんだそう。
世界一スカスカの過疎地青森県で生まれ育った自分としては、そんな人口密集地には興味が尽きないのである。
スンバワ島、アラスへのアクセス
↳ロンボク島のマタラムからスンバワ島、アラスへの移動方法【バス料金、ホテル情報あり】
この記事は2024年7月の情報に基づき作成されています。
ブンギン島とは?

スンバワ島西部、アラスの北に位置する「ブンギン島」。
この島は、世界で最も人口密度の高い島のひとつとも言われ、わずか8ヘクタールほどの小さな面積に約3,000人以上の人々が暮らしています。
ちなみに、この島の面積をありきたりな表現で例えると東京ドーム2つくらい。
陸地は住居でほぼ埋め尽くされ、浸水対策のためか、高床式が一般的な構造となっている。
島の産業は漁業。最近では海藻の養殖もおこなわれ始めています。
人口密度が高いため人と人との距離がとても近い。島という外部と隔絶された環境でありながら、島民たちは外部の人間に対しても非常にフレンドリー。
なんかそういう、ハートフルで温かい島、みたいな感じなんだと思う。
アクセス方法
アラスからブンギン島までは約5km。
行き方として、この地域は配車アプリのGojek未対応地域のため、そこらを走っているバイクに料金交渉し乗せてもらうくらいしかないと思います。
歩いても1時間ほどで着く距離。
道中、印象的な光景のスポットがあるので、存外歩いて行くのも良いかもしれません。
ブンギン島観光の様子
ブンギン島観光へいざ出立!
アラスにはバイクタクシーも何も無いので歩いて行くことに。

長閑な風景が広がるアラス郊外。
一瞬、ここが青森かと見紛ってしまいましたが、人間の生活圏を青森と見間違えてしまうなんて何たる非礼でしょう。

見たことのないような建築様式のモスク。
門の上にドーム、ミナレットは無いが回廊部分にはアーチが設けられている。
地方の小さなモスクともなると作れるものにも限度があるのか、このように現地の民家の作り方と混ざっているのでしょう。
面白いものですね。

田園地帯を抜けるといよいよ海が見えてくる。
そしてそこには、海に一本だけ生えているマングローブが。

この日は曇り空だったが、雲間から差し込むレンブラント光線も相まって殊更印象的な光景である。
ちなみに、マングローブとは汽水域に生息する植物の総称で、まあ皆さんがイメージするマングローブ的な植物は別にちゃんとした名前があるみたいです。
じゃあこの1本だけ生えた植物の名前は何かというとそれは知らん。

どうでもいいけど、海水に浸かるマングローブではいくつかの塩分排出システムが存在する。
ところどころ葉が枯れているのを見ると、これは一部の葉に塩分を集め落葉させることで、塩分を排出させる種類のようである。
ちなみに、落葉した葉には塩分が集まっているので、当然だが齧るとしょっぱいそうだ。
今まで、落葉したマングローブの葉を目の当たりにする機会はあったのだが、その都度、なんだかばっちいからと尻込みし齧ることはできませんでした。
実は、マングローブのしょっぱい葉を味わうというのがささやかな夢。

いよいよブンギン島へ上陸。

今では立派な橋、というよりも浅瀬を埋め立て造られた道路がありますが、以前までは陸地とは隔たれた環境でした。
そのため、基本的な生活は島内で完結できるようなシステムが構築されていたようですが、今では陸と自由に行き来できるようになっているため徐々に生活も変わってきているんだとか。

近年では、わずかながら観光地化してきているのか、それっぽい看板や割かしちゃんとしたレストランもあります。
島には一応ホテル?ホームステイなのかな?2件ほどの宿泊施設があるようです。
もちろん、ガソリンスタンドやモスク、中学校までの教育施設、病院など生活基盤となるものもばっちり完備。

メインストリート?らしき通りはレンガが敷き詰められているのできちんとバイクも走ることが可能。
これも陸と繋がったことによる恩恵なのでしょうか?


島内に踏み入れて驚いたのが意外と、どころか普通に秩序だったその様相。
人口過密地帯と聞くと、今はもう無い九龍城塞のように無秩序に広がる建築物を想像するかもしれません。
するかな?
多分しないな。
ヴィクトリア湖のミギンゴ島、コロンビアのイスロテ島。いずれも人口密度が世界トップレベルの場所は島で、建物の拡がり方にはルールはない。
しかしこのブンギン島では、島の南側にあるモスクを起点とし、そこから非常に規則正しく放射状に民家が拡がっています。
なるほど確かに、イスラム教の浸透した地域のため、大モスクという地域を発展させる際に中心となる基準があるので、人口密集地でありながらこのように秩序だった光景が生まれるのでしょう。

家屋の隙間の通路。
入り組んでいる訳ではないので、初めて来る人でも迷わずに歩くことが出来る。秩序正しく作られた島ゆえの特徴。

場所によってはぬかるみ、ごみの量もすごい。

橋で陸続きになったので、しっかりとした港も整備されている。
トラックも乗り入れるため、島の中では一番しっかりとした造りとなっている。
ちなみにこの島の漁師は、時として500kmほど離れた東ティモールの国境付近まで漁に出るそうだ。
世界一の人口密度ゆえに
ブンギン島の人々は、小さな島で密集しながら暮らしているので、基本的に皆知り合い。何だったら犯罪も起きたこともないので警察もいらないんだそう。
閉塞的な環境下ゆえに、相互監視社会が出来上がっているということみたい。この島で何か問題を起こすとすぐにその情報が島中に拡がり、村八分になるなんてことも充分あり得る。
多分そんな感じだけど、日本の陰鬱な田舎とは一味違う。
例えば私の地元青森県某所では、平日の日中に外を歩いていたら、通りかかった車がわざわざ速度を落としてまで顔を確認してきたりする。
見慣れない奴は犯罪者。道を歩いていただけなのに犯罪者扱いされてあっという間に噂が拡がる。
そんなクソ排他的で閉鎖的なコミュニティ。
廃れて然るべきクソ田舎。要はゴミみたいな場所なんですけど、ここブンギン島は閉鎖的環境でも地元とはまるで違いました。
島の人々は、あまり見たことのないであろう外国人に対して興味津々。
子供たちなんかはこちらに向かってきて、自分の写真を撮ってくれとせがんできます。





珍しい外国人に対して、一緒に撮ってくれではなく、自分の写真を撮ってくれと。
様々な国を旅行してきて、一緒に記念撮影やあなたの写真を撮りたいというのは今まで何度も経験してきたが、
俺を見よ!
と言わんばかりに、自分を撮れというのは後にも先にもここだけでした。
環境なのか宗教的背景なのか、はたまたその両方が合わさっているのか、いずれにせよとても興味深い。
一体何なんだろう?
謎。
だけど悪い気は全くしない。
おわり
閉鎖的なコミュニティといえば排他的だったりするが、ブンギン島の人々は、世界トップクラスの人口密度ゆえに人と人の距離がとても近く、尚且つ外から来た人にも興味津々でアクティブに接してくれる。
ありきたりなことしか言えないが、この島の人々は暖かかった。
どこぞの青森県民たちも、少しはこの方々を見習うべきではなかろうか?
初めまして、突然のご連絡申し訳ございません、早稲田大学探検部の加藤奈々と申します。
私は現在、ブンギン島に行きドキュメンタリーを作成するという活動を計画しており、準備段階で色々と調べる中でわらびさんの投稿を拝見し、参考にさせていただいております。
その上で、もしよろしければいくつかご質問させていただきたいです。
・ Alasの物資量(どのくらいのものが揃う街なのか?)
・ブンギン島の治安、海の様子(映像に映す上で比較的綺麗な場所はあるのか?)
・ AMORY HOMESTAYの規模感はどのくらいか?(何人くらい泊まれるか?)
シャワー・水はちゃんと出るのか?
充電は不自由なくできるか?
お忙しいとから大変申し訳ございませんが、些細なことでも構いませんのでお答えしてくださると嬉しいです。
よろしくお願い致します。
Alasにはコンビニとスーパーがあり基本的な生活物資は入手可能。銀行もあるので現金も手に入ります。
レストランは何軒かあるものの、どれも観光客ではなくローカル向けのもの。
島の治安は良いらしく、今まで事件らしい事件は起きたことが無いそうです。自分が訪れた際も常に近くに人がいたので危険な感じはしませんでした。
細い路地はゴミだらけで、海も別段透き通っているという訳ではないので綺麗な画は期待できないかと。
強いて言うなら、島に行く途中の1本だけ生えたマングローブが印象的でした。
AMORY HOMESTAYはシングルルームが6、7部屋くらいだったと思います。
コンセントがあるので充電は問題なし。シャワーの水もちゃんと出ますがお湯は出ませんでした。
それと、宿のWi-Fiは有料となっています。