アーグラでの観光といえば、タージ・マハルとアーグラフォートが有名どころですが、忘れてはいけないのがファテープル・シークリー。
マイナーなためかこちらまで足を延ばす人は少ないようですが、アーグラからバス一本で簡単にアクセスできるし保存状態もかなり良く見応え抜群。
個人的には、アーグラ観光ではタージ・マハルよりもこちらの方が満足度が高かったです。
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この記事の情報は2022年12月時点でのものになります。
もくじ
勝利の都ファテープル・シークリー
「ファテープル・シークリー」は、ムガル帝国3代目皇帝アクバルにより築かれた都市で、「勝利の都」という意味を持っています。
世継ぎに恵まれなかったアクバルがこの場所に住んでいた聖者に相談したところ、息子が生まれるという予言を授かり王子が生まれたため、それを記念し新たに都を作り遷都したんだそう。
しかし、名前に込められた意味とは裏腹に、深刻な暑さと水不足により1571年から14年間の間しか使われず放棄されラホールに移されてしまいました。
ほとんど使用された形跡もなく、戦乱からも免れたので保存状態が良好で現在まで残っています。
「ファテープル・シークリー」として世界遺産に登録
アクセス方法
ファテープル・シークリーへのバスはアーグラカント駅近くの「Idgah Bus stand(イドガーバススタンド)」から出ています。タージマハルからだとリキシャを使って120ルピーほどです。
スタンド内にはバスが何台も停まっていますが、シークリー行きのバスはこのオレンジ色のバスだけなので間違うことは無いかと。ちなみに電気式で車内で充電も可能という優れもの。
シークリーまでは約1時間半で片道60ルピー。
スタンド内にはシークリーへ通じる階段があるので、そこから道なりに5分ほど歩くと到着です。
ファテープル・シークリーのみどころ
ファテープル・シークリーの入場料600ルピーを支払い観光開始。
ここに限らず、インドの世界遺産の入場料は大半が600ルピーに設定されています。
高いだのどうだのは置いといて、高額紙幣を気兼ねなく崩せる数少ない場所、正直ありがたいです。
それと、入り口近辺では「あなたはただ歩いて私は勉強するだけ」と、訳の分からない事を言いながらしつこく付きまとってくる自称学生の非公認ガイドが数名いますが、語気を強めにNOと言えばしぶしぶ引き下がっていきます。
もしガイドを雇いたい場合は首から社員証みたいのを下げている公認ガイドを探しましょう。公定料金も定められているのでぼったくりの心配もありません。
非公認ガイドを雇う場合はガイド分の料金も支払う必要があり(インド人料金)
ジョド・バーイー殿
入り口の門をくぐってまず目に入ってくるのが巨大な門。
そしてこの奥にある回廊で囲まれた広場が「ジョド・バーイー殿」。宮廷内では最大の建築で、ここが居住区でした。
アクバルの息子の妃が名前の由来になっていますが、実際にここに住んでいたとされるのはアクバルとその妃。
息子の妃関係ないじゃん、とも思いますが何故なんでしょう?…なんだか不貞の臭いがしますね。
ムガル帝国の代表的な建築物と言えば、タージ・マハルやフマユーン廟といったイスラム建築があります。
この宮廷を見てみると、ペルシャ建築の青いタイル屋根、丸い天蓋はイスラム建築、4本の柱に支えられたチャトリはインド古来の建築、細かい装飾部分はヒンドゥー、仏教建築とイスラム教ばかりに傾倒せず様々な宗教要素が取り入られています。
広大な領土に複数の民族と宗教が混在したムガル帝国らしい融和政策が見て取れます。
屋根の庇部分なんかは特にそうですが、石で木造っぽく作るのが古くから仏教やヒンドゥー教で使われてきた技法なんだそうです。
ジョド・バーイー殿の裏には厩舎と宮殿がありましたが、こちらまで来る人はあまりいないようでした。
特に厩舎に関しては人ゼロ。
たまにあるんですが、こういう時は間違って立ち入り禁止エリアに入ってしまったのではないかとおどおどしてしまいます。
パンチ・マハル
ファテープル・シークリーでは最も有名なモニュメントの「パンチ・マハル」。
名前は「5つの宮殿」という意味で、その名の通り5階建てになっています。昔は透かし彫りのスクリーンで覆われ宮廷の女性たちが展望や涼むためにここを使っていました。
今だったら下品とか言われて炎上しますが、皇帝がここから中庭に立たせた人を駒に見立てチェスをしていたそうです。
一階部分は全部で84本の柱があり、それらが規則正しく並び建つ光景は圧巻の一言。この宮殿の柱は一本一本違うデザインになっていて同じものは一つもないそうです。
一本ずつ見る気力もないしそもそも覚えられないので記憶力と根気に自信のある人は是非。
ディーワーネ・カース
宮廷を進んだ先にあるのがこの「ディーワーネ・カース」。
他の入り組んだ作りの建物と比べると地味に見えますが、シークリーの中でも特に重要な施設で、ここで政治が執り行われていました。
ここの見どころは細かい彫刻が施された大きな柱、二階部分は四方向に延びる通路で支えられています。ここにある玉座から皇帝が客人たちを出迎えていました。
周囲を見ても二階に登れるような階段が無かったのですが、当時はどのようにして登っていたのでしょう?
来客がある度わざわざ業者のように梯子をよじ登る皇帝の姿を想像してみるとちょっと面白いですね。
それと、ここの彫刻は大量の芋虫が集まっているように見えて気持ち悪いのですが…分かりますかね?
その他の宮廷地区内
水不足で廃れたファテープル・シークリーですが、宮廷内には水が湛えられた井戸がありました。
後先考えず都を作るなんて子供が生まれたのがよほど嬉しかったのでしょう。
ビックリするほどの保存状態の良さ。
柱や壁至る所に細かい彫刻、一つ一つ見ていたらきりがない。ここまで宮廷内を見て周ってだいたい2時間ほど。
ですが、まだこれでファテープル・シークリー観光は終わりません。次は隣にある金曜モスクへと向かいます。
金曜モスク
ファテープル・シークリーの西側には巨大な金曜モスクが隣接しています。こちらはシークリーと違って無料で入場可能です。
シークリーの出入り口からは東門のほうが近かったのでここから入場することに。見どころの正門はまた後程。
中に入ろうとすると相も変わらず自称ガイドが付きまとってきますがここでも強気のNO!
人を騙してないでまじめに働け!…と遊んでばかりの無職が申しております。
靴を脱いで入りますが門の前では靴の預かり係がこのような袋に入れてくれます。お値段は10ルピー。
モスクの中庭には白い霊廟が建てられ、アクバルに息子が誕生することを予言した聖者「サリーム・チシュティー」が祀られています。
子宝祈願に多くの女性が参拝に訪れるそうです。
私には全く関係が無いので遠巻きに写真だけ撮ってスルー。
…なるほどね、この考え方が日本の少子化を加速ささている訳ですね。
正門を裏側から見るとこのようになっています。
正面に向かって左側、皆さんお祈りしていました。どうやらこちらがメッカの方角みたいです。
うーむ…
敷地は広いがこれといってやることも見るものもない。
金曜モスクではしつこいお土産売りや非公認ガイドを撃退する以外は特にやることも無いので30分もいればいい方ではないでしょうか?
最後に正門に周って写真を撮る。ただでさえ大きな門ですが、急な階段から見上げる形になるのでひと際大きく見えます。
バスターミナルに戻る途中地元の子供に絡まれ記念撮影、これにてファテープル・シークリー観光はお終い。
基本情報
名称 | ファテープル・シークリー |
住所 | Buland Gate, Dadupura, Fatehpur Sikri, Uttar Pradesh 283110 インド |
営業時間 | 9:00~18:00 |
料金 | 600ルピー |