こんにちわ、わらびです。
今回の記事では、バリ島では多くの人が足を運ぶであろう人気の観光スポット「タマン・アユン寺院」について紹介していきます。
この記事は2024年6月時点の情報に基づき作成されれいます。
※100IDR=1円
タマンアユン寺院とは?

「タマン・アユン寺院」は、バドゥン王国のラジャ・マデ・アグンによって、17世紀に建設され、王家の寺院として機能してきました。バリ島では2番目に大きい寺院とされています。
「タマン・アユン」はバリ語で「美しい庭」という意味で、その名の通り、美しい庭園と周囲の水路が印象的なバリ独特の建築様式が調和した寺院です。
王家の寺院として以外にも、バリ島独自の灌漑用水システム「スバック」の水の集積と管理を担う、とても重要な役割のある場所でもあります。
近くには、オオコウモリとふれあうことのできるエキサイティングなスポットアラスケダトンもあるので、そちらも併せて観光したいところですね。
世界遺産「バリ州の文化的景観:トリ・ヒタ・カラナの精神を象徴するスバックの水利システム」の構成資産のひとつ
「スバック」と「トリ・ヒタ・カラナ」
このタマン・アユン寺院を語る上で欠かせないのが、バリ島で形成された独自の水利システム「スバック」、そして「トリ・ヒタ・カラナ」という哲学的な思想。
スバックというのは、水路や柵で寺院に集められた水を分け合うバリ島独自の灌漑用水システムのことで、9世紀頃に考案されました。
何故このようなシステムが誕生したかというと、バリ島といえば棚田の景観が有名ですが、この事柄から分かるように、島には平地が少なく水源も乏しいため、限られた水を最大限有効活用する必要がありました。
そして、限られた水を皆で平等に分かち合うためには、「トリ(3)・ヒタ(平和)・カラナ(理由)」というバリ島の伝統的な哲学コンセプトが重要になってきます。
これは、神と人間の調和、人間と人間の調和、自然と人間の調和、この3つのバランスがとれている状態で平和と繁栄が生まれるというもの。
この哲学は2000年以上前にバリとインドの文化的交流の中から生まれ、これによってバリ島の美しい景観が形作られてきました。
スバックの民主的で平等な農耕手法は、人口密度が高いこの地域にあって、インドネシアの中で最も多くの実りをバリの稲作農家の人々にもたらし続けています。
アクセス方法
タマン・アユンへの行き方は、デンパサールからだと路線バスの[K1B]に乗り、Terminal Mengwiで下車します。
そこから寺院までの距離は2kmほどなので、あとは徒歩なりGojekで向かうことになります。
こちらもセットで
タマン・アユン寺院の近くには、なんとあのオオコウモリとふれあえるという、世にも珍しい体験のできる「アラス・ケダトン」もあるので、時間に余裕があればぜひそちらもセットで訪れましょう。
入場料
タマンアユン寺院の入場料は30,000IDR=300円(2024年6月)。
服装について
寺院は神聖な場所であるため、極力露出を控えた服装で行くことが望ましいです。
仮に短パンなど露出のある場合でも、無料で貸し出されている腰巻(サロン)があるので、そこまで問題は無いかと思われます。
観光の様子


寺院の周囲は堀になっていて、各地から集められた水がここに溜まり、周辺の田園へと供給されている訳なんです。寺院としてだけではなく、貯水池としても機能しているのである。

橋を渡ると頭に花を飾ったバロンの像がお出迎え。
このバロンというのは、バリ島の聖獣で、悪を打ち払う力を持った守り神なんですって。至る所で見かけ、ケチャダンスにもこのバロンが主役として登場する演目も存在します。


美しい庭園というのが名前の由来だけあって、敷地内は整った芝生と木々が良い感じに配置されています。
どことなく日本の庭園を思わせるような風情ある景観。
一応、バリ島で2番目に大きな寺院なんですが、敷地はそこまで広い訳ではなく見どころもメルのある境内くらいなので、30分もあれば一通り見て周れます。

この門の先にメルの建つ境内があるのですが、この門は特別な時しか開かれず、普段は閉ざされています。

一番の見どころの「メル」と呼ばれる神聖な塔のある境内。
寺院の敷地は外側から内側へ向かって神聖さが増す構造で、外側は一般の人々が集うスペース。内側は神聖な祭祀エリアとして区分され、基本的には寺院を管理する僧侶しか入ることができず、観光客の立ち入りはできません。
この境内も周囲を小さな堀に囲まれていて、外界とは隔絶されたような構造で、一種の神聖さを醸し出しています。

かやぶき屋根が何重にも重なった独特の祠。これがメル。
屋根の数は基本的に奇数とされていますが、一番手前のものだけは2個。
きっと理由があるのでしょうけど、ガイドもいないし詳しいことは分かりません。

中のエリアは、基本的には立ち入り禁止なのですけど、この日は何かの行事なのか、現地の人であれば入れるようでした。

この「メル」という塔状の祠は、屋根が重なるほど神聖さが高いとされ、中でもひと際目を引く大きな11層のメルは、最も神聖な存在を祀っており、バリの神々や祖先の霊に捧げられています。
この考え方の背景には、インドネシアのアニミズム(あらゆるものに霊魂が宿っているという信仰)と結びついた独自の形態があります。
実は、インドネシアの他の島でもアニミズム信仰に基づいた、メルと似たようなものがあります。


例えば、スンバ島のワイカブバクという地域では、一般家屋の屋根に塔が設けられ、こちらもメルと同じくとても神聖なもので、その家の年長者以外の立ち入りはできないそうです。
こちらでもやはり、塔は高ければ高いほど天界に近く神聖とされ、集落自体が高台に作られていたりもします。
それぞれの島の人々が行き交い文化も考え方も交わった。
どの島でも少し似ていて、少し違う。
そんな感じ。
おわり
タマン・アユン寺院は、30分ほどで観光が終わりそこまで時間がかからないので、近くにあるアラスケダトンで、オオコウモリとふれあうのも忘れずに。
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