こんばんわ、わらびです。
タイトルにある通り、2日目に無理をしすぎたせいで足を骨折してしまったようです。
嘘です。折れていません。
折れていないけど、足が痛いのでまともに歩けなくなりました。折れていたらどれほどよかったでしょう。
【まずはこちら】
▶ 済州オルレとは?初心者向けガイド
▶ 持ち物・準備編
オルレ3日目
オルレ3日目。
昨日は島の東側を歩いたので、今日は西側へと向かいます。
とりあえず今日はコース14を、余裕もあればその先の15も歩いてみよう。
コース14-1 楮旨ー西広オルレ

14-1コース
楮旨(ジョジ)ー西広(ソグァン)オルレ無限な森の生命力、緑の力を体中で感じながら歩く道である。楮旨(ジョジ)村を離れると道は畑の間につながり、その後すぐ森に入る。おとなしい馬たちが草を食べている文道之(ムンドジ)オルムの頂上に立つと、漢拏山(ハンラサン)と小高いオルムたちが一望できる。
足下に浅く繰り広げられたコッザワルは、まるでよく整理された庭のように見える。上から見下ろしたその綺麗な風景は、コッザワルの中に入った瞬間、全て忘れられる。コッザワルが抱いている生い茂った森の生命力が全身を包む。コッザワルを抜け出すと緑の波がうねるような広い緑茶畑に足を運ばせながら終わる。出典:済州オルレ公式ガイドブック
コース14には、実は「14-1」という別ルートが存在します。そして厄介なことに、このふたつを両方歩かないと終了証明が発行されないのである。
ふたつのコースは合わせて約30km。
数字だけ見ればまあ1日でいけるかと思うが、済州オルレにおける30kmは、平地の30kmとは訳が違います。アップダウンによって地味に削られるメンタル。
気付けば魂が少し痩せている。
一般的にはまず14-1を歩き、ゴール地点からバスでスタート地点へ戻り、そのままコース14へ突入するらしい。
しかし、できるトレッカーである私は気付いてしまいました。
そうなんです!14と14-1、スタート地点同じなんです。
つまり、14-1をゴール地点から出発して本来のスタート地点へ戻れば、そのままコース14を歩き始められるのである。
バス移動不要。ルートも無駄がない。完璧、実にスマート。
そんな喜びとは裏腹に、この時の私は、まだ自分が数時間後に壊れることを知らない。

14-1のゴールである茶園には済州市バスターミナルから255番でアクセス可能。

しかし逆から歩こうとしているせいなのか、コースがまるで見つからない。
いや絶対この辺なんだけどな……
と茶畑周辺を30分ほど徘徊。完全に不審者である。
しかもこの不審者、働いてないときた。
最終的にスタッフさんへ聞き込みを行い、ようやくスタート地点を発見。済州オルレは時として推理力も求めてきます。

もののけ姫のこだまが出てきそうな木漏れ日差し込む森を抜けて行く。
木漏れ日が差し込む薄暗い森、静かすぎる遊歩道。
今にもこだまが「カタ…カタ…」と首を揺らしながら出てきそうな雰囲気。
ただし、幻想的なのは景色だけ。
道はかなり荒れていて、ぬかるみや石も多い。しかも森はかなり鬱蒼としており、オルレ側も午後3時以降は歩かないでほしいと案内している。
とはいえ道自体はほぼ平坦。
前日に50数km歩いたわりには、身体もまだ動いていた。
あれ、意外といける?
しかし、人間調子に乗り始めた時が一番危ない。

途中で牧場地帯へ突入。
のんびり草を食べる馬たちの間を抜けていく……、
はずだったのだが、1頭の馬が完全に道を塞いでいる。
しかも全くどく気配がない。
「すみませんね〜」みたいな感じで近付いても、「何?」みたいな顔をしてこちらを見てくるだけ。
横を抜けられそうだが、馬の後ろには立ってはいけない。蹴られたら普通に終わる。
結果、少し遠回りして迂回することに。

そんなこんなで、14-1も終盤へ。
2時間ほどで大部分を歩き終え、思ったより余裕かもしれないなどと考えていた、その時でした。
足が…、
足が終わった。
前日の無理が完全に祟ったらしい。突然まともに歩けなくなるレベルの痛みが襲ってきた。
痛い。かなり痛い。折れてるんじゃないかってくらい痛い。
気合いで何とかなる痛みのラインを明確に越えている。

とりあえず酒でも飲めば痛みをごまかせるのでは?
という、昭和の親父みたいな発想も試した。
結果としては、痛みはそのまま。ただ酒を飲んだ人が完成しただけでした。
冷静に考えて、アルコールで体の不調は回復しない。
酒で治るなら医者はいらない。
それはそうと、酒は百薬の長。
されど飲みすぎは毒。

本日はこれ以上歩行不能と判断。コース14は断念し、14-1のみで終了。
……そしてここで、私はある禁忌を犯してしまいました。
実は既に、コース14スタート地点のスタンプだけは押してしまっていたのである。
つまり次回来た時、私は何食わぬ顔で中間地点から歩き始めることになります。
この日の移動距離9.3km。
4~6日目
オルレ4~6日はまともに歩ける状態ではなかったのでお休み。一応5日目に軽く歩いてみたけど結局駄目でしたね。
やることないし宿で寝てるのも暇なので、済州の有名レストランでタッカルビと名物の黒豚を食べてきました。

豪快に飲み食いしてきたという事もあって、症状がほんの僅かではあるが快方に向かったような気がします。
たぶん気のせい。普通に痛い。
骨折でもしてくれていれば、気兼ねなくリタイアすることもできたでしょうけど、さすがにそこまで酷くはない様子。
何故私の足は折れていないのでしょうか?
折れていてほしかった…
コース15 翰林-高内オルレ

5日目。なんだか怪我も良くなって歩けそうだったので歩くことに。
15コース
翰林(ハンリム)-高内(コネ)オルレ15-Bコース ハンダム海岸散策路が含まれている郭支(クァクジ)-涯月(エウォル)の海岸を全て見ることができるコース。郭支(クァクジ)クァムル海水浴場の透明で翡翠色の海と軟らかい砂が印象的であるハンダム海岸散策路は、海岸絶景の優れた景色はもちろん、夕日の名所としても有名なところ。くねくねと曲がった海岸線に沿って造成されたこの散策路では、涯月(エウォル)の環海長城も見ながら歩くことができ、新旧の魅力が共存、調和しているところ
である。歴史と共にそれぞれの村の魅力もとことん満喫できる道である。出典:済州オルレ公式ガイドブック

途中で分岐ルートがあり、どちらを歩いてもコース踏破となります。片方は山の中を通り20kmほど。もう片方は海沿いを通り13kmほど。
当然、全盛期の私であれば長い方を選んでいた。
しかし、今の自分は一般に言う傷病者。
足の骨が折れてはいない。
折れてはいないのだが、普通の人間なら大人しく宿で寝ているレベルの状態ではある。
ただ問題なのは、自分の基準があまりにもバグっていること。
最盛期に比べれば遥かに衰えたとはいえ、依然として普通の人間よりは体力がある。そのせいで、今抱えている症状が重症なのかちょっと痛いだけなのか、自分でも全く分からないのです。
だが、衰えた今だからこそ見えてくるものもあった。
私はかつて、サンティアゴ巡礼で約1600kmを踏破しました。
あまりにも規格外すぎて、自他ともに「巡礼路の怪物」と認識されていたのではなかろうか?
しかし普通の人間というのは、本来こういうもの。
少し長く歩けば足を痛める。荷物を背負えば肩を痛める。
どこかしら故障しながら、それでも騙し騙し前へ進む。
ここにきて、私は普通の人間の感覚を理解し始めていた。
これからは一般人の感性に寄り添って生きてみよう。
この日、怪物に人の心が芽生えたのであった。
そんな感動的な覚醒イベントの裏で、足は普通に痛い。

天気は快晴。風も穏やかで、絶好のトレッキング日和。
本来ならテンション爆上がり案件なのだが、こちらは折れた足(折れてない)を庇いながら歩いている。
しばらくすると、鈍かった痛みが徐々に鋭くなってきた。
歩行に支障はないが、なんでしょう?
折れてはないけど、もしかしたらヒビが入っているかもしれない。
そんな感じ。
素人判断オリンピックがあれば銀メダル級の自己診断。
どう考えても今日一日大事を取って休むべきでした。
だがロングトレイルを歩いていると、距離感覚が狂ってくる。
13kmと聞くと近いじゃんと思うけど、冷静に考えれば普通に長い。
たかだか13kmといえど、ゆっくりと足をいたわりながら海沿いを歩きます。
万全であれば3時間もかからず歩ける距離。


そんなスピードも出せないしゆっくりと写真を撮りながら歩を進める。
多分本来のオルレってこんな感じで景色を楽しみながら歩くのが目的のはず。
タイムアタックみたいに爆速で通過するものではない。
期せずして、オルレ本来の楽しみ方をすることになろうとは。
文字通り、怪我の功名とでもいうのでしょうか?
まあ、怪我はないに越したことは無いけど。

中間スタンプ。

普通に歩けば2時間程度の距離。
しかし、折れた足(折れてない)を引きずる現在の私は、ここまで3時間もかかっていました。
進まない。
本当に進まない。
肉体より先に、心が折れそうになる。
心身ともに折れてしまった時、それがオルレの終焉なのかもしれない。
……でもまあ、足は折れてないんですけどね。

メンタル的には這うように歩き、4時間かけてコース15が終了。
足がジンジン痛むし、これはもう、明日も休養コースな気がする。
だけど僕は強い男の子なので泣かないのだ。
この日の移動距離、13.5km。
数字だけ見ると大したことないのに、体感はフルマラソンくらいあった。
おわり
あれですね、無理をするのはいけませんね。















コメントを残す