こんにちわ。わらびです。
オルレ2日目開始。
サンティアゴ巡礼以来、まともに運動なんてしてきませんでしたが、前日に30kmちょい歩いたおかげで、いい感じに体も温まってきたんじゃないでしょうか?
知らんけど。
アップは充分。てなわけで本日は50kmくらい歩いてみましょう。
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オルレ2日目
オルレ2日目。前日の続きからスタートです。
済州市内からコース18→19→20と怒涛の3連コンボ。その総距離まさかの約53.9km。
オルレは「自分のペースで自由に歩く」が基本。
つまり、爆速でかっ飛ばしその歩みを進めたところで誰にも怒られないわけです。
“済州の自然をゆっくり味わう”という本来の趣旨?
うん、まあ、そのへんは一旦どこかに置いておきましょう。あとで取りに来ますので。
コース18

済州市中心部からスタート。
時刻は午前6時。空は明るいけどまだ日の出前。街はしんと静まり返っている。
普通なら絶対寝てる時間。
まさか、歩くためにこんな早起きする人生になるとは思わなかった。
というか、53kmなんていう距離設定さえなければ、こんな時間に外に出る理由もないんですけどね。
……まあいい。歩こう。

市場のあたりでちょうど日が昇る。

オルレのコースには市場の中も含まれているけど、この時間はまだどの店も開店準備すらしていない。
ここには後程時間があるときに訪れるとして、今は一刻も早く先へ進みましょう。
なんたって今日は50km以上も歩かなければいけないのですから。

川沿いを進んでいると、早速オルムが見えてくる。
この流れ、どう考えても登らされるやつ。
島を一周するだけじゃなく、景色も楽しめということで、平気で遠回りさせてくるのがオルレというやつ。
解せない。
面倒なら迂回もできるけど、悲しいかな私は愚直なほどに真面目な人間。きっちり正規ルートを踏んでしまうタイプです。
結果、開始早々オルム登頂。すでに汗だく。
昨夜の雨のせいで湿度も高く、めちゃくちゃ蒸す。
不快なり。

どうやらここ、健康意識の高い済州っ子たちのトレーニング場らしい。
確かにいい運動ではある。景色はまあ、それなり。

港が見下ろせるのはちょっと良い。
ちなみに、コース18の分岐ルートへは、この港から船に乗って移動します。真ん中に移っている船がそうです。

あと、野生のウサギがいたんですが、もしここが韓国じゃなくて中国だったら、彼らは食卓に並んでいたかもしれませんね。
あの国、人のペットすら食べるらしいですから。

オルムを下りたら後はずっと海沿いの平坦な道。願わくば、この先もずっとこのような道が続いてほしい。

コンビニで買ったプロテインバーで朝ご飯。

中間チェックポイント。

途中、唐辛子畑が広がる。韓国料理の核ともいえる存在。
韓国=激辛のイメージがあるけど、実は韓国の唐辛子は辛さ控えめで甘みと旨みがある。実際、現地で食べるキムチやチゲは意外とマイルド。
むしろ日本の方が辛いまである。

石垣に囲まれた路地も印象的。海風を弱めるための工夫らしい。
そもそも「オルレ」とはトレイルの意味ではなく、“通りから家へ続く細い路地”を指す済州の方言。
つまり、この風景こそが本来のオルレ。

さらに海沿いには「防邪塔」と呼ばれる石積みも。海から来る悪いものを防ぐ役割があるらしい。
日本だと賽の河原っぽくて不吉に感じるけど、海外ではむしろ魔除け的なポジティブな存在。
文化の違いって面白い。

気温も徐々に上がりはじめ、いよいよ厳しくなってきたころコース18終了。

先を急ぎたいところなんだけど…、インフォメーションセンターの人に挨拶しに行き、ホタテ貝を見せびらかす。すると、スタッフさんからプロテインやらイチジクを貰う。
ありがてえ。僕もうちょっと頑張ってみるよ。
それにしてもイチジクなんて初めて食べた。何味なんだろうこれ?
似ている味が無いから分からない。イチジク味としかたとえようがない。
それと聞いた話では、サンティアゴ巡礼経験者の日本人がオルレを歩いている、と既にスタッフ間では情報が共有されていたみたいです。
巡礼に引き続き、ここでもちょっとした有名人になってしまったようだ。
コース19

インフォメーションセンターの人に促されるままに写真を撮ってコース19を開始。

コース19の前半は海沿いを歩きます。
火山の噴火によりできた済州島の海岸はどこも黒い。
英語で言うと「black coast」。急にかっこよくなるの、ずるい。
白物家電の「冷蔵庫」だってこの通り、英語にすると「refrigerator」。クールという意味を込めてタトゥーを掘っていても違和感がありません。
半日で50kmというノルマをこなすため黙々と歩き続け昼休憩。

発泡酒とおにぎり、そして水。気温は30℃を超え、いくら水を飲んでも全く足りないのである。
まあ…、少々レパートリーがおかしいと感じるかもしれないでしょう。しかし私はこういう人間なのです。
さて、ほろ酔い状態で再び歩きはじめましょうか。

ビーチにはサンドアート。でも時間がないのでスルー。
南国リゾートで何してるんだろう。

そしてこの先、正面に山があり道がその中に続いている。
別に迂回して通ってもいいのだが、私は真面目なので愚直にも山へと突っ込みます。

坂が超きつい。汗が凄い。7割方死んでいる。登るんじゃなかった。
景色は良いんですけどね…、楽しむ余裕がない。
これ以降は本格的に辛くなってきたので写真を撮る余裕もなくなってくる。
後悔先に立たずとはまさにこのこと。

事実、コース19の中間チェックポイントではこのように後悔していた。
こんな写真を撮っている時点で、なんやかんやでまだまだ余裕である。…が、しっかりと後悔はしている。
一休みした後、山を降りコース19が終了。
ここまで歩いた距離36.5km。
気温30℃を過ぎる中、さすがに疲れも出てきましたが、ここから更に17km歩かなければなりません。
コース20

朝6時にホテルを出て、現在15:00。炎天下の中9時間歩き通し。
ここからさらに17km残っている…
帰ろうかな?
ふと、そんな考えが頭をよぎる。
別に誰かに命令されているわけじゃない。監視されているわけでもないし、途中でバスに乗ったところで誰にも咎められない。SNSで晒されることもなければ、減点されることもない。
そもそも、50km歩いたところで誰に褒められもしない、人生が劇的に好転する訳でもありません。
合理的に考えれば、ここでやめるのが正解。
なのに、なぜか足は前に出る。
意味はない。理由もない。
ただ「ここまで来たから」という、最も非合理的な動機だけが残る。人間、追い込まれると理屈では動かなくなるらしい。
さて、ここからは本格的に地獄の様相を呈し、凡夫とは一線を画す私の頭脳ですら思いもよらぬ解決策を導き出すことになります。
ここまで40km近く歩いてきて足が棒という表現がぴったりの状態。
一歩踏み出すたびに、関節が軋み、筋肉は固まり、もはや「歩く」という行為自体がぎこちない。
そこで、なぜか思いつく。
「歩けないなら、走ればいいのでは?」
冷静に考えれば意味が分からない。疲れて歩けないのに、走れる訳がない。
だがこの時の自分は、すでに普通の判断基準を失い半ばヤケクソで走り出す。
すると、不思議なことに楽になる。
凝り固まっていた筋肉が動き、痛みが一瞬だけ和らぐ。リズムが変わることで、逆に前へ進める。
理屈はよく分からない。ただ、「走った方が楽」という意味不明な事実だけが残る。
こうして、歩く→限界→走る→ちょっと回復→また歩く。という、完全に壊れたサイクルが完成しました。
自分でも思う。「あ、これ多分ちょっとおかしいな」と。
しかしもう止まらない。止まったら終わる気がする。

ごつごつした岩場。
大通りはすぐ脇にあるし、迂回すればもっと楽なルートもあります。
それでも、わざわざ岩だらけの正規ルートを進む。
理由はない。ただ、そういうルールだからというだけ。
ここまで来ると、もはや縛りプレイである。

モンスターとスポーツドリンクを流し込む。一瞬だけ生き返った気がするが、数分後にはすべて汗になって体外へ排出される。
体の中と外の境界がどんどん曖昧になっていく感覚。多分、色々とまずい状態かと思われます。


コースも後半に差し掛かる頃には、ついに走ることすらできなくなりました。
脚が震えうまくバランスが取れません。少し気を抜けば、そのまま崩れ落ちそうになる。
それでも前に進みます。
思考はほとんど働いていない。「進む」という単語だけが、頭の中で反復再生され続ける。

18時を過ぎ、残り2.6km。
たったそれだけ。普段なら軽く散歩できる距離なんです。
なのに、この時の2.6kmは果てしなく遠い。
少し歩いては座り込み、また立ち上がって数十メートル進み、再びしゃがみ込む。
その繰り返し。

18時40分、ついに終了。
ゴールに着いた瞬間、達成感というよりも先に来たのは「終わった……」という、ただそれだけの安堵に近い感情でした。
しばらくその場から動けない。
達成感も感動もあまりない。あるのはただ、全身の疲労と妙な静けさ。
いや、でも一つだけはっきりしていることがあります。
もう二度と同じことはやらない!
(たぶん)
おわり
朝6時にスタートしてゴールしたのが18時40分。
18→19→20と3つのコースを続けて歩き、総距離は53.9km。
改めて振り返ると、距離はそこまで凄いという訳ではないけど、30℃を超える炎天下で何も日差しを遮るものが無い。これに関しては非常に厳しいものがありました。
次の日からも頑張って歩きたいところでしたが、この日の無理がたたって捻挫っぽい症状になり、以後2日間お休みとなります。








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