こんにちわ。わらびです。
今日は、済州島の北約40kmに浮かぶ楸子島へ渡り、18-1コースと18-2コースの二つを歩きます。
距離だけなら合わせて20kmほど。しかし、この楸子島コースは全オルレコースの中でもぶっちぎりの最高難易度として知られています。
夏場はまともに歩くには危険すぎるため、多くの参加者はバスや一般道を利用してスタンプを回収するのが現状です。
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オルレの記録
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↳オルレ7日目 コース21・1・1‐1
オルレの最難関楸子島コース
この楸子島コースは、オルレ公式も認める最難関コース。
本来は島に宿泊し、2日に分けて歩くことが推奨されています。しかし実際には日帰りで訪れる参加者がほとんどです。
問題は時間。
楸子島へ向かうフェリーは10:00に到着し、帰りの便は16:40発。
つまり制限時間はわずか6時間30分しかありません。
「20kmなら6時間半で歩けるのでは?」
そう思うかもしれませんが、百聞は一見に如かず。

楸子島は小高い山々が島中に点在しており、コースはそのほとんどを律儀に越えていきます。
正規ルートを歩く場合、6時間半の間に10近い山を登っては下り、また登ることになります。
ひたすら続く急坂。
しかもルートの大半は島民もオルレ参加者も近づかないような山の中です。途中で倒れたとしても助けを呼べる保証はありません。
少なくとも真夏に歩くようなコースではない。
だから参加者の多くは一般道を歩いたり、バスを利用したりしてスタンプを回収します。
そして私はというと、
馬鹿正直に正規ルートを歩いてみました。
結果から言うと、かなり本気で死を覚悟しました。
アクセス方法
| 出発港 | 済州港(沿岸旅客ターミナル) |
| 行き | 08:00発 → 10:00着 |
| 帰り | 16:40発 → 18:40着 |
| 往復料金(2024年9月時点) | 22,100₩ |
| 所要時間 | 約2時間 |
| 運航会社 | Songlim Shipping(송림해운) |
| 備考 | 身分証としてパスポート必須 |
コース18-2


済州港からフェリーで約2時間。
楸子港へ到着し、まずはスタートスタンプを押します。
港からスタートするのが18-2コース。
島の北側まで歩いた後、18-1へ切り替わり、再びこの港へ戻ってくるという構成です。
楸子島はもともと釣り人に人気の島でしたが、オルレ開設後は多くの参加者が訪れるようになりました。
この日も何人かオルレ参加者を見かけました。
ただし皆さん道路方面へ、あるいはバス停方面へ向かいます。
どうやら命は大事らしい。
私は一人だけ正規ルートへ。

そして目の前に現れる最初の山。今からあれを登ります。

開始から約1時間。早くも後悔。
とにかく登りがきつい。そして日陰がない。

急坂を登り終えた頃には全身から滝のように汗が流れ落ちる。
これをあと何回繰り返すんだろう。考えたくありません。
気温はみるみる上昇し30℃を突破。
途中に売店はなし。自販機もなし。給水ポイントもなし。人もいない。
何にもねえ。青森県かここは?
オルレの正規ルートなのに歩いているのは私だけ。
倒れたら本当に終わり。

景色は素晴らしいんですけどね。
それだけに、こんな苦行をしながら眺めているのが少し惜しい。

山岳エリアを抜けると小さな集落へ。

赤い屋根が印象的で、のんびり歩けば楽しそうな場所である。
しかしそんな余裕はありません。時間制限との戦いなので写真を撮ったら即出発。
そして再び山へ突入。
ここら辺で一度叫ぶ。とうとう発狂。
どうせ周りに誰もいないので問題なし。
気温は35℃近く。
まだ6kmほどしか歩いていないのに全身びしょ濡れ。スマホも汗で濡れ、まともに操作できない。
手も濡れているので画面も拭けません。文明社会との接続が徐々に失われていく。

それでも何とか島最大の集落へ到着。
持参した水1リットルはとっくに空。

このままでは本当に危険なので、スーパーに駆け込み、飲み物を大量購入。
アイスボックスのような何かと麦風味のコーラ、そしてモンスター。
全部一気に飲み干す。
しかし足りません。まったく足りません。
人間の体ってこんなに水を消費するんですね。新しい発見でした。
できれば別の場所で知りたかったですが。
そんなこんなで約2時間半。

何とか18-2コースを完歩。
ここから18-1コースへ突入。
残り時間は約4時間。思ったより余裕はあるようだけど…。
ここからが本番。

コンビニで2リットルの水を購入するも、多分これでは全然足りない。
| コース18-2概要 | |
| 距離 | 9.7km |
| 所要時間 | 3~4時間 |
| 難易度 | ★★★ |
| スタート地点 | Sinyang-hang |
| ゴール地点 | Chuja myeon Office |
コース18-1

18-1コース開始。
ちょうど昼時ということもあり、休憩中のオルレ参加者を何人も見かけました。
皆さん木陰でのんびりしたり、バスを待ったりしている様子。
賢明な判断だ。
こんな炎天下の中で、わざわざ山を何個も越えようなんて考える人はいません。
私を除いて。

スタートして早々、再び山へ。
ここは歩かなくても、中間スタンプは無いので踏破扱いにはなる。
誰も正規ルートを歩いているか確認していない。
つまり歩く意味はほぼありません。
にもかかわらず歩く。
生来の真面目さに苦しめられることになろうとは。


山を下ると、なんとスタート地点付近へ戻ってきたではありませんか。
完全なる無駄足。
何のために登ったのかなんて考えてはいけない。

再び坂を登り、また山へ。
今日何個目の山だろう。
もう数えるのをやめた。

正規ルートは誰も歩かないので草が伸び放題。
いいでしょう。私が踏み均してくれよう。

やがて灯台へ到着。
すると意外なことにオルレ参加者の姿が。
「こんな暑い中、同じ物好きがいたか」
と思ったのですが、彼らは別ルートで登ってきただけで、景色を楽しんだらそのまま一般道へ下山していきました。
正しい。
実に正しい判断だ。
一方の私はというと、灯台で完全に電池切れ。
息は上がり、脱水症状も進行。先ほど買ったばかりの2リットルの水がみるみる減っていく。普通に考えるとかなり危険な状況。

北側に見える山々はすでに踏破済み。

南に見える右側の山は通ってきた山。左側はこれから登る山。
眺めは最高、予定は最悪。

この橋を渡るといよいよ終盤戦。あとは山道ばかり。
さあさあ意識が少しづつ遠のいて参りました。果たして私はこの島から生きて脱出できるのだろうか?

残り2時間半で6km。
正直間に合うかはかなり微妙なとこ。

そしてオルレの嫌らしいところは、中間スタンプをわざわざ面倒な場所へ設置すること。
当然ながら18-1の中間スタンプも山の上。

参加者たちは暑さに耐えながら渋々登っています。
皆さんご苦労様です。
そう言いたいところですが、自分はその数倍ご苦労な状況。
この辺りになると脱水症状もかなり進行。気温は35℃を超えているはずなのに汗がほとんど出ません。
いよいよ危険な領域に突入だ!
山を降りたらいよいよ最終局面。
多分後はもう大した山はないと思うし、もう水もないけど楽勝でしょう?

しばらく歩くと小さな港を抜け…

再び山に入る。
ここは山の山頂ではなく、斜面に沿って作られた道なので割と楽。残り2kmくらい。

そして正面には最後の山。
「あれを越えれば終わりだな」
そう思いながら歩き続ける。
しかし問題がある。
水がない。完全になくなりました。


浜辺を過ぎるとそこは地獄だった。
舗装路だがかなり急な坂道が続いている。
体力はまだ大丈夫だと思われるが如何せん水が無い。
残すところ1km程度だが近くに店どころか集落もない。島民並びにオルレを歩く人、車もまったく通らない。
急な坂を少し登ったら激しく息をつき、わずかに残った体内の水分が汗として失われていく。
今まで色々経験してきた中でも、それのどれにも類似しない感覚。
最悪の場合に備えて動画で遺言でも残しておこうかと思いましたが、その体力すら惜しい。撮影するくらいなら一歩でも前へ進むべき。
必死に坂を登ります。
ようやく舗装路が終わったと思ったら、今度は未舗装の登り。
この時ばかりは本気でキレる。何度か叫んだ気がするが、内容は覚えていません。
幸い距離は短く、すぐに港へ続く道路へ。
そして、

目の前にはもう港が見えている。
脱水症状はもはや危険領域まで達し、普通の人であればすぐにでも救急搬送されているような状況。
もはや足には力が入らず、気持ちだけが先行し体は全くついていけない。
それでも、今の状態で出せる最大出力を振り絞り先へと進む。
多分遭難から生還する人の‟最後の力を振り絞る感覚”というのはこのような感じなのだろうと思う。

6時間かけて無事ゴール。
「完歩」よりも「生還」という言葉のほうがしっくりきます。

港には帰りの船を待つ人がたくさんいて、オルレ参加者の女性がファンタを奢ってくれた。
有難い。冷たい炭酸が体中に染み渡ります。
あのファンタの美味しさは、多分一生忘れないと思います。
| コース18-1概要 | |
| 距離 | 11.3km |
| 所要時間 | 3~4時間 |
| 難易度 | ★★★ |
| スタート地点 | Chuja myeon Office |
| ゴール地点 | Sinyang-hang |
おわり

楸子島コースを歩き全身くまなく汗で濡れています。自分でも分かるくらい臭いということは、他人からするともっと臭い。つまり今の私は「臭さの権化」と言っても過言ではありません。
そんな状態のままフェリーへ乗り込み、済州島へ戻ります。
それはそうと、真夏の楸子島で、しかも日帰りで正規ルートを踏破した人ってどれくらいいるんでしょう?
少なくとも今日見た限りでは、私以外に一人もいませんでした。
もしかして、夏に18-1と18-2を正規ルートで1日で踏破したのは私が初なのでは?
もちろん確認する方法はありません。
ですが、もしそうだとしたら…、まあ別にそこまで誇れる記録ではないか。













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