巡礼の荷物は何が必要?総重量、バックパック、靴選びの参考に

こんにちわ。わらびです。

スペイン巡礼では、ル・ピュイ・アン・ヴレからサンティアゴの先のフィステーラまで1,600km歩ききりました。

今回は、巡礼に必要な持ち物と装備について、必要なものからそうでない物まで。装備の選び方などについても紹介していきます。

巡礼の荷物

数百km以上を歩くスペイン巡礼では、いかに荷物を軽量化するかが重要とされています。

一般的に自分の体重の10分の1まで抑えるのが理想とされ、体重70kgであれば7kgとなります。

ル・ピュイの道フランス人の道を6月7月と続けて歩いた私が、経験を踏まえ夏の巡礼に必要な荷物について紹介していきます。

バックパックの種類

まず、バックパックについてですが、軽量化を目指すのであれば、当然小さい方が良いです。

30Lくらいの容量がベスト。必要最低限の荷物であれば、充分に収まります。

仮に大きくなってしまっても、登山用の大容量バックパックは腰の固定ベルトがある分、全体的に負担がかかりにくいという利点もあります。

重量が10kg近くになるのであれば、負荷のかかりにくい大型の方を選んだ方が良いみたいです。

25kgの荷物を抱え歩いてみた感想として、悪路の多いル・ピュイの道は、負担が様々な箇所に分散してくれるので、そこまで辛くはありませんでした。

一方で、平坦で歩きやすい道の多いフランス人の道の方が、常に一定の場所に負担がかかり続けるので、かなり肩への負担が大きかったです。

自分の例

全く参考になりませんが、私の巡礼中の荷物は総重量25kg以上

体重の10分の1ということは、私の体重は250kg?

当然そんなことなく、当時の体重は70kgくらいでした。

バックパックを2つ持ち、大型の方が17kg。前にかけたほうが8kgといった具合です。

バックパックの中身はノートPCや一眼カメラ、替えのレンズ、お土産、ガイドブックなど…

半分以上が関係ない荷物。

これに水やら食材、オリーブオイル、ワインを持ち歩くこともあったので、多いときでは30kgにまでなりました。

……、

これは例外中の例外で、カミーノの歴史でも殆どいない稀有な例だと思います。

信じられない話かもしれませんが、これでル・ピュイからサンティアゴの先のフィステーラまで1,600km以上歩ききりました。

普通の人間であれば肉体が負荷に耐えきれず、早々に怪我をしてお終い。

実は人知れず、とんでもない偉業を成し遂げていました。

カミーノにチャレンジする人は、あくまでもこれだけをするために準備してくるのでしょうが、私は世界各地を旅行している最中にふらっと立ち寄ったのでこんなにも荷物が多かったのです。

靴の選び方について

巡礼者の靴は、登山靴からスニーカーまで千差万別。

靴の性能が、足に蓄積する疲労に直結するので、最も重要なアイテムでもあります。

それで、最重要とか言ってるそばからアレなんですが、実は、

体力さえあれば靴はそこまで重要ではありません。

事実自分がそうでした。

若い巡礼者の中には、スニーカーや普通の運動靴の人も結構いました。

私の場合は軽さを重視。ノースフェイスの3万円のランニングシューズを購入。

山道でさえ強引に登るため、わずか1ヶ月で、小石を踏んだらその触感がわかるほどまでソールがすり減りました。

後半はクッション性能が無い状態でしたが、特に疲労を感じることはありませんでした。

正直、1万円くらいの靴で充分だったかな?

靴選びの基準としては以下の4つ。

  • 軽さ
  • ソールの厚さと硬さ
  • 速乾性、通気性
  • 足首の保護範囲

一番重要なのが軽さ。

ソールは厚く頑丈なものが望ましいですが、重くなると逆に疲労が溜まりやすいので注意。

速乾性は、通気性の高いメッシュの面積が多い物を選びましょう。びしょ濡れになっても、新聞紙を入れておけばすぐに乾きます。

ゴアテックス素材が一番いいけど値段が…

足首を固定し保護するハイカットのシューズは、平坦を長距離歩くのには適していません。

ル・ピュイの道は山道と悪路、雨が多いので、通気性の良い登山靴。
フランス人の道は舗装路が多く歩きやすいのでランニングシューズ、最悪スニーカーでも大丈夫だと思います。

食料

基本的に持ち歩くのは飲水のみ。

食事に関しては、途中の村にバルや商店があるので、そこで食べるというのが一般的。

大した荷物にならないので、フランスパンを携帯し、それをつまみながら歩いていました。

自炊するにしても、目的地の村で食材を買い揃えることができます。

持ち歩くとしたら、せいぜいパスタくらいでしょう。

まあ、自分はコメ1kgとか持ち歩いていましたけど。

荷物の配送サービス

スペイン巡礼では荷物配送サービスというものがあります。

これは、巡礼宿から指定した巡礼宿まで送り届けてくれるというもの。

各巡礼宿に荷物の集荷票がおいてあるので、名前と届け先を記入したタグを括りつけ、封筒にお金を入れ、所定の場所に置く。

詳しいことは、宿のスタッフに聞けば問題ありません。

このサービスは、お金に余裕はあるけど、体力に自信がないという年配の方がよく利用しているという印象。

フランス人の道の初日には、最大の難所とさるピレネー山脈もあるので、初日から無理したくない人も利用を推奨です。

こんな時に利用
  • ピレネー山脈や難所のあるステージ
  • いつもより長い距離を歩く
  • 体に不調がある

巡礼に必要な荷物

私のバックパックに入っていたのは、お土産や衣類、使えきれなかった他国の硬貨など、ほとんどが巡礼には必要ない荷物でした。

ここでは、巡礼者御用達のアイテムを

  • 絶対に必要
  • あったら便利
  • 必要ないけどあると心が豊かになる

の順に紹介していきます。

絶対に必要なもの

巡礼を行う上で必要最低限の荷物。

これさえあれば巡礼はなんとかなるという荷物です。

  • 巡礼手帳
  • ホタテ貝
  • スマートフォン
  • 寝袋
  • 現金
  • 着替え
  • 帽子
  • お風呂用品・ハミガキ
  • 医療用品
  • 雨具
  • サンダル

これに飲水を追加して全部で5,6kgでしょうか?

ここまで荷物を減らせるのであれば、これが理想かと思われます。

巡礼手帳(クレデンシャル)

巡礼者の身分証明証クレデンシャル。

これが無いと巡礼宿には泊まれません。

ホタテ貝

巡礼者のシンボルであるホタテ貝。

巡礼手帳と違い、必須アイテムではないものの、所持率はほぼ100%。

無いと多分ハブられます。

荷物になるものではないので鞄にぶら下げておきましょう。

スマートフォン

必須というよりも、今は持っていないほうが珍しいスマートフォン。

巡礼で役立つアプリとサイト「Gronze.com」、「BuenCamino」。この2つさえあれば問題無し。

カミーノでは紙のガイドブックも人気がありますが、最近ではアプリやサイトが充実してきているので、もはやその役目も終えつつあります。

ガラケーの人は買い替えましょう。

現金

巡礼宿ではほとんどが現金払い。

私は常に100ユーロくらい持っていました。

10ユーロ札、5ユーロ札など、なるべく細かい紙幣であるのが理想的。

重くなるので、硬貨はためすぎないように注意。

寝袋

巡礼者の必需品。

巡礼宿のベットには、基本的に布団などはありません。

巡礼路は場所によって標高1,000mを越える地点もあり、夏でも朝晩の気温は10℃前後とかなり冷え込みます。

防寒具としても必須。

着替え

衣類は2日分あれば充分でした。

  • Tシャツ×2
  • 下着×2
  • 靴下×4〜6
  • ランニングパンツ
  • レギンス
  • 普段使い用のパンツ

夏であれば数時間で乾いてしまうので、毎日洗濯し着回す。殆どの巡礼者がこのスタイルを採用。

外出など全てこのタコ足のような柄のパンツで完結。

例外として、靴下だけは厚手のものが4足くらい必要

帰国用のちゃんとした服に関しては、サンティアゴ到着後に買い揃えれば問題ありません。

帽子

夏はこれが無いと大変なことになります。。

帽子は熱中症対策につばが全方向に広がるハットタイプがおすすめです。

お風呂用品・ハミガキ

毎日歩いて汗をかく。

別にシャワーを浴びず歯を磨かなくとも死にはしません。

しかし、臭えやつに人権はありません。

軽量化を意識するなら、手ぬぐいサイズの速乾タオル、洗濯にも使える全身シャンプーがおすすめです。

医療用品

殆どの巡礼者は足にマメができます。

放置すると広がってしまうので、早めに割って対処する必要があります。

必要なのは以下の3つ。

  • テーピング
  • 消毒液
  • (爪切でも代用可)

雨具

巡礼路も時期によっては毎日雨が降る場所があるので雨具は必須。

全身をすっぽり覆える、ポンチョタイプがおすすめ。

常に取り出しやすい場所。私の場合は前に抱えていたバックパックのサイドポケットに入れていました。

1分以内に装着できるのが理想。

サンダル

巡礼宿内では土足禁止。

稀に裸足の人もいますが、人間には履物が必要です。

ビーチサンダルなど薄めのものが望ましい。

あったら便利なもの

絶対に必要ではないけど、あったら便利。もしくは人によっては必要というアイテム。

  • 日焼け止め
  • 虫除け
  • 爪切り
  • 防寒具
  • トレッキングポール
  • 外行き用の服

日焼け止め

夏のスペインの日差しは強烈。

日焼け止めはなくとも、帽子や長袖があれば対策は充分に可能です。

美容意識の高いアジア人はよく使っていましたが、欧米人たちは特に気にしていない様子でした。

虫除け

巡礼宿には虫がたくさん。

草むらで休憩した巡礼者が宿に虫を持ち込むので、ダニによる被害が多いです。

ダニは皮膚の薄い部分を刺すため、かいてしまうとあっという間に傷になります。

痛いのが嫌であれば防虫対策が必要です。

爪切り

意外とみんな忘れがちな爪切り。

爪が長いと虫刺されをかいた時に出血しやすくなります。日々のケアを欠かさず行いましょう。

針の代わりにマメを割るのにも代用できます。

防寒具

標高の高い地域では、夏でも朝晩は冷え込みます。軽く羽織えるフリースがおすすめ。

鞄から取り出すのが面倒なので、滅多に使いませんでした。

無くても意外と大丈夫かもしれません。

トレッキングポール

ル・ピュイの道は悪路が多いので、年配の巡礼者に使ってる人が多くいました。

フランス人の道は、そこまできつい登りはないので必要はないかと。

一応、巡礼路上の街で売っています。

外行き用の服

フランス人の道には、レオンブルゴスなど、有名な観光地があります。

観光用にちょっと洒落た服があると良いかもしれません。

といっても、殆どの巡礼者はラフな格好で出かけ、大聖堂も服装による制限はありませんでした。

私もだいたいこの格好でした。

これは人によって分かれるかもしれませんね。

必要ないけどあると嬉しいもの

巡礼にはまったく必要ないもの。

一時の快楽のために荷物を増やす禁断の巡礼アイテム。

調味料

自炊する人はあると嬉しい調味料。

キッチンに食用油が置いてある巡礼宿は多いですが、オリーブオイルともなるとありません。

かなりの荷物になりますが、それなりに食生活は充実します。

アヒージョやタパスなど、スペイン料理を作る際には欠かせません。

巡礼用の杖

巡礼では割と有名な木の杖。

実際そこまで約には立たないらしく、平地では邪魔になるそう。

道が険しいル・ピュイの道では全く役に立たないお荷物なので、使っている人は見かけませんでした。

上位互換のトレッキングポールがある以上、もはやロマンを求める人向けのネタ装備。

ディップソース

巡礼中の昼食はバゲットやサラミなどを齧るだけ。ビール休憩も、安いスナックをツマミにするだけでしたが、これを買った途端一気に楽しみが増えました。

やっていることは無茶苦茶ですけど、充実はしていました。

嗜好品

中東で購入したお土産の茶葉やお香。それらだけで1kg以上ありました。

巡礼には本来必要なく、肉体の癒しどころか重荷となるものです。

それでも、リラックス効果で安らぎを得て、精神的には誰よりも豊かだったのだと思います。

おわり

巡礼では如何に荷物を減らすかが鍵となりますが、体さえ鍛えていれば持ち運べる荷物も増え、充実した巡礼ライフを送ることもできます。

私のケースは余りにも例外すぎるけど、是非参考にしてみてください。

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