こんばんわあ。わらびです。
南アフリカのヨハネスブルグから地獄のフライトを経てやっと到着したインドのバラナシ。
出発から実に2日以上経っています。
インドにやって来るのは約1年ぶりで、バラナシに来るのは実に5年ぶり。
今回はこの街で年を越すことになりました。
前年に引き続き、再びインドでの年越しです。
5年ぶりのバラナシ
ヒンドゥー教の聖地バラナシ。
数ある聖地の中でも一大聖地ということもあり、インド中から信者が集まり、ここで死ぬことを目的として訪れる人もいるくらい。
ここで火葬されその灰を聖なるガンガーに流しカルマから解放される。
インド各地から死者の集まる街でもあり、細い路地を運ばれていく遺体を乗せた担架やいつまでも煙が止まることのない火葬場などインドらしさ満載のカオスな街。
私は読んだことが無いので分からないが、沢木耕太郎の深夜特急や昭和のバックパッカーブームで注目を浴び、現在も日本人旅行者から圧倒的な人気を誇る場所である。
どうもここに来ると人生観が変わるらしい。
よく知らんけど。
ちなみに長澤まさみがバタフライした場所でもある。
街を歩けばあちこちで日本語の看板を見かけ、そこら中で悪いインド人から片言の日本語で話しかけられる。
とにかく日本人が多く訪れる場所で、冬休みともなるとその数はかなり増え、石を投げると日本人に当たる…、
というのはあまりにも大げさですね。はい。
あまりにも数が多いので当然投げた石が当たるのはインド人だが、その次に当たる確率が高いのは日本人である。
バラナシでは川沿いに84ものガートがあり、そこでは沐浴や洗濯する人々、遺灰を流す姿など様々な光景がみられる。
ここでインド人に混じって沐浴するというのも結構人気がある。
バラナシでは、河に遺灰以外にも動物の死体や赤子は火葬せずにそのまま流す。更には生活排水はもちろん工業排水も流れ込む。
つまり、ここら辺の河の水はすんごい汚いのである。汚水と言っても差し支えない。
そんなきったねえ河で泳いで体調を崩す旅行者が多いとされるが、実はその因果関係は不明。
そもそもインド自体の環境が清潔とは程遠く、口に入るものも色々あれなので、単に過酷過ぎるため沐浴とは関係なしに体調を崩す人は崩す。
「ガンジス河はヤバイ」と何がヤバいのか具体的なエピソードは語られず、無理矢理こじつけているような節も結構ある。
心霊スポットのように、やばいやばいと騒ぎ立てられるが、過去事件が起きた訳でもなく何かいわくがある訳でもない。
多分そういうのに近い。
5年前は、河に頭まで浸かってナマステしてきたけど体調には何も無かったし、同行した日本人も特に問題ありませんでした。
ここで沐浴したという日本人に何人か出会ったが、いずれも体調には問題が無かったと言っていました。
バラナシはモディ首相の選挙区でもあり、ヒンドゥー教至上主義者である彼からするとここはとても重要な場所。
世界遺産の登録も目指し大規模な浄化作戦も行われ、水質は以前よりだいぶマシになったそう。
それでもまだまだ汚いけど。
もしかしたら意外と大丈夫なのかもしれないが、やはり入るのは自己責任。
今回は冬ということもあり、単純に寒いので沐浴は止めておいた。
次は年が明けたらネパールへと向かう予定。5年前に来た時ある程度は観光したので今回はゆっくり過ごすことに。
ひと先ず、この街に住むインド人の知り合いに会いに行くことにした。
友人ビッキー
サンタナに向かう通りの途中あたりでドーサの屋台をしている男「ビッキー」。
彼は日本人と結婚していたので日本語を話すことができる。
数年ぶりに彼の屋台に訪れてみたら、以前と変わらず同じ場所で営業していた。
懐かしい気持ちになり覚えていないだろうと思いつつダメもとで名前を呼んでみると、意外や意外。
だいぶ前のことなのに私のことを覚えていました。
5年前は午前中だけだったが、今では夜まで働きづめ。一人では手が周りきらないのでバイトも雇うようになっていた。
再会するまでの数年間の間に離婚したり酒のせいで病気になったりといろいろあったらしいが、薬を買う余裕があるらしくそれなりに儲けている様子。
いずれ日本に行く予定があるらしく、ビザの招聘状を知り合いに頼んでいるところでした。
お店があるのはサンタナまで向かう路地の途中にあるので、よく日本人が通りかかるらしいが、話しかけても警戒されてほとんど相手にされないらしい。
確かに、この街で日本語で話しかけてくるインド人なんて、9割は騙そうとしてくる悪い奴。そして残りの一割も薬を売ってる悪い奴。
警戒されるのも仕方ない。
ビッキーの家は、まあ厳密には家ではなく、家屋の上にある小さなヒンドゥー教寺院の空きスペースなのですけど、そこにトタン屋根や壁代わりのシートがかけられています。
ここにマットレスやテレビ、冷蔵庫などが置かれ、さながらワンルームのよう。
インドでは部屋ですらない、どこに住んでいるのか分からない人がいっぱいいます。
5年前は気が付かなかったけど、壁代わりのシートをめくると普通に通りが見える。
それでも、周囲は建物に囲まれているので雨風はしのげるようです。
ちなみに以前は寺院の祠のあるスペースが寝床になっていて、そこでビリヤニとビールを飲みながらクリケットを見ていました。
確か5年前も毎日ここに来てビール飲んでいたっけな?
毎日遊びに来ていたので覚えててくれたようですね。
今回もビールを飲むべくビッキーの家へと。
といっても、ビールを売っている店が分からないので、ビッキーと共にアルコールショップへ。
場所さえ教えてくれたら一人で行けるのだが、実は外国人が一人で行くと正規の価格で売ってくれないことが多いので付いてきてくれました。
事実、一人で行った時は正規の価格の倍の料金。
腹が立ったので、近くにあったビールを1ケース丸ごとかっぱらおうとしたら値下げしてくれました。
私がビールっを飲んでいる最中、彼は毎晩こんな感じで仕込みをしているのですが、見慣れない炊き出しみたいな大きな鍋がある。
これが何かというと…
野菜を煮込んだスープでした。
ビッキーの屋台ではウッタパムをもう何年も焼き続けているのだが、とうとう2024年元日から新メニューの提供が開始されるのです。
新年の提供に先駆け、前日の夜に誰よりも早く味見してきました。
まだスープは始めたばかりなので勝手が分からず味は薄目。
それでも時間がたつにつれて野菜が溶け出しうまみが増していくので、翌日にもう一度行った時はいい感じの塩梅になっていました。
スープの味見をしたら、モモとビールで乾杯。
といっても、ビッキーは病気で飲めないので自分一人だけ。
病気になった時は凄く肝臓が痛かったそう。そんなことになったインド人の大半は、薬を買うお金もなく死んでしまうのでしょうが、そこはさすがはビッキーです。
インドでは、人が家でもないところに住んでいたり、病気になったら薬を買うお金も無いので諦めるしかない。
道端に転がる生きているのか死んでいるのか分からない人。道端にある水道の水を飲む人がいたりカルチャーショックの連続。
意識高い系の人たちがよく言っていますが、「インドに来ると人生観が変わる」というのは存外その通りのような気もします。
かく言う私もその一人で、世界観が変わった訳ではないけど、インドでは人が多すぎてぶつかっても謝ることは決してないし、割り込みなんかも普通。
彼らに習い周りのことは一切気にしない自己中な人間になってしまいました。
どうでもいいが、ビッキーの家では3匹の子犬が間借りしている。
インドでは飼い犬ではないけど面倒をみられている犬が多い。
しかしこの子犬たち、もう大きくなってきたので邪魔くさくなり年が明けるとともに野に放たれた。
突然快適で安全な家から閉め出され、状況が飲み込めずどこか動揺しているような様子。
狂犬病には罹患せず頑張って生きていくんだぞ。
おわり
こんな感じで1週間。
ビッキーの家に行ってビールを飲むかガート沿いを散歩するかして過ごす。
そして次はネパールへ。
バラナシからだと電車で向かうのが一般的らしいが、今回もはやりローカルバスで向かいます。
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