こんにちわ、わらびです。
物価がとても安いインド。
屋台であれば一食50円程度でお腹を満たすことも全然できます。
しかし、それが肉ともなると話は別。
ヒンドゥー教では牛肉だけではなく、肉食自体が一般的ではないので取り扱っているお店も少ない。
そして仮にあったとしても高い。
今回は、インドで安く肉料理を食べる方法について紹介します。
インドで肉を安く食べる方法
ヒンドゥー教の国として有名なインド。
ヒンドゥー教では、牛は神聖な生き物とされているので食べられないのは有名ですが、そもそも肉食自体があまり良い事ではないとされているので避ける人が多くいます。
ヒンドゥー教ではないけど、ジャイナ教の聖地パリタナという街では完全に肉食が禁止されていたりもします。
肉を出しているレストランというのは結構少なく、あったとしてもそこそこ高めのレストランくらい。
肉さえ食べなければ安くお腹を満たすこともできるけど、やっぱり肉を食べたいという節約派の旅行者には厳しい出費になるかと思います。
参考までに、こちらのパニールプラオ。
肉ではないけどチーズが使われているので200Rs=320円。普通のプラオは100Rs=160円でした。
※2022年12月当時1INR=1.6円
チーズがちょびっとしか入って無くても普通のプラオの2倍の値段。ぼったくられてるのかとも思ったけどそういう訳ではなく、肉でなくとも動物由来のものは高くなるみたいです。
インドのカレーといったら普通はマトンとかチキンが入っているのを想像するかもしれませんが、本場インドでああいうカレーはそこまで多くありません。
実際は肉の入っていないベジタリアンカレーが一般的なのである。
肉を安く食べるならイスラム教の多く住むエリア
意外と知られていないけど、実は世界で3番目にイスラム教徒の人口が多い国。
元の人口が多いのもありますが、かつてはイスラム王朝のムガル帝国が支配していたことやパキスタン、バングラデシュとも一つの国でした。
インドでイスラム教徒が多く住む地域はハイデラバード、アフマダーバード、ムンバイなどで、肉料理がビックリするくらい安く提供されています。
インドとは出自の違う文化圏であるダージリンなどの北東インド。コルカタでは肉以外に魚もよく食べられ、華僑の経営する中華料理店では豚肉も提供されています。
こちらムンバイのイスラム地区にあるレストランで食べた牛肉の煮込み。ローティが付いてきてたったの80円。
アーメダーバード旧市街で食べた謎の肉。30円くらい。
ハイデラバードで食べた中東料理。この一皿で三人前くらい。
大きいチキンも付いてくるがたったの290円。
イスラム教が多く住むエリアの肉料理はどれも破格の安さ。ヒンドゥー教が経営するレストランで、同量の肉料理を頼むとなると2倍3倍はするでしょう。
じゃあ、それ以外の地域では安く肉が食べれないのかってなると全然そんなことはありません。
ある程度の規模の街ともなるとイスラム地区という、イスラム教徒が集まって住むエリアがあるのでそこに行けば安く食べることが可能なんです。
イスラム地区で肉が安く食べれる理由
何故インドのイスラム地区で安く肉が食べれるか?
まあなんとなくわかると思いますが、その理由は宗教格差。
インドは、古くからヒンドゥー教以外にも多くの宗教が共存してきた地域。
ここで誕生したヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教の三宗教以外にも外からもたらされたキリスト教、イスラム教、ユダヤ教、ゾロアスター教などなど、世界的に見ても稀な多宗教の共存コミュニティ。
イスラム教も一神教でありながら、他の宗教を認め、共存してきたというちょっと変わった宗教。
本来であればインドには宗教共存という地盤があり、ヒンドゥー教とイスラム教のどちらも互いに対立しあう理由はありません。
インドで両宗教が対立しあうきかっけとなったのが、イギリスの植民地下で起きたヒンドゥー教とイスラム教の分断政策。
これがきっかけで、ヒンドゥー教とイスラム教の間に対立が起きます。後はお分かりの通り、独立後はインドとパキスタンに分離。
この争いの根底にあるのは宗教間の対立であるため、ヒンドゥー教が主導権を握る中ではインドに残ったイスラム教徒たちも不遇な扱いを受け、その後も印パ両国で争いが続き、両宗教の過激派によるテロ事件でさらに対立が深まります。
そして現在、イスラム教の格差を広げる大きな原因となっているのが、インドの首相「ナレンドラ・モディ」。
この人はガチガチのヒンドゥー教至上主を掲げる上にイスラム教差別主義者。
彼が首相になって以降はイスラム教への差別や弾圧が一層ひどくなり、これが原因となって以前にもまして格差が広がっています。
イスラム教は収入が低い人が多く、彼らが集まって住むイスラム地区では、レストランの値段設定もそれに合わせ安くなっているという訳なんです。
バラナシのイスラム地区へ
イスラム地区の格安肉料理。
今回はヒンドゥー教の聖地バラナシでの例を紹介していきます。
2018年に来た時はマトンやチキンビリヤニを提供していたレストランも5年ぶりに来てみたら、全てのメニューがベジタリアンメニューに。
バラナシはモディ首相の選挙区でもあり、ヒンドゥー教の至上主義者の彼が重要視する場所。ここ数年で、世界遺産登録に向けて次々と新しい宿ができたり、ガンジス川の大規模な水質浄化が行われてもいます。
モディさんのせいで徐々に宗教色が濃くなっているので、そのせいあってか肉を出すレストランも少なくなったのだとか。
友人に聞いたところ、イスラム地区にある安くて美味しいお店を紹介してもらったので向かうことに。
イスラム地区の探し方は、Googleマップで「モスク|mosque」か「マスジド|masjid」と検索し密集しているところになります。
実際に行っていると、アラビア文字で書かれた看板や民族衣装を着た人が多くいるのでがすぐに分かるかと思います。
ここら辺は観光客が寄り付くような場所ではないので、外国人が物珍しいのか周りの人たちが見てくる。
バラナシのガート沿いは観光客を騙そうとする悪いインド人ばかりですが、イスラム地区はそんな雰囲気はまるでありません。
しかしこのエリア、商店はあってもなかなかレストランはありません。
そしてこちらが教えてもらったお店「LALLAN HOTEL」。
ローカル感がこれでもかってくらい漂う雰囲気だけど、日本人もちょくちょく訪れる有名なお店みたいです。
席に着きオーダー。
英語が伝わらず悩んでいたところ、通りすがりの優しいムスリムが助けてくれました。
これがヒンドゥー教徒だったら店員と結託しボッタくりをするし、エチオピア人だったらそのまま同席し勝手に注文し料金を払わされていたことでしょう。
さてさて、
一品目はチキンビリヤニ160Rs=270円。
お肉は中にたくさん埋まっていました。
更に、2品目の真っ赤なチキンの煮込み。
見た目に反して辛くはありません。
チキンが5ピース付いてきてたったの150Rs=255円。
パンも3枚付いてきましたが、安いからといって少し頼み過ぎてしまったかな?
これだけの量の肉を他の場所で食べようとすると倍以上の値段はすることは確か。
参考までに、
同じバラナシでもヒンドゥー教の経営するレストランでは、表面にパラッとチーズが散らされただけのパニールプラオが140Rsだったことを考慮するとこれはかなりの安さ。
お得なんてものじゃない。
味に関しては、少なくともカレーの味やスパイシーな感じはしませんでした。
マイルドで食べているとじんわり体が温まってくるようなパキスタン料理のような味付け。
私は辛いのが苦手なのでこういった味付けは有り難い。
フードロス問題に真摯に取り組むものとして、さすがにちょっと多すぎたけど何とか完食。
チキンビリヤニとチキンの煮込み、パンが3ン枚で合計310Rs=525円。
インドで食べる料理としては高くついた気もするけど、そもそも2人前くらいの上に肉料理。本来であれば倍以上するのが当たり前。
おわり
インドで安く肉料理を堪能できるイスラム地区。
しかし、その背景にある事情を考えると複雑な気分になってしまいます。
辛いのが苦手だったり、何を食べてもカレー味のインド料理に飽きてしまった人は行ってみるのも良いかもしれませんね。
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