こんにちは!わらびです。
実家の田んぼから石油が噴き出ないものかと日々願っています。
「夢は自分で叶えるもの」とか嘯く輩も散見されますが、こればっかりは完全に自分の力ではどうしようもない。地中奥深くで太古の生物がたくさん死んでいることを祈るほかありません。
夢は他力本願!
さて、今回はカーシャーン観光2日目に訪れた旧市街の歴史的邸宅巡りについてつらつらと書き連ねていきます。
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この記事の情報は2023年4月時点でのものになります。
カーシャーン旧市街の歴史邸宅
カーシャーンの旧市街には、ザンド朝とガージャール朝時代(18世紀中頃から20世紀初頭)に作られた歴史的邸宅が多く残されています。
砂漠に位置する都市らしい暑さから身を守るための工夫や、イスラム教の教えに基づいた内と外で区切られた伝統的な作りをしているそうですが…
まあそんなの普通の観光客は分からないだろうし興味も無いと思います。
知識派の私は普通に分かりますが。
それでも、単純に見て楽しめる豪華な邸宅ばかりなのでカーシャーン観光では確実に押さえておきたいところです。
今回私が訪れたのは、歴史邸宅の中でも特に有名なタバタバイ邸、ボルジェルディ邸、アッバシヤーン邸+アフマド公衆浴場。
この4ヵ所を見ずしてカーシャーンを観光したとは言えません!
……というのは大げさかもしれませんね。
ハイ。
各邸宅の入場料
旧市街にある歴史邸宅(公衆浴場も)の入場料はすべて一律50万イラン・リヤル
つまりは1USDです。
イランの施設入場料はかなり安いので、時間さえあればどこも積極的に見ていきたいところです。
見学に必要な時間
歴史邸宅はどこも約30分ほどで見て周れる広さ。
それぞれ近くに固まってるため移動も1,2分ほどしかかかりません。
途中近くのカフェで休憩を挟んでも3時間あれば余裕で全部見て周れます。
タバタバイ邸
まず紹介するのは、歴史的邸宅の中でも一番有名で豪華、財を成した絨毯商により作られた「タバタバイ邸」から。
どうしても時間が無い人なんかは、タバタバイ邸を優先的に見るべきです。
入場するとまず少し階段を下り、ステンドグラスが綺麗な小部屋に。
そしてその先には、
タバタバイ邸の豪華な中庭が。
「5つのドアの部屋」
文字通り、この部屋への通用口が5カ所あることからこの名前が付いています。
じゃあこの部屋の見どころはドアなの?
と言ったらそうではありません。
この部屋の見どころは何と言っても綺麗なステンドグラス。
時間帯によって写真映えする光景になるので、人気の撮影スポットになっています。
さらにその下には、
大きな地下室があります。
地下室といっても、タバタバイ邸全体が地下にあるため、これは地下2階といったところでしょう。
ペルシャ語の説明しかありませんでしたが、無論ある程度分かります。
ただし、読むには結構集中力がいります。
カーシャーンの邸宅の大きな特徴は、地下に作られているということ。
カーシャーンではこのように、地上ではなく地下に居住区を広げていく伝統的な建築様式をしていますが、これは暑さから身を守るため以外にも地震に対する備えでもあるんだそう。
意外に知られていませんが、イランは地震の多い国のひとつで、カーシャーンもかつて大地震に見舞われています。
反対側にはカーシャーンバザールと同じ造りのドームの屋根があります。
この部屋にもステンドグラスがあります。時間帯によっては綺麗に光が差し込むのでしょう。
さあ一通り見たので次へ。
ボルジェルディ邸
次は「ボルジェルディ邸」へ。
この邸宅の特徴はなんといってもタバタバイ邸と作りがソックリ。
「アレ、間違ってまた同じ所に来ちゃった?」と思うくらい似ている
というのは大げさかもしれませんが、確実に既視感を覚えるくらいにはそっくりです。
それもそのはず、ボルジェルディ邸はタバタバイ邸に似せて同じ建築家により作られたのですから。
つまりはパクリ!
…といいたいところですが、ボルジェルディ邸をタバタバイ邸に似せて作るように依頼したのはタバタバイ邸の主の方。
真似されたのではなく、相手にお願いして真似してもらったということなんです。
何でこんな意味の分からない事になっているかというと、これはロマンチックかは分からないけど両家の恋物語が関係しているのです。
恋物語はボルジェルディ家の息子がタバタバイ家の娘と恋に落ちるところから始まります。
タバタバイ家は娘と結婚する条件として自分の家と同じような家をボルジェルディ家も建てなければならないという条件を出しました。
娘が寂しくないようにという配慮か、または娘の結婚相手にふさわしい財力を持っているか試すためか…
そのためボルジェルディ家は、タバタバイ邸を設計した建築家に依頼し、以後18年の歳月をかけてボルジェルディ邸を建設しました。
と、調べてみた限りではこんな感じの情報しか出てきません。その後両家の関係がどうなったのかもイマイチ不明。
ボルジェルディ家の肖像画。
ここでふと思う。
イスラム教では偶像崇拝が禁止されているので写真撮影を嫌うとか言っている人もいますが、みんな自撮りや記念撮影バンバンしているし、偉人とかの肖像画が普通にあります。
ネットの知識を鵜呑みにするしかできない無知な人たちはかわいそう。
タバタバイ邸に似せて作られているので、カーシャーンバザールのようなドーム屋根もきっちりついています。
作りがほとんど同じなので、タバタバイ邸を見た後に来ると少し退屈かもしれません。
アッバーシヤーン邸
歴史邸宅巡りの最後は「アッバーシヤーン邸」。
財を成したタイル商人によって建てられた邸宅で、彼の死後邸宅は分割され売却されました。
その後この邸宅の外庭を購入したのが「アッバーシヤーン」という人物なんですが、その時の購入金額が世間の話題となり、アッバーシヤーン邸という名前が定着しました。
数多くのイラン映画のロケ地として使われてきたそうですが残念ながらどれも知りません。
ここに来たのは閉館間近、足早に見て周ります。
入館してわずか数分で、閉館を告げるアナウンスが流れたのでほとんど観光もできず記憶にもあまり残っていません。
多くの映画のロケ地になっている場所らしいので事前に見てから行くと良いかもですね。イラン映画なのでネット配信されているかは分かりませんが。
スルタン・アミール・アフマド公衆浴場
「スルタン・アミール・アフマド公衆浴場」、ここは歴史邸宅ではありませんが、カーシャーン旧市街の有名な観光名所のひとつ。
正直、タバタバイ邸とボルジェルディ邸は見た目がほとんど一緒なので、お金や時間がもったいないという人はどちらか削ってここを訪れるのが吉。
この浴場はイラン最古浴場のひとつとも言われ、その起源は1000年前のルム・セルジューク朝時代まで遡ります。
12世紀に大地震によって倒壊しましたが、19世紀に遺跡の上に今の浴場が再建されました。建物としては比較的新しいんですが、一応歴史的にはイラン最古ということになるのでしょう……か?
まあそこらへんは皆さまの判断にお任せします。
地面より低い位置にあるので保温効果も高いそうです。
光が差し込む美しい空間、自分が訪れた時は誰もいませんでした。
で、ここで忘れていけないのが屋上なんですが、屋上へ向かう扉は閉じている場合もあるので気付かず素通りしてしまう可能性もあります。
屋上への入り口は受付の目の前にあります。
屋上に出ると不思議なモニュメントがたくさん、これらは浴場内に光を取り込むための採光窓。
なぜこんな形をしているのかは分かりませんが、なんだかエイリアンの卵や巣のようにも見えます。
エイリアンの卵や巣に関しては完全に想像でしかありません。もし有識者の方がいたらご教授お願いします。
とまあ、こんな感じで旧市街の歴史邸宅巡りはお終いです。