今晩は、わらびです。
シューシュタルの次は「ケルマーンシャー」という街にやってきました。
以前にもケルマーンという街に行きましたが、その街と関係があるかは不明。
ケルマーンシャーはイランではそこまで有名な観光地ではありませんが、クルディスタン州に向かう前の大きな街なので経由ついでに軽く観光もすることになりました。
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この記事の情報は2023年5月時点でのものになります。
ケルマーンシャー観光
とりあえずクルディスタン州への経由地としてやってきた「ケルマーンシャー」。
人口は100万人と意外に多くイランでは9番目の都市。石器時代から既に人が住んでいたとされ、シルクロードの中間に位置する好立地からアケメネス朝とササン朝時代には重要な都市として発展しました。
観光の大きな見どころは街の北にある、ササン朝ペルシアの時代に掘られた碑文「ターク・イ・ブスタン」と中心にある「タキエ・モベアン・アルモルク」くらいで少な目。
異なる民族が平和的に暮らしているらしいが、その割にはあんまり街の雰囲気自体はよろしくない。
ケルマーンシャー観光では街の北にある「ターク・イ・ブスタン」と街の中心にあるモスクやバザール。
どこもそこまで時間のかかるような場所ではないので観光全体でみても2時間ほどで終わる。
ターク・イ・ブスタン
ケルマーンシャーの北の端、ごつごつした岩山の麓に碑文と小さな湖がある風光明媚な公園がある。この街の主要な観光名所「ターク・イ・ブスタン」。
石窟の碑文はササーン朝ペルシアの王の栄光を後世に伝える目的で掘られ、戴冠式や戦に勝利する様子が彫られています。
観光では割とマイナーな場所ですが、昔のケルマーンシャーはシルクロードの中間に位置する好立地で多くの人が訪れるため、ひとりでも多くの人に王の威光を知らしめる目的でこの地に碑文が刻まれました。
ここの近くで拳銃を持って喧嘩する人たちの間を通り抜けるという衝撃的な体験をした。
Googleマップなどでは「ターク・イ・ブスタン|taq-e-bustan」となっているのでそちらに合わせて書いていきますが、正しくは「ターケ・ブスタン」みたいな発音です。
「taq-e-bustan」の真ん中のハイフンに挟まれた「e」は前後の単語のつながりをあらわす「エザーフェ」というもので、「taq」の後ろについて「taqe(ターケ)」となります。
つまり誤訳。
碑文の彫られた窟はふたつ。
昔は他にもたくさんあったそうだが現在残っているのは碑文のみ。
左側の碑文、この保存状態の良さを見ていただきたい。
碑文が彫られてから約1600年経ってもこの状態。窟の奥行きが深いので雨風に晒されることなくここまで保存状態が良いらしい。乾燥地帯なのでそこまで雨が降ることは無いかもしれないけど、風とか強い日差しは間違いなく天敵。
それに偶像崇拝禁止のイスラム教地域にも関わらず顔部分がしっかりと残っている。
右の保存状態はイマイチ
見どころは窟の中の碑文しか無いので30分あれば充分見終わる。
これがケルマーンシャーで一番の見どころ。
タキエ・モベアン・アルモルク
街の中心にあるガージャール朝時代から残る歴史的なモスク。敷地には3つのブロックがあり中でも有名なのが、壁画やステンドグラスのあるエントランス。
アケメネス朝の王やシーア派が誕生するきっかけとなったカルバラーの悲劇についての壁画が残されています。
30分もあれば見終わります。
一応観光地なのだけども…、私が訪れた時は他に観光客が皆無。
ケルマーンシャーのグルメ
イマイチパッとしない観光地ばかりのケルマーンシャーではありますが、グルメに関してはここならではの有名グルメというものが存在します。
ダンデキャバーブ
ケルマーンを代表する料理といえば「ダンデキャバーブ」。
ケルマーンシャーに行ってこの料理を食べない人はいないと言われるくらい郷土に根付いた名物料理。
羊の肉を粗くミンチにし、細長いハンバーグ状にして炭火で焼いたもので、必ず羊のあばら骨がセットでついいてくる。
羊肉のミンチというイラン料理の中でもなかなか珍しい料理。
ホルシュハラーシュ
トマトベースの羊肉のシチューでアーモンドと豆、ドライレモンが実まんまが入っている。味はゲイメに近い。いくら乾燥させて縮んでいるとはいえ実を丸々入れるなんて、何という豪胆さ。
ひとつで充分なのに自分の皿にはふたつも入っていた。
当然だけどレモンは食べるとメチャクチャ酸っぱい
シチューなのでご飯にかけて食べるのが一般的。
レモンが入っているので酸味が強いのではないかと思っていたが別にそんなことはなくトマトとレモンの酸味が見事に調和して美味。
おわり
歴史がありそこそこ大きいけど、正直わざわざ観光しに行くほどの場所でも無いような気がするケルマーンシャー。
観光面では全然思い出に残っていないけど、別の記事に書いている、拳銃を使って喧嘩する人たちの間を通り抜けた出来事がイランどころか今までの人生の中でも特に印象に残っています。