コンニチワ、わらびです。
ラホールの次にやって来たパキスタンの危険地域?のひとつムルタン。
政府の取り決めによりムルタンでは外国人の宿泊できるホテルが制限され、街を出歩く際は武装した警備員の同行が必要。
そんな危険地帯ムルタンに観光へやってきた訳なんですが、
今回は、何故か護衛を伴わずムルタンの街へ観光しに行った時のお話です。
何なら今回に限らず、ムルタンでは一度も護衛が付きませんでした。
もくじ
ムルタン観光では護衛が必須
現在パキスタンでは、ムルタンやペシャワール、モヘンジョダロなどの過激派の活動が確認された地域に近かったり、過去に外国人観光客がテロの標的になった、もしくはその危険性がある地域ではパキスタン政府が外国人の保護を義務付けています。
ムルタンの危険度は他の地域に比べるとそこまで高くないようで、街の人も今はもう危険はないと言っていました。
しかし、危険のあるなしに関わらず、政府により外国人観光客は武装した警護が必要と定められています。
2023年2月のパキスタン情勢
私がパキスタンを訪れていたのは2023年2月。この時のパキスタン情勢をちらっと説明しときます。
パキスタンの東側にあるムルタンはともかく、他の地域は構危ない状況でした。まあ今もかな?
まずは、アフガニスタンから米軍が撤退したことによりタリバンが再び実権を掌握。パキスタンの一部地域は一時期タリバンが実効支配していたこともあり、未だにタリバンの支持基盤が残っている可能性があります。
タリバン復権によってその地域で再び過激派たちが行動を開始するなんてことも。
更には、2022年に起きた大洪水では、政府の一部国民を見捨てる対応や、なかなか復興は進まぬ状況で不満はつもりに積もっていました。
被災者の中には、タリバンの援助を求めタリバン側に着く人がいても不思議ではありません。
要は、国内でいつ過激派たちが動き出してもおかしくない状況だったんです。
2023年にはタリバン旧支配地域のギルギットでバスが襲撃され多数の死傷者が出ています。
そんな危ない状況で私を守ってくれるのがホテルの警備員(アサルトライフル装備)。
日本どころか、海外のほとんどの地域を旅行したってまず経験することの無いであろう武装した護衛に守ってもらいながら街を歩く。
なんだかVIP待遇や要人になったような気分で内心ウキウキである。
街へ行く、しかし護衛来ず
街の中心にある霊廟まで行くので、護衛を依頼しにホテルの地下の詰め所へ向かいました。
すると、警備員さんは何故か通りを走っていたトゥクトゥクを呼び止め、ドライバーを地下に連れて行ってしまいました。
この方何やっているのかと思ったら、ドライバーの身分証明書や連絡先などを控えているようでした。
そして一通り手続きが済んだら「護衛はいらない」と衝撃の一言。
これから行く霊廟のある公園内には武装した警官がたくさんいるので護衛は必要ないという事らしい。
また、ホテルから道中どこにも寄らず霊廟まで送り届けるので危険はないという判断らしい。
海外の危険地域でよくあるドアトゥドア方式。しかも、世にも珍しいトゥクトゥクによるドアトゥドア。
防御力や人さらいに対するガードはほぼ皆無、非常に心もとない。
無事霊廟に到着
ムルタンは「聖者と神殿の街」と呼ばれるだけあって、街の中心には、イスラム教の聖者が祀られた霊廟の集まる一角があります。
それが今回やって来た「カフナ・カシーム・庭園」です。
何はともあれ、テロ攻撃や拉致されること無く無事霊廟へと到着。
良かった。
数ある霊廟の中でも有名な「アズラト・シャー・ルクネ・アラム」の霊廟、ムルタンで一番大きな霊廟。
中の床はすべて青いタイルで埋め尽くされています。今までいくつも霊廟は見てきましたが、ここのように青一色で統一された床のタイルは初めて見ました。
外国人は自分一人だけなのでとにかく目立ってしょうがない。次々人がやってきて自撮りに巻き込まれてしまう。
インドでも同じく自撮りする人たちに幾度となく絡まれました。
今でこそ言語や宗教は違えどもとは同じ国の人たち、もしかして根っこの部分は存外同じなのかもしれませんね。
美しい青と白のタイル。
ムルタンは焼き物が有名な街なのでもしかしたらそれを使っているのかもしれません。
これは別の霊廟、ここも青と白のコントラストが綺麗です。
綺麗で複雑な装飾が施されたお墓。
ここでも床が青いタイルで埋め尽くされています。
綺麗な床のタイルに目を取られてばかりではいられません。上に目をやるとこれまたびっしりと装飾が施されています。
まるで耳なし芳一のよう。
護衛なしで街へ
霊廟を見た後はもう一カ所行きたい所があったので、トゥクトゥクのドライバーに電話をかけて迎えに来てもらいましたが、1時間以上待っても来ませんでした。
どうやら見捨てられてしまったみたいです。
歩いて2kmくらいなので自力で行ってみることにしました。
その前にお昼ごはん。パキスタンのビリヤニ、70円。
これが最後の食事にならないことを祈るばかり。
腹ごしらえも済んだので意を決して街へ。
ムルタンは、いくら危険度は低いとはいえ外国人に護衛が必要ということは、過去に何かあったかそれ相応のリスクがあるという事。
足早になるべく人の多い道だけを使って、内心ビクビクしながら歩いていました。
やはりこの街では外国人はとても珍しいのでみんな声をかけてきます。普段であれば有難いことなんですが、ことムルタンにおいては止めてほしい。過激派に見つかっちゃう。
ちょっと人通りが少なくなって不安…
ムルタン一美しい?「エイド・ガー・マスジド」
護衛なしで心細かったのですが目的地である「エイド・ガー・マスジド」30分ほど歩いて見えてきました。
これで一安心。
ここは特に有名な観光地という訳でもないのですが、Googleマップで偶然見つけて是非とも来たかった場所。
何がそんなに私を惹きつけたかと言いますと、それがコレ!
お分かりいただけただろうか?
まあ一目見れば分かると思いますが、内部の装飾がとてもキレイ。
床、天井、絨毯に至るまで細かい文様がびっしり書き込まれ、これをどうしても見たくて多少無茶してでも来たんです。
しかも長い廊下のような構造で入り込んだ光によって青く満たされる。コレはもう青の洞窟です。
他にもムルタンには多くのモスクや霊廟がありますが、ここはムルタンで一番美しいのではないでしょうか?
マスジドなので学生たちが集まっていました。
ちなみに、マスジドとはイスラム教の神学校のことで、私が行った時は多くの学生たちがコーランの読み上げを行っていました。普通のモスクと同じく祈りの場でもあります。
わざわざ望遠レンズに取り換えて天井の装飾を撮影。
今まで50ヵ国ほど観光で訪れてきましたが、やはりイスラムの伝統的な装飾は群を抜いて美しい。中でも青を基調としたイランイスラム様式は見てるだけでも楽しいので特に好き。
一通り見た後、偶然通りかかったパキスタン人のお医者さんが記念撮影してくれました。
撮られ慣れていないのでぎこちない笑顔。
おわり
ムルタンの街を護衛無しで歩いてみましたが、排他的な私の地元とは違ってフレンドリーに話しかけてくる人ばかり。特に危険な雰囲気はありません出した。
それでも制度上護衛が必要ならばめんどくさがらずに付いてきてほしいものです。
前日、晩御飯へ行った時も付いてこなかったし、翌日も何かと理由を付けて付いてきませんでした。
警備員よ仕事しなさい。
と、無職が申しております。
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