こんばんわ。わらびです。
インド洋の楽園ザンジバル。
ザンジバルではヌングイに4日。パジェには8日間滞在していました。
一番人気のパジェでは特に観光もしませんでしたが、それでも退屈することなく有意義な8日間を過ごしていたんだと思います。
多分。
ザンジバルで人気のビーチ「パジェ」
ザンジバルの東側。いくつかあるビーチの中では一番人気を誇る「パジェ」。
青い海と白く美しいいビーチがどこまでも続き、まさに楽園という言葉がぴったりの場所。
長期滞在にもおすすめです。
もともと4日滞在する予定でしたが、あまりに居心地がよくもう4泊してしまいました。
何か観光名所や面白いスポットがあるわけでもない。
ただ何もせずのんびりとその空気に浸っていたら、一日が終わっているという不思議な日々を過ごしました。
何もせず一日が終わっていたと言うと、なんだかまるで無職の日常のよう。ただし、無職の空虚な日常と違うのは、終わってみるとえも言えぬ充足感があるところ。
「ああ、今日も何もできずに終わってしまった…」
ではなく
「ああ、何もしなかったけど良い一日だった」
という感覚。
まあ結局何もしていないので無職の日常なんですけど。
何もせずとも退屈することはない。
そんな楽園パジェでの日々について書き連ねていこうかな?
パジェのビーチ
パジェのビーチといえばザンジバルでは一番人気。どこまでも長ーく続く白い砂浜、青く澄んだ海。良い感じの空と雲。
この光景を目の前にすると、ザンジバルが楽園と呼ばれる所以が簡単に理解できます。
死んだら極楽浄土ではなく地獄に落ちるという確信がある悪党の方々、せめてここでしっかりと楽園を堪能しておきましょう。
ザンジバルの砂は白く非常に細かい。これはサンゴや貝殻が風化してできたもの。波打ち際の濡れている部分なんかは砂というよりは泥に近い状態です。
地元の人はこの細かい砂を洗濯や体の汚れを落とすのに利用しています。
私も地元の方々と一緒に、体中に砂を塗りたくりローカルな方法で体を洗ってみました。
体だけではなく顔にも塗りたくるので当然目に入って痛い。
洗い流そうにも海水なのでそれも痛い。
周りの人たちは痛がる自分を見て笑っていたけど、みんなが笑顔になってくれたのならそれで良いかなって思う。
せっかく海に来たので数年ぶりに泳ぐことに。
私は泳ぎのスキルは人より高い。だけど筋量が多く淡水では浮くことができない。
それでも海では普通に浮くことができた記憶があったのですが、数年ぶりに泳いでみて衝撃。
泳ごうにも体が沈むのです。特に足が全く浮かばないので水を蹴れない。
…おかしい、何故?
インド洋の海水は塩分濃度が低いとでも言うのか?
まあでも心当たりがあるにはある。
何年か前に3カ月かけてトルコを自転車で旅行し、毎日何度も山を越え足の筋肉がかなりついた事。
趣味でランニングも始め、自重がウェイトとなって更に足に筋肉が付いた事。
スペイン巡礼では大荷物抱えて2ヶ月歩き抜くという常人には絶対に不可能なことを成し遂げ、足が凄いことになった事など。
ここ数年でずっと足に筋肉をつけ続けていたのです。
おかげでもはや海水に浮かぶことすら難しくなってしまった。
水難事故では溺れた際に脱力し肺に息を貯め浮くとというのが生存の確率をあげるコツ。しかし海でこれなら淡水での生還は絶望的。実際どう頑張っても全く浮きませんし。
これからは死海以外で泳げませんね。とりあえず、海とは永劫の決別。
海で泳げないなら何をしようか?
パジェのビーチではカイトサーフィンが人気のアクティビティ。
割と難しく挑戦的なスポーツらしいけど、天才肌の自分であればあっという間に習得してすぐに飽きてしまいそう。
海で泳げない男がパジェのビーチリゾートで8日間も何をしていたかというと…
カイトサーフィンショップに住み着いた3匹の子猫と遊んでいました。
どうやら親が死んでしまったらしく、ショップの人たちに面倒を見られていました。
ザンジバルはほとんどの住人がイスラム教徒のため、人とネコの距離が近い。地域ネコのように面倒をみられているので人懐っこい子が多くいます。
それぞれ模様の違う3匹の子猫。
膝の上に乗せたり首をさすってゴロゴロさせたり。ネコ好きの自分にとってはこれこそが楽園なのです。
好き勝手に動き回り疲れたら寝る。
はやりネコはこうでなくてはありません。
カイトサーフィンをするでもなく、毎日訪れては1時間ほど遊んでいました。
自分の相手をしてくれた子猫たちに感謝。
行きつけのバー
パジェで宿泊していた宿から民家の間や薬局の脇を擦抜け50mほど。
そこには毎日通っていたバーがありました。
朝起きて軽くブログでも書いて11時ごろになったら、ちょっと早めのお昼ごはんを食べに来るのです。
夜になると賑わうのですが、昼だとさすがにほとんど人はいない。
いつも昼でもここにいるのは、日本からホンダの中古バイクを輸入し、島で売りさばくビジネスを夢見る若者。
彼は日本人である自分に中古バイクの確保と輸出の協力を毎日毎日しつこく持ち掛けてくる。非常に鬱陶しい。
ここの店先で作られているポテトとビールが毎日の昼ごはん。
毎日ここで昼を食べ、そしてまた夜にここへ来て酒を飲む。たまに3時くらいにやって来てキャッサバのポテトチップスをつまみにして飲む。
キャッサバチップスは少し甘みがあってビールとはミスマッチ。
ある日の出来事。
いつも通りちょっと早めの昼食を食べに行くと、何だか人が多い。
なぜこんなに人が多いのだろう?
という疑問も束の間、皆一様にアルミホイルを炙ってそこから立ち上る煙を吸引している光景が目に入る…
バーの脇の路地からひょこっとおじさんが出てきてアルミホイルの包みを人々に売り捌き、再び路地へと隠れるように戻っていく。
どう考えてもいけないお薬のようで、皆これを買うために集まってきていたようです。
この行きつけのバーには定期的に売人がやって来るらしく、この日はちょうどその日。
いわば薬物の即売会の日?
ちょっと怖いけど、何のお薬か気になったので売人に聞いてみたところ…、
ヘロインだそうです。
海外で大麻やLSDやっている人は見たことあるけどヘロインは初めて。
ChatGPTに聞いてみたらこんな答えが返ってきました。
ヘロインは、ケシの実の果汁を乾燥させた、アヘンから生成される違法薬物。強力な中枢神経系抑制薬であり、鎮痛効果がありますが、同時に非常に強力な中毒性と依存性を持っています。ヘロインの乱用は健康に深刻な影響を及ぼし、身体や精神の健康を損なうだけでなく、社会的、経済的な問題を引き起こす可能性があります。そのため、多くの国で厳しく規制され、乱用防止のための取り組みが行われています。
ヘロインの売人は、買う訳でもなく興味本位で尋ねた私に対してもちゃんと受け答えをし、商品も見せてくれました。
この画像はアルミホイルで作った自作の香炉で、こういう感じのに包まれていました。
ある日行きつけのバーに行ったら周りの人がヘロイン吸ってたプチ恐怖体験。
前歯の無いおじさんが印象的でした。
マサイ族
パジェでは多くのマサイ族を見かけます。
アフリカで一番有名な民族である彼らは、セレンゲティ国立公園に住んでいるらしくザンジバルには出稼ぎに来ているそうです。
日中はビーチで、観光客にお土産を売り、夜になるとバーに集まりビリヤードをプレイしていました。
サバンナで槍を持って走り回り、狩猟をしているイメージのある彼らですが、今では普通にスーツを着てスマホも持っている。
テレビの取材や観光客向けに民族衣装に身を包んでいるというのはそこそこ有名な話。
マサイ族といえば、ぴょんぴょん飛び跳ねる例のあれ。
夕暮れ時のビーチに行くと、仕事を終えて帰り際のマサイ族たちが、輪になってみんなで飛び跳ねていました。
基本的には害のない普通の人がほとんど。
ですが、中には強引にものを売りつけようとしてくる闇のマサイ族もいるので注意。
行きつけのバーで出会ったマサイ族はしつこく商品を売りつけようとし、翌日またバーに行くと「お前が買うと言ったから商品を確保した、金を払え」と、ヤクザ紛いの商法を行っているダークマサイ族でした。
おとなしくビーチで跳ねてろって思いましたね。
罰も恐れず掟を破り闇の呪法に手を染める。
その内一族から放逐されるに違いありません。
串焼きを食べる
タンザニアの屋台料理の代表格といえば串焼き。
パジェでも毎晩のように食べていました。
私はこの串焼きが大好きです。愛していると言っても過言ではありません。
どのくらい愛しているかというと、別れた妻と2人の娘よりも愛しているのは言うまでもありません。
妻と娘への愛情が串焼きに劣るなんて、別れて当然と思う方もいるでしょう。
そりゃあ、寂しさを紛らわすために生み出した想像上の妻子なんかよりも実在する串焼きへの愛情が勝るのは当然である。
馬鹿なのque?
あまりに串焼きが好きすぎてしばし勝手に肉を焼くこともありました。
タンザニアの人々は適当なのか、それとも楽できるからなのか、勝手に肉を焼いても特に何も言われません。
停電により文明の光が失われた宿で、蝋燭の明かりを頼りに、大好きな串焼きを頬張るのでした。
こうして何もしないけど充実した一日が幕を閉じる。
おわり
8日間滞在していたパジェ。
何をするでもなく、何もせずに過ごす。それでも不思議と退屈することはありませんでした。
好戦的な態度で挑発してくる現地チルドレン。
大人の力を見せつけるべく、腕の筋肉を見せつけたら戦わずして勝利を収めることができました。
ダークマサイ族を除けば特に悪い人にも出会わなかったし、ヘロイン吸っている人たちも勧めてくる訳でもなく基本的に無害…、
だったのかな?