こんにちわ。わらびです。
テヘランから120kmほど南へ向かったところに「コム」という街がある。
人によっては「ゴム」だったり「グォム」と発音が変わる不思議な街。
まあこれはペルシャ語を勉強している人ならなんとなくわかると思うが「ق」←こいつの仕業。
参考書では「自分qっす」みたいな感じで出てくるが実際はqだったりgだったりとややこしい奴。嫌い。
とりあえず自分は天下のGoogle様に準じてコムと呼ぶことにしています。
どうでも良い知識はさておき、今回の記事ではコムで泊まったホテルとイランの代表的なスープ料理の体験記について。
- テヘラン
- コム
- カーシャーン
- ヤズド
- ケルマーン
- マシュハド
- シーラーズ
- イスファハーン
- シューシュタル
- ケルマーンシャー
- ウラマナト
- アルダビール
- タブリーズ
この記事の情報は2023年4月時点でのものになります。
テヘランからコムへバス移動
まずはテヘランからコムへバスで移動になります。
テヘランはイランの首都ですが、会社名もバスの行き先もペルシャ語。職員すら英語を話せなかったりします。
私はたどたどしいペルシャ語を駆使し難なくチケット売り場を探し出しチケットを購入します。
驚きのバス料金
ここで驚きだったのがバスの値段。
テヘランからコムまでのバス代の料金を聞いたら電卓に「500,000」という数字が表示されていました。
イランではリヤルとトマン表記がごっちゃになっていて実にややこしいんですが、さすがに120kmの距離を500,000リヤル(1ドル)はありえないと思い、500,000トマン(10ドル)だと思ったわけです。
500,000リヤル=50,000トマン=1ドルでトマンもリヤルも使っている紙幣は同じ
物価の安いイランではちょっと高い気もするけどそんなものかと思い、500,000リヤル札10枚を渡したところ相手から「リヤル!リヤル!」と言われ衝撃を受ける。
ゼロ多くて滅茶苦茶わかりづらいけど500,000トマンではなく、500,000リヤル、たったの1ドルでした。いくら何でも安すぎるイランのバス料金。
イランは国土が結構広いのですが端から端まで20ドルもかからず行けると思います。
この時500,000リヤル札を10枚渡したのですが、お釣りとして返って来たのは8枚。1枚ちょろまかされていました。
安いから特に気にしていませんが。
イランは宗教観がしっかりしているのでこういった詐欺行為はあまりないとネットとかに書いてありましたが実際にそんことはありません。
インドほどではないけどかなり多いです。額が小さいので気づきにくいだけ。
そもそもインドも宗教観は結構あるほうだけど詐欺とかの犯罪がメチャクチャ酷いしね。
驚きのバスグレード
チケットの値段も驚きですがバスのグレードも驚きです。
この立派なバス、120kmを約2時間でたったの1ドル。確かに最近ドル高とはいえそれでも安すぎるくらい。
120kmを1ドルというのはインドのローカルバスと同じくらいの値段になります。
参考までにインドのローカルバスの画像を貼っておきます。
一方イラン。
インドで同じグレードのバスに乗るとなると800円くらいになります。しかもカレーのニオイ付き。
さすがは豊富な資源を有する国なだけあります。
ゴムで泊まったホテル
コムに到着し中心部へ移動したらまずは宿探しです。この街は何故か予約サイトに出てこないので事前に予約はしていませんでした。
ちなみに、ホステルなどの安宿はありません。
まず最初に向かったのは中心部と霊廟にほど近い「Mahan Hotel」
一番安い部屋を見せてもらったところ、窓無しで11ドル。
窓無しか…、昔入っていた地下牢を思い出すので窓のない部屋は絶対泊まりたくないんです。
幸い今の時期あまり客はいないみたいなので1ドルプラスしただけでツインルームにグレードアップしてくれました。
コムではココに泊まることに決定です。
バックパッカーといえば何軒も安宿を探し歩き回るみたいなことを聞いたことがありますが、私の場合は勘で良さげな宿を一発で探し当ててしまうのでそんな機会はありません。
センスがあると楽で良いです。
まだチェックインするには少し早かったのでお茶を頂きました。
出ました、イランでお茶といえばこの砂糖の棒。
鬼の金棒のようなはたまた尿路結石の集合体のようなそんな見た目をしています。ここで初めて食べたのですが、これをお茶に溶かしながら飲むようです。
せっかく用意してもらった手前残すのも申し訳ないので溶け切らない分はガリガリ齧って食べましたが、だいたいの人は半分以上残すようです。
尿路結石ではなく糖尿病になってしまいますね。
そうこうしている内にチェックイン。
コムでお世話になるお部屋、ホテルに泊まる人は多分ほとんど使うことが無いであろうキッチン付き。
ホテルの部屋でキッチンなんて初めて見ました。
水周りもキレイ。
これでたったの12ドル。相変わらずイランの物価の安さには驚きます。
イラン料理「アーブグーシュト」
私がイランに入国した時点で暦はファルヴァルディーン月といい、断食期間中でした。
イランに入国する際一緒のバスになったイラン人の話では「コムは厳格な街なのでラマダン期間中はレストランは開いてないよ」みたいな話だったので少し心配していましたが全然そんなことありませんでした。
昼は自粛じゃないけど外から見えないようにして営業しているし、夜はもう周りに配慮する必要ないのでいつも通りか知らんがしっかり営業。
そこで食べた晩御飯をご紹介。
イランの定番料理のひとつに「アーブグーシュト」というスープがある。意味は「肉の水」、冗談に聞こえるかもしれないがマジ。
Google翻訳で肉水やMeat waterでやると出てきます。
このアーブグーシュトという料理、そのまま食べても良いのですがイラン流の食べ方があります。「郷に入っては郷に従え」や「ローマではローマ人のように」みたいな諺があるようにイランではイラン人の食べ方に習うのが吉。
パスタを半分に折って茹でるとイタリア人がブチ切れるみたいなのを想像すると分かり易いかも。恐らく別に怒られたりしないでしょうが。
そしてトルコのパトゥルジャンケバブほどではありませんが素人が簡単に正解にはたどり着けるような生易しい料理ではありません。そもそもパトゥルジャンケバブに関してはどう考えても正解不可、いずれ紹介しようと思います。
私は事前にインターネェッツで食べ方を調べ知っていたのでふらっとレストランに入店しアーブグーシュトをオーダー。
少しして運ばれてくるアーブグーシュトとパン、生のタマネギ。
パンとタマネギが付いてくるなんて予想外でしたがその場でこっそり「アーブグーシュト 食べ方」で検索しパンを浸して食べるという情報を入手。
タマネギはよく分からないので放置することでひとまず解決。
予想外の出来事にも動じることなく解決策を見出す自分の冷静さに驚きを隠せません。
さあそして、アーブグーシュトといえばコレ、先っぽがなんかこう、うまく説明できないけどこうなっている器具。
イランの調理器具コーナーとかでも売っています。多分嫁入り道具とかのひとつです。
アーブグーシュトの食べ方を知らない人たちは、これが何の道具か分からず頭を抱えるのではないのでしょうか?
食べ方としては壺型の容器に入ったスープの具をこの器具でつぶしながら混ぜて食べるというものなんですが…、参ったな。
お分かりの通り器具を容器に入れるとスープがあふれる寸前、当然これではかき混ぜることなんてできません。
アーブグーシュトの食べ方を知ってるこなれた外国人を気取ろうと思った矢先さっそく詰む。
頑張ってスープがこぼれないようにかき混ぜていると、助け舟を出してくれたのがお隣の席で同じくアーブグーシュトを食べていた親切なイラン人。
もう調子をこいて背伸びするのは止め、分からないものは分からないと受け入れて親切な彼に教えを乞います。
まずはスープを別の容器に移すことから始まるんだそうです。
でもこの器メチャクチャ熱くてまともに持てないんです。
…これまたどうしよう?
スプーンを使ってちまちま移そうとするも違うみたい。
ここで使うのが、店員が忘れていったものとばかり思っていたぼろい布巾。
こぼれたスープを拭き取るものかとも思いましたが、これで熱すぎてまともに触れない容器を掴み、スープの上澄みを別の器へと注ぎこみます。この時具が出ないように注意。
あとはちぎったパンを浸し食べるそう。
そして容器に残った具とスープを例の器具を使ってつぶしながら混ぜるようです。
それと生のタマネギはそのまま齧って頂くみたいでしたが、こっそり容器に入れて混ぜました。
混ぜれば混ぜるほど美味しくなるらしいですが、アーブグーシュト素人の私はつぶし方が甘かったようでまだまだ具の形が残っていました。
他の人たちが食べているのを見ていると親の仇の如くガツガツ混ぜていて少し怖かったです。
味はトマトベースでシナモンがほんわりと香る不思議な味。
なるほどね、もっとちゃんと混ぜると具材の旨みが染み出す訳でありますな。
これは面白い料理。ちょっと面倒ですが。
翌日もう一度同じ店に行って、今度こそアーブグーシュトの食べ方を知っているこなれた外国人を演じ調子をこいてきました。