こんにちわ、ワラビです。
ケルマーンの次はバムへと行く予定でしたが、バスターミナルに着いた時には既にバスが出発した後。その日の便はもうないとのことで急遽予定を変更して、イラン北東部「マシュハド」へ行くことになりました。
ケルマーンからバムまでは150km、一方マシュハドまでは900km。
予定を変えるといっても、驚くほどフットワークの軽さ。夜行バスを使ってシーア派の聖地がある街へと向かいます。
- テヘラン
- コム
- カーシャーン
- ヤズド
- ケルマーン
- マシュハド
- シーラーズ
- イスファハーン
- シューシュタル
- ケルマーンシャー
- ウラマナト
- アルダビール
- タブリーズ
この記事の情報は2023年4月時点でのものになります。
もくじ
イラン第二の都市マシュハド
急遽、あまりにも急遽過ぎますが、バム行きのバスが無いからその場の思い付きで夜行バスに乗りやって来たマシュハド。イランで2番目に大きい都市で御座います。
大きいということ以外にもイラン国内にあるシーア派最大の聖地、シルクロード都市として栄えサフランの生産が盛んとか、まずはどんな観光地があるのか、どんな名物があるのかをざっと紹介していきます。
マシュハドの観光スポット
イマームレザー廟
マシュハドはイラン第二の都市というだけではなく、イスラム教シーア派の聖地「イマームレザー廟」がある街。12代いるうちの、8代目イマームである「エマーム・レザー」を祀った霊廟には、イラン国内外から多くの巡礼者が訪れます。
カバンやスマホ以外のカメラの持ち込みは禁止され、イスラム教徒以外が入場する際は無料のガイドが付いてきます。
この人の妹、「ファーティマ・マスメフ」を祀った霊廟がコムにあり、そちらもシーア派の聖地となっています。
レザーバザール
イマームレザー廟のすぐ南にある「レザーバザール」
イランのバザールといえば、迷路のように入り組み数百年の歴史あるものが多いのですが、ここは新しく作られたもの。構造も直線状で1kmも続いています。
取り合えず、お土産を買うならココ一択。おススメはサフランと「ゼレシュク」と呼ばれるバーベリーの果実を乾燥させたもの。
外国人観光客も多く訪れるため、ボッタくりしてくる悪いイラン人もいるのでご注意。
ナーディル・シャー歴史博物館
たった1代で潰えた大帝国アフシャール朝の創始者「ナーディル・シャー」の祀られる墓所。
街中にあるのでアクセスは良いのですが、そこまで広くないし展示品も鎧や大砲など当たり障りないものばかり、入場料2ドルというのは正直微妙でした。
時間が余ってしまった際に行くくらいが丁度いい。
トゥーム・オブ・フェルドウシー
マシュハドから20km離れたところにある「トゥーム・オブ・フェルダウシ」。
「シャー・ナーメ」という、古代ペルシャの神話や伝説を叙事詩としてまとめ上げた、イランを代表する詩人「フェルドウシー」さんの墓所。
マシュハド市内からはSnappを使ってのアクセスも可能。値段は2ドルくらい。
周囲には遺跡も多くあるのでそちらもお見逃しなく。
マシュハドの絶品グルメ
古くから巡礼者や商人たちの舌をうならせてきたマシュハドのグルメ。
ここでは代表的なものをいくつかチャチャッと紹介。
羊料理
意外と知られていませんが、マシュハドは羊の肉が非常に美味しいことで有名な街。
イランの羊料理といえば、基本的に柔らかくにおいも少ないラム肉を使用していますが、中でもマシュハド産のラム肉は品質が良く、古くから巡礼者や商人たちの間で人気のグルメとして知られてきました。
独自のグルメという訳ではありませんが、「シャシリク」はマシュハドを代表する料理。多くのレストランが売りにしているくらいには有名です。
「羊肉って臭みがあるからちょっと…」
とか言ってる人がいたら
「え、マシュハドのラム肉知らんの自分?」
とかそんな感じで、ちょっとマウント取れるくらいには美味。
マシュハドから西に20kmほどの所にある「シャンディズ」という街には、シャシリクで有名なレストランが多くあり、巡礼者たちもここに来てシャシリクを食べてから帰るのが定番となっているんだそう。
おすすめのレストラン「アブー・アルファザル」
マシュハドでも知る人ぞ知る地元の名店「アブー・アルファザル」
お店の看板メニューは、イラン料理の「キャバーブターベイ」という小判状にの薄焼きハンバーグ。…なんですが、ここでは薄く丸めてちまちま作るのが面倒なのか
しゃらくせえ!
と言わんばかりに、アルミの皿に貼り付けてそのまま豪快に焼いています。
その結果どうなってしまうかと、もう既にお分かりの通り、皿に乗っけて焼いているので肉汁の逃げ道がないのです。底には旨みたっぷりの肉汁が溜まり、肉好き狂喜乱舞。まるで悪魔の所業。
お肉のお布団めくると脂の泉が現れるなんてデブまっしぐらでございます。
ここにトマトをつぶして混ぜたり、オレンジを絞ってみたりといろいろアレンジ可能。
あまりのおいしさに3日連続で通い、少し常連面してきました。
ニンニク
マシュハドの料理はとにかくニンニクを多用します。
そうなんです、マシュハドといえば羊肉とニンニク!
たいていこの2つはセットでやってきます。基本どんな料理にもこっそり混入していることが多いので、マシュハドでニンニクから逃れる術はないと思ったほうが良いかと。
上の画像は、肉料理の付け合わせに出てきたタマネギとニンニクの炒め物で、味付けが濃くご飯にとっても合う凶悪な一品。
他にもニンニクをそのまま丸ごと漬物にしたものや挙句ガーリックシャンプーなんてものもあります。
1食でニンニク1房食べる人なんかも普通にいます。というか宿のオーナーがそうでした。
ニンニクシャンプーに関してはイラン全土でよく見かけますが、気になるけど、臭くなりそうなんであまり使いたくはないですね。
ビックリするくらいニンニクだらけの街マシュハド。
おススメのお土産
マシュハドに来たら是非とも購入したいのがサフラン。
イランはサフランの原産国で世界生産の約半分を占めているとされ、中でもここマシュハドはサフランの一大産地。
バザールではショーケースの中に数十、下手したら100万円を超えるであろう大量のサフランが積まれ、この街がサフランの産地であることを物語っています。
一輪の花からの収穫量がわずかしかなく、摘み取りもすべて手作業のため値段は非常に高価、サフランは世界一高価なスパイスとも言われ、1gで1000円はくだりません。
ですがここマシュハドでは1gあたり250円ほどで購入可能。
驚異的な安さなので奮発して4gも購入してしまいましたが、あまり使い道がないというのが現状…
イランでは料理以外にも粉末にして水に溶かして飲むという用法も一般的。
専用のすり鉢も必ずお店に売っています。
マシュハドの安宿情報
マシュハドはイラン第二の都市で聖地もあるので国内外から多くの巡礼者が訪れます。一応ホテルは数多くありますが、ドミトリーなどの安宿の類は殆どありません。
まあホテルでも2000円ほどでそこそこ良いとこに泊れるのですが、それでも頑張って探した結果、なんとか見つけることが出来ました。
それがこの「VALIS HOME STAY」、地下鉄駅から徒歩5分と好立地。外国人は地下鉄使えないことが多いんですけどね。
絨毯の補修職人のオーナーが経営するホステルで、自宅の空き部屋を貸し出しています。
本来であれば1泊10ドルなんですが、オフシーズンということで半額の5ドルで宿泊させてもらいました。
使ってないけど寛ぐのに最適なテラス、何故かオーナーはここで寝ていました。
洗濯物を干すスペースもあり大きなタライも貸し出してくれます。ガムのこびり付いたズボンを洗ったのはいい思い出。
事前に頼めば、オーナーの仕事場見学や近郊の村への車の手配も行ってくれます。
おわり
イラン北東部の端っこなのでアクセスが結構面倒ですが、イランはバス代が驚くほど安いので大半の地域から7,8ドルくらいで行くことが出来ます。
長距離バスが単純に嫌という方は確かにアレですが、脂っこい食事とニンニクが大好きな方は是非おいで。
ラム肉、美味しいよ。