こんにちわ、ワラビです。
マシュハドのグルメといえば、有名どころでは「シャシリク」や「マシュハドハリーム」などがあるのですが、ことマシュハドのグルメにおいてはこじらせ系トラベラーである私が、あえて奇をてらったグルメ情報をご紹介していきたいと思います。
ここで紹介するのは3つ、どれも自信をもって人におススメすることのできる料理ばかり。
主に、肉好き必見。
- テヘラン
- コム
- カーシャーン
- ヤズド
- ケルマーン
- マシュハド
- シーラーズ
- イスファハーン
- シューシュタル
- ケルマーンシャー
- ウラマナト
- アルダビール
- タブリーズ
この記事の情報は2023年4月時点でのものになります。
アミール・カビールの「キャバーブ・グーシュト」
まず最初に紹介するのはコチラ「アミール・カビール」。
中心地から少し離れていますが、ホステルへ向かう途中で見かけたレストラン。良いお店を見つける嗅覚には非常に長けているのでここはきっと名店に違いない。
お店のグレード的にはちょっと贅沢なお店。
マシュハドといえば、羊料理が美味しく特にシャシリクが有名なんですが、残念ながらここには御座いませんでした。
別の骨付き肉料理の「チェロウマヒーチェ」もありましたが、あえて「キャバーブ・グーシュト」なる料理を注文。
ちなみに名前の意味は「肉のケバブ」、ちょっと名前が面白いので気になって頼んでみたのですが果たしてどのような料理が出てくるのでしょう?
値段は300gで約7ドル。
名前からでは何の肉かは分かりませんが、この価格帯だとおそらく羊肉であることは間違いないはず。
…そうだよね?
少しソワソワしながら待つこと10分、いよいよ料理のお出まし。
これが「キャバーブ・グーシュト」、300g
見た感じ羊の肩の部分の肉のようです。肩甲骨っぽいのも一緒に付いてきました。
おこげ付きのお米と心ばかりのサフランライス、付け合わせにタマネギとニンニクの炒め物、ピクルス。頼んでおいてなんですが、自分はあまり脂っこいのが得意ではないので生野菜も幾分か欲しい所。
脂っこくて重量級。
WHOが警鐘を鳴らしそうな食事内容。
ミンチ肉をまとめたものでもなく、ステーキでもない。
ただ単に、ゴロッとした肉の塊。言うなれば肉塊である。
この肉が肩部分の肉と断定するに至った、ばっつり断ち切られた肩甲骨。
この骨要りますか?
色を見て分かるようにじっくりコトコト煮込まれて味とか染み出してるのでしょう。
だけども一体どうしろと?
犬にあげたら喜びそうな骨ですが、人間である私には不要。
文字通り、煮ても焼いても食えない奴は皿の端っこに寄せておきましょう。
さすがはマシュハドの羊肉、品質が良いと言われるだけあって、フォークで軽く突くといとも容易く崩れてしまいます。
ホロホロ、そうホロホロなんです!
無論、このホロホロ具合は肉の質のみならず、調理人の腕あってこそ。
マシュハドの高品質の羊肉と研鑽を磨いた料理人の腕、今ここに奇跡のマリアージュ?
ホロホロに崩した肉をご飯に乗っけていただきます。
言うまでもないと思いますが、あえて言わせていただくと…、خیلی خوشمزه
これは美味しいですね。
何の味付けか分からないけどخیلی خوشمزه!
本当に美味しいという感想以外出てこない、肉と一緒に言語中枢までホロホロに崩れてしまったのではないか?
そう疑いたくなるほど同じ感想しか出てこない。
もともと語彙が無いのですけどね。
忘れていけないのが、このタマネギとニンニクの付け合わせ。
具材をひたすら肉と一緒に炒めたであろう旨みが詰まった一品で、主役を陰から支える協力者かと思いきや、その圧倒的な美味さをもって主役を食わんばかりの存在感。
こいつめ虎視眈々と主役の座を狙ってやがるな…
オイリーで味は濃いのですがご飯にとても合う、これだけでご飯3杯は食べれる。意外な伏兵ここにあり。
優しい味とは対極にいるような、ガツンとくる暴力的な美味しさ。
「口腔内暴力」
まさしくこれも一種のドメスティックバイオレンス。
バチバチに美味しかったのですが、非常に脂っこい料理だったので案の定後でお腹を壊しました。
アブー・アルファザルの「キャバーブ・ターベイ」
「キャバーブ・ターベイ」というのはイラン料理のひとつで、挽肉を鍋に薄く敷き詰めて焼いた料理になります。
そしてそれを切り分けていただくのが一般的な提供スタイルなのですが、中には切り分けるのが面倒なのかアルミの皿に張り付け豪快に焼き、そのまま「食え」と言わんばかりに提供するお店もあります。
それが今回紹介する「アブー・アルファザル」というお店。マシュハドでも知る人ぞ知る地元の有名店。
普段は鼻炎で鼻がつまっているので全く鼻が利きませんが、良いお店を見つける嗅覚だけは常に優れているのである。もしかしたら嗅覚と引き換えにこの能力を得ているのかもしれませんね。
皿に敷き詰めた肉の周りにはスライスされたトマトとタマネギ、そしてヤムチャのように横たわったシシトウ、オレンジとパンが付いてきます。
これでお値段130万リヤル、当時のレートでだいたい300円くらい。
さてこの料理、何が凄いかといいますと…
一体何が凄いと思いますか?
まあ既に勘の良い肉好きの方はお分かりと思いますが、皿の上でそのまま焼いているので肉汁の逃げ場が無いのです。これまたWHOが警鐘を鳴らしそうなオイリーな料理。
肉をペランとめくるとそこには肉汁の泉が…!
これには肉好き狂喜乱舞間違いなし!
私は別に肉好きという訳ではないので狂喜乱舞しませんでしたが、突如、とち狂ったかのように太鼓をバンバコ打ち鳴らしながらダイナミック入店してきた不審者と遭遇。まさか狂喜乱舞した肉好きが匂いを嗅ぎつけてきたのかとも思いましたが、一般的常識から大きく逸脱した物乞いでした。
あまりにも太鼓の音がうるさすぎてすぐさま店員がやってきて追い払ってくれました。
パンに肉と野菜を挟み、スパイスをサラっとかけたあたり障りのない食べ方で頂きます。当然ですが、旨みの詰まった肉汁をディップするのをお忘れなきように。
肉汁にトマトをつぶして混ぜるのもおススメ。
見てほしい、このいかにも健康に悪そうな旨みほとばしる肉汁の奔流を、見た瞬間に額から油が噴き出そうになるほどのこれでもかと言わんばかりの肉汁。
これには当然WHOが黙っちゃいない。
悪魔の所業とでも言うのでしょうか?
人の身でありながら悪魔の域に達するとは、人の食に対する飽くなき探求心には驚かされるばかり。
こんだけ脂っこいので、もちろん食べた後は唇がカサカサになってしまいます。あまりの美味しさに3日間通いましたが、おかげで唇はボロボロ。
だが悔いは無い。
Vali Homestayの「マシュハド・ポロウ」
さあ最後!
最後に紹介するのはマシュハドの伝統的な家庭料理「マシュハド・ポロウ」
家庭料理なのでそこらのレストランでは食べることのできないレアな一品。
そんなレアな料理をどこで食べたかといいますと、それはマシュハドで宿泊したホステル。
私がマシュハドで宿泊した「Vali Homestay」にチェックインした時が丁度お昼時、宿のオーナーがマシュハドポロウを食べていたため、なんだかよく分かりませんがその場の流れで食べさせて頂きました。
オーナーの奥さんの作るマシュハドポロウは、ニンニクがゴロゴロと入っていて細かく刻んだ野菜と米を香辛料で味付けした一品、レストランで食べる料理とは違ったイランの家庭的な味がしました。
日本から遥か数千キロ、郷里から遠く離れた地で母の温かみを感じた出来事でした。
宿泊したからといって確実に食べれるわけではありませんが、それとなくおねだりしてみるのも良いかもしれませぬ。
おわり
さて、いかがでしたか?
ここで紹介したのはイランでは割と珍しい料理でしたが、辺に拗らせ珍しいグルメを探していた訳ではなく、単に運良く変わったグルメに巡り合う機会が多かったというだけ。
無神論者でありますがこれは神に感謝。
あとカロリーが凄いので健康面にも注意。