イランでは珍しい木造宮殿。イマーム広場のアリ・カプ宮殿

こんにちは、わらびです。

金曜モスクの次にやって来たイマーム広場。

この広場こそが、「イスファハーンは世界の半分」と呼ばれる由来で、東にシェイフ・ロトフォッラー・モスク、西にアリカプ宮殿、北にカイセリ門とグランドバザール、そして南にはシャー・モスクとイランを代表するイスラム建築がズラリ。

一歩足を踏み入れると、その圧倒的なスケールからここが世界の半分と呼ばれるのも納得。

シャー・モスク→シェイフロトフォッラーモスク→アリカプ宮殿の順番に見ていきますが、世界の半分を1日で見て周れるってなんだかお得な気分。

これは世界半周旅行に違いありません。

イーマーム広場の観光スポット

この記事の情報は2023年5月時点でのものになります。

アリ・カプ宮殿

イマーム広場の西側「アリ・カプ宮殿」。シャーアッバース1世の時代に建設が開始されたサファヴィー朝の大宮殿。名前はトルコ語の「アーリ」とドア、もしくはスルタンの宮殿を意味する「カプ」が由来とされています。

建築は完成に至るまで約100年間断続的に行われ、シャーアッバース1世とシャーアッバース2世の時代に建物の基礎が完成、シャー・スルタン・フセインの時代に内部の装飾が完成しました。

テラスのある前面部は2階、後部は6階建て(数え方により7階建)で48m、サファヴィー朝時代に建てられた宮殿としては最も高い宮殿かつ、イランでは非常に珍しい木造建築の宮殿。

正面にあるシェイフ・ロトフォッラー・モスクとは地下道で繋がっているそうです。

世界遺産「イスファハーンのイマーム広場」の構成資産。

もとは1日で広場全体を観光するつもりだったのだけど、さすがは世界の半分、1日では見切れるようなものではありません。

初日は金曜モスクとシャー・モスク、シェイフロトフォッラーモスクモスクの3カ所の観光に留まりました。

確かにローマは1日にしてならずとも言いますしね。

ん、……?

何言ってるか自分でもあまり分かってないけどアリ・カプ宮殿観光の開始。

アリ・カプ宮殿観光

入場料100万イランリヤルを払ってアリカプ宮殿へと入場。

入り口では中国人ツアーのガイドをしているという人に話しかけられたけど、残念ながらあたいはチャイニーズじゃないのよ。

中国人はどこにでもたくさんいるけど、イランにはノービザで行けるから人気の旅行先だそうな。

見どころは前面部分のテラスから見えるイマーム広場とその後ろ側にある壁画くらいなので序盤は階段をひたすら上るだけ。

最初のアリカプは後部の4階部分までしか無かったみたいで、イスファハーンの人口増加に伴い首都機能しての重要性も高まり、前面部の建物もシャーアッバース2世の時代に追加されたみたいです。

6階建て?7階建て?

アリ・カプ宮殿は3階建ての前面と6階建ての後部からなる建築で、構造上は6階建てなのですが、場合によっては7階という説明も見られます。

まあこれはどういう事かというと、あくまで建築の構造上は6階建て、きちんと建物内は6フロアになっています。

そして、7階建てというのは後部の建物の屋上を階としてカウントした場合の階数。最上階の屋上からはイスファハーンを一望でき、展望台とも取れるのでこのような事になっているんですね。

ほとんど知っている人はいないと思うので勝手に解説。6階建てと呼ぶか7階建てと呼ぶかはお好きなほうを。

18本の柱が並ぶテラス

アリカプでは最大の見どころの3階部分のテラス。

何の木か分からないけど大きな柱が18本も並んでいます。多分クルミかな?

今でこそ全部むき出しの柱になっていますが、かつては鏡細工で覆われていました。

分かりにくいかもしれませんが屋根もすべて木製。

テラス部分もそうですがアリカプ宮殿は木造で作られている部分が多く、実はこれってかなり珍しいこと。

なぜかと言いますと、イランはその国土のほとんどが木の生えない高原地帯。

全然木が生えないという訳ではありませんが、少なくとも建材に適した木がほとんど生えずかなり貴重なものというのは事実。

あまりにも木が無いため建築はほとんどが石造り。ドアや窓枠には木製も多いのですが柱に使われるということはほとんどありません。

木材がないということは船も作れないので海軍も保有していませんでした。

サファヴィー朝時代、ホルムズ島に拠点を構え海峡を荒らしまわっていた遥か格下のポルトガル相手に、ただ指をくわえて見てるしかなかったというエピソードもあります。最終的に、イギリス東インド会社が2隻の船舶を貸してくれたことによってポルトガル軍の駆逐に成功したそうです。

それだけ貴重な木材をこれだけふんだんに使用したアリカプ宮殿、当時の繁栄ぶりが伺えます。

テラスからの眺め

世界の半分といわれるイマーム広場の眺め。

アリカプは宮殿なので王族か来賓しか立ち入ることのできない場所、世界の半分と称えられた光景は地上から広場を見た時の眺めで、厳密にはここからの光景ではありません。

あまりにも広すぎてただ広いという感想しか出てこない。コレは紛う事なき世界の半分の呼び名ににふさわしい光景。

ここから見える広場の人たちはちっぽけで、「人がゴミのようだ」というセリフが思わず漏れてきそうになる。

しかし、待ってほしい。

彼らはただ広場を歩いているだけ、それを高い所から見下ろしてゴミのようとは何事か⁉

彼らは己が人生を真面目に生き、いくつもの歴史の営みが積み重なり今に至った何事にも代えがたい唯一無二の存在。

それをゴミとは何事か?

高いところに登っただけで自分が権力者か何かと錯覚する日本人独自の愚かな感性など唾棄すべきかと。

だいたい働いていない自分が一番のゴミではないか。

地上からだとあまり分からないシェイフロトフォッラーモスクのドームもよく見える。

ひん曲がった装飾。

テラスからは歴代シャーや来賓がポロや花火などを観戦していました。

現在ポロは観戦できないけど、観光客向けの馬車は沢山走っている。実はあれコンクリとかのタイルの上だとつるつる滑って結構危険。

スペインでは蹄鉄からギャリギャリ火花を散らしながら滑っているのを見たことあるし、エジプトでは普通に事故っているのを目撃したこともあります。

気を付けましょう。

壁画

テラスの裏側、後部の4、5階が一体化した部分には保存状態の良い壁画。

ほとんどがイランの有名な画家「レザーアッバージ」という方の作品。

うーむ、私は芸術に疎いのでゴッホとかレンブラントくらい有名な人じゃなければ知りませんね。

最後は螺旋階段を降りて観光はお終い。

どうでもいいけど螺旋階段ってかなりワクワクするよね?

男の子ってこういうのが好きなんでしょ?

おわり

これにてイマーム広場のシャー・モスク、シェイフ・ロトフォッラー・モスク、アリカプ宮殿観光がお終い。さすがは世界の半分、思いのほか時間がかかってしまいました。

まあ別まだイマーム広場観光はお終いではなく、これからグランドバザールに行くんですけどね。

本当に見どころがたくさんでかなり時間が必要、参っちゃうね。

楽しくていいんだけど。

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