こんにちは。わらびです。
マシュハドにあるイラン最大のシーア派の聖地「エマームレザー廟」。
シーア派のイスラム教徒が国内外から巡礼に訪れる場所で世界最大規模の宗教建築群。イスラム教徒以外も自由に入場可能なので、マシュハド観光では絶対に外せないスポットです。
その圧倒的な大きさと超豪華な装飾に驚くこと間違いなし。
…のはず!
近くにあるレザーバザールもセットで観光するのが効率的でおすすめ。
- テヘラン
- コム
- カーシャーン
- ヤズド
- ケルマーン
- マシュハド
- シーラーズ
- イスファハーン
- シューシュタル
- ケルマーンシャー
- ウラマナト
- アルダビール
- タブリーズ
この記事の情報は2023年4月時点でのものになります。
シーア派の聖地「エマームレザー廟」
「エマーム・レザー廟」は、12イマーム派(シーア派の主派)における、8代目イマーム「アリー・リダー」の埋葬された霊廟。
イラン国内ではシーア派最大の聖地で、アリー・リダーの霊廟を中心とした世界的にも類を見ない超巨大な宗教建築群です。
イランの短母音には「i」の発音はないため、イマームではなく「エマーム」という発音になります。
アリー・リダーの妹の埋葬地もシーア派の聖地のひとつになっています。
霊廟は約1000年以上の歴史があり、以後何度も改築を重ねてきました。
もとはそこまで大きな施設ではありませんでしたが、イラン革命後に大増築が行われ現在の規模になりました。霊廟に博物館、図書館、モスクなどいくつもの建造物からなり収容可能人数は70万人とされています。
シーア派の聖地としては、イラクにあるクーファやカルバラーの霊廟の方が格式高いみたいですが、単純な大きさならレザー廟が断トツ。
それどころか世界一の面積を誇る霊廟なんだそう。
無料のガイド
エマームレザー廟はイスラム教の聖地ですが、イスラム教徒以外でも入場可能。
イスラム教徒以外が入場する場合はガイドが無料で同行してくれます。
ただしこれは強制ではないため、ガイドの数が足りない場合や一人でゆっくりと見学したい場合は断ることも可能です。
ガイドはボランティアスタッフなので、昼は働いている人が多く、お昼の時間帯はガイドが付かない場合が多いようです。
荷物の持ち込みは不可
霊廟内にはスマホと財布以外は持ち込みできません。
カバンなどの大きな荷物は専用の荷物預り所に預ける必要があり、荷物を預けるにはパスポートが必要です。無いと預けることは出来ないので忘れないように。
係の人に荷物を渡し、自分の名前を声に出して神に唱えたら完了。ちょっと面白いですね。
その他注意点
霊廟内には大型の荷物以外にも、火器や刃物、可燃性物質、食料など持ち込みが禁止されています。
敵対国であるアメリカとイスラエルに関連するものも禁止…
これどういう意味かというと、アメリカ製品などではなく、アメリカを連想させるような星条旗の刺繍が入った衣類のことを指すのでしょう。
行ったこと無くても「I♡NEWYORK」とかプリントされたシャツ着ている人とかもいるので、そういう人はうっかり着て行かないように注意が必要。
あまりにも広すぎるレザー廟
エマームレザー廟はとにかく大きい。
1辺が500m近くある上に9つの中庭、いくつものモスクや宗教施設が連なります。あまりにも広すぎるため敷地内には車や電動カートが普通に走っているのがレザー廟の日常風景。
収容可能人数は70万人とネットには書かれていましたが、ガイドさん曰く、床に敷き詰められた正方形タイルは全部で100万枚なので理論上は100万人まで入れるんだそう。
これにはちょっと無理があるんじゃないかな?
と思うけど、確かに世界一人の密集率が高いイスラム教第一の聖地メッカでは、人がぎゅうぎゅうにひしめき合い、日常的に圧死事故が起きてるのでそう考えると意外と大丈夫そうなものです。
一つ一つの建築の規模もそうですが、装飾の細やかさもなかなかにクレイジー。
バリバリの宗教国家でシーア派の盟主たる国イラン。宗教に対する気合の入り方が桁違い。
ただでさえとんでもなく広いというのに、これらを一つ一つじっくり見ていたら時間がいくつあっても足りない。あとずっと上を見上げているので首が疲れてくる。
見るだけでも一苦労なのだから、これを作るとなるといったいどれだけの労力が必要になったのでしょう?
礼拝の時間が近くになると中庭にはじゅうたんが敷かれ始めます。イランで絨毯といえばペルシャ絨毯ですが、当然ここに敷かれている数百枚の絨毯もすべてペルシャ絨毯。
さぞお高いんでしょう?
と思いきや、これらは機械織の安価な大量生産品。
シーア派ではお祈りは日の出、正午、日没の合計3回。
礼拝の時間、特に聖地であるコムとマシュハドに関しては、みんないっせいにお祈りを開始するのでインターネットが繋がりやすくなります。
イランでは役立つ知識なのでぜひ覚えておいてください。
観光開始から既に2時間。
2時間もあれば大体は見れそうなものですが、現状まだ半分も見ていない…
これではいくら時間があろうと埒が明かないので、全部見るのは諦めて中心のアリーリダーの墓所へと向かいます。
まあ確かにディズニーランドを2時間で観光しろって言われても無理ですもんね。
つまりはそれと同じことだと思います、……?
アリー・リダーの墓所
エマームレザー廟の中心、アリーリダーの埋葬される墓所。
さすがに非イスラム教徒ではここには入れないだろうと思い、一応ダメもとで入り口にいた人に尋ねてみたところ…
良いってさ。
さすがはイスラム教徒、懐の深さが違います。コレはさすがの私も神に感謝せざるを得ません。
今まで見てきた外のモスクも充分豪華だったのですが、ここは聖地の中でも特に重要な場所だけあって鏡張りの光り輝く超美麗空間。
最奥部にある緑に光る大きな棺。これこそが8代目イマーム、アリー・リダーの埋葬されている場所になります。
現在ここに置かれている棺はオリジナルから数えて第5代目。1994年の爆破テロで前の棺が破壊されたので急遽新造し、設置されてからまだ30年ほどしか経っていません。棺には祝福の詩と太陽の象徴であるヒマワリがあしらわれ、デザインはコンペで選ばれたそうです。
棺は地上にあるものの実際のアリーリダーの墓所は地下にあるんだそう。
せっかくなので自分も棺のすぐ近くに。
多くのイスラム教徒が押し合うように棺に触れようとしていますが、ぱっと見ゾンビ映画でよくある光景のよう。
夜のライトアップ、しかし…
昼の観光は疲れたので途中で切り上げ夜にライトアップを見るためもう一度舞い戻ってきました。
昼はガイド無しで観光しましたが、今回はガイドと同行。
ガイドさん、私がペルシャ語ができることを知ると大層驚いていました。そりゃあ大いに驚くでしょうね。
昼は空いていましたが、夜になると仕事終わりの人たちが礼拝にやって来るので混雑します。
さあこれから礼拝が開始されようとしたとき、ガイドの人がこれからお祈りがあるからしばらく待ってて欲しいと…約1時間くらい。
確かにお祈りは大事ですよね。
さすがに手持ち無沙汰になるのも嫌だったのですぐに帰ることに。夜の観光はたったの30分で終わりを迎えました。