こんにちわ、わらびです。
ケルマーンシャーからタクシーを乗り継いでやって来た山奥の村ウラマナト。
バスも通っていないしアクセスもしづらい、村にホテルが一軒しかないし秘境なんて呼ばれたりもしてます。
そんな辺鄙な場所ではありますが、多少苦労してでも来る価値のある素晴らしい景色が待ち受けていました。
- テヘラン
- コム
- カーシャーン
- ヤズド
- ケルマーン
- マシュハド
- シーラーズ
- イスファハーン
- シューシュタル
- ケルマーンシャー
- ウラマナト
- アルダビール
- タブリーズ
ウラマナト観光
美しい景色が広がるクルディスタンの山岳地帯。
その中の斜面には階段のように広がる「ウラマナト」という、紀元前3000年からこの地で生活するクルド人たちが作り上げてきた独自の景観が残る村がある。
民家の屋根が通路として利用され、石垣を積み上げて作られた畑など、わずかな土地を有効活用するために編み出された先人の知恵が見て取れます。
2021年に世界遺産登録されたばかりなので、まだまだマイナーで知名度もほとんどありません。
「ウラマンタフト」やら「ウラマナト」、「ハウラマン」とかいろいろ呼び名があり、少なくとも日本語では呼び方が定まっていないくらいにはマイナー。
自分は「ウラマナト」で統一して書いていきます。
「ハウラマン/ウラマナトの文化的景観」として世界遺産に登録。
ウラマナトの見どころ
世界遺産に登録されているウラマナト。
あくまで集落の景観がメインなので、村の建築物がどうのこうのというのはありません。一応、独自の建築様式で建てられたモスクというのもありますが、見たところでそこまで面白いものでもありません。
斜面に広がる村を遠くから見て愛でる
そう、推しと一緒で御座います。
てなわけで、村の景観が良く見えるポイントまで移動していきます。
夜は冷え込み山肌にはまだ雪が残る5月のウラマナト。
日中は日差しも温かくピクニックにはちょうど良さげ。
イラン人は自然の中で友人や家族と語らいお茶を飲むのが大好きで、ある程度親しくなると「山行かない?」とよく誘われるらしいけどなるほどね…、確かにこんな壮大な自然の中でそんなことができたら楽しいでしょう。
私は全然そうは思わないけど。
何故か分からないけど、イラン人はとにかく山に行きたがる国民性なんだそう。
既にこの状態でも充分に良い画。
斜面に石垣などを作り少しでも平地に均し、そのわずかな平地で作物を栽培したり家畜を育てるそうです。
村のメインストリートを歩くとすぐ目の前に山が切り立った光景が目に入る。
青森県ほどではないにしたって凄いところに来ちゃったな。
ウラマナトの民族衣装
道を歩いていると嫌でも気になってくるのがこちら!
民族衣装を着た地元の男性。若い人で着ている人はおらず、主に年配の人が多く着ているようでした。
とにかく肩の出っ張りが特徴的でフリーザ軍の戦闘服みたいになっています。
一瞬ナメック星に来てしまったかと誤解しそうになるも、これがウラマナトの文化的景観なんだなとしみじみ思う。
フリーザ軍の戦闘服はそこまでいませんが、村の男性の多くはダボっとした、ボンタンみたいなのを履いています。
ボンタンといっても、全然世代ではないので分かりませんが、とにかくダボっとした…、ボンタンみたいなやつとしか説明のしようがありません。
屋根の上の道
さて、このまま村を一望できる場所まで行ってもいいけどこのままではつまらない。
斜面の集落は複雑に入り組み迷路みたいで面白そうなのでそちらへ寄り道してみることに。
とりあえず適当に細い路地とか歩いて行き
気づいたら人の家の屋根の上を歩いてたりします。
日本にいた時は自分の家の屋根でも登ったら怒られていたというのに、ここウラマナトでは知らない人が歩いていても誰も気にも留めません。
これがウラマナトの文化的景観。
人の家の屋根を歩いてきたら少し開けている場所に出て、そこには車が停まっていた。おそらく車道。
全部が全部というわけではないが、車道の下には居住スペースがちょこちょこはみ出てるみたい。
まずないだろうけど、自分の部屋で寝てて車落っこちてきたりしたら嫌だよね。
平地の無いウラマナトでもこのようにちゃんと子供の遊び場も設けられています。
もとは斜面で平地なんてないけど、階段状に民家を作ることで平地を巧みに作り出し土地を増やして有効活用できるというわけである。
村の絶景
村の外れ、ウラマナトの絶景ポイントへに到着。
なんとまあ素晴らしき光景だろうか!
厳しい自然の中に何千年もの時を重ねて作られたウラマナト村。
私は別段ダイナミックな自然とか興味ないけど、こういう険しい場所に作られた集落とかが人間の偉大さを感じれて大好きである。
自分が何もしなくても、同じ人類の端くれとして勝手にその偉大さを享受できるので自尊心も満たせます。
日本人が国際的な活躍をした際に街頭インタビューとかでよくある「同じ日本人として誇りに思います」みたいなアレ。それの人類版。
急な斜面に建てられた村の家屋、同じ村の中でも一番上と下では200m近く違うのでは?
友人の家を訪ねるのに標高が200mも上がったり下がったり、勝手にウラマナトあるあるを想像して楽しめます。
少し村を歩いて分かったけども、実際問題移動はかなり不便。
コンビニ行くのに車出さなきゃならない青森県くらい不便。
これだけ標高も違うと気温の差も違うので、季節によって住む場所の高さを変えるなどして厳しい山中の環境にも適応してきたんだそう。
人類ってその土地に適応し独自の景観を作り上げてて面白いね。
ウラマナトの郷土料理
観光の後はウラマナトにある唯一のレストランでお食事。
注文したのはウラマナトのクルド料理。丸い持ち手の付いた重厚な鉄の鍋でやって来たので少し驚き。
牛肉のグリルなのだが、薄いハンバーグのようでトルコ料理のキョフテに近い。
これがウラマナトの郷土料理か…
と思いながら美味しい料理を黙々と食べ進める。
イランではよくグリル料理を頂いたけど、意外とこういう料理って初めて食べる。何より鉄の鍋ってのがローカルな感じがして良い。
おわり
世界遺産に登録されている村はウラマナトだけですが、ここからさらに奥へ向かうと別の村も点在しています。そちらも負けず劣らずの絶景みたいなので、次は更なる奥地へと向かっていきます。