こんにちわ、わらびです。
長きにわたるイラン観光もいよいよ終盤。
長居しすぎてちょっとダレてきたけどアルダビール観光では外せない、むしろここを見なかったら他にどこを見るのか分からない。
世界遺産に登録されている「シャイフ・サフィー・アッディーン廟」を見に行きます。
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- ウラマナト
- アルダビール
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この記事の情報は2023年5月時点でのものになります。
もくじ
シャイフ・サフィー・アッディーン廟
「シャイフ・サフィー・アッディーン廟」は、サファヴィー朝の前身であるイスラム教神秘主義(スーフィズム)サファヴィー教団発祥の地。教祖のシャイフ・サフィー・アッディーンの霊廟を含む施設群が16~18世紀にアルダビールで作られました。
サファビー朝を興したシャー・イスマーイール1世やチャルディラーンの闘いの戦没者の埋葬地も兼ね、学校や病院といった生活施設の機能も付属。
霊廟に続く7つの階段は神秘主義の7つの段階を表し、8つの門は神秘主義の8つの態度を表しているそうです。
シャー・アッバース1世の中国の陶磁器コレクションや珍しい色使いのタイルなど見どころが多くあります。
「アルダビールのシャイフ・サフィー・アッディーン廟の歴史的建造物」として世界遺産に登録。
入場料
シャイフ・サフィー・アッディーン廟の入場料は1,000,000IRR(2023年5月)
どこに行っても安定の値段です。
※50万リヤル=1USD
注意点
敷地内にはカバンなどの大きな荷物は持ち込みが禁止されているので、チケットカウンターにあるロッカーに預けることになります。
カメラは持ち込み可能なので必要な場合は取り出すのを忘れないように。
ロッカーの使用は無料、鍵は自分で管理する形になります。
アッディーン廟の見どころ
シャイフ・サフィー・アッディーン廟は霊廟、学校、病院など多くのブロックに分かれ、それ以外にもアルダビールの歴史博物館も併設されています。
石碑や碑文の展示もありますが、主な見どころは以下の4つ
- アルダビール絨毯
- シャー・アッバース1世のコレクションハウス
- シャイフ・サフィー・アッディーンの霊廟
- 歴史博物館
地面に12カ所の溝が彫られた場所。
真ん中にはポールが建っていて、勘のいい方はもうお分かりかと思います。
そうコレは日時計…、
と見せかけて、この溝はイスラム教シーア派の12人のイマームを表したものと考えられているんだそう。
コーランの一節か何かが書かれた石碑?おそらく初期の構成パーツの一部。
アルダビール絨毯
ドームのあるブロックの床には巨大なペルシャ絨毯。
今までたくさん見てきてもう飽き飽きしているペルシャ絨毯でしたが、とにかくサイズが大きい。
イランで作られる中でも、アルダビール産のペルシャ絨毯は最高品質とされ、最も有名なものがロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館に展示されているものだそうです。
ここに展示されているのはロンドンにあるものとあまり変わらない大きさで非常に貴重なもの。
こんな巨大な絨毯を手作業で作るとなると一体何年かかってしまうのやら?
珍しい色使いのタイル
自分でいうのもなんですが、イランではいくつもの霊廟やモスクを見てきたため、それなりにイランのイスラム建築には詳しくなったつもりです。
あくまで詳しくなったつもりなので、実際に詳しいかは別の話。
とりあえず話を続けましょう。
イランのモスクのタイルは、青をベースに白や黒、緑、黄色など様々な色を使い模様を作り上げ、青の比率が大部分を占めているというのが基本。
ですが、シャイフ・サフィー・アッディーン廟のタイルの色使いは今まで見たことないものでした。
どれも青の比率が大部分を占めています。
一方でシャイフ・サフィーアッディーン廟のタイル。
黒や緑が目立ち、青の比率が半分以下なのではないでしょうか?
青を基調としたタイルは、夜空に瞬く星たちのようで美しい。
こちらの青が少なめのタイルもまるで、こう…、うまい例えが全然浮かばないけどキレイなんじゃないかと思います。
さらにこちらの部分、もはや青いタイルすら使われていません。
全部が全部変わった色使いというわけではありませんが、こんなの見たことない。今まで積み上げてきたイランのモスク建築の常識がここに来てぶち壊されてしまいました。
なぜこのような変わった色使いなのかは知りません。
しかし、非常に珍しいものなのは間違いないので見ることができて本当に良かった。今まで培ってきたモスクの経験値があったからこそ分かる、通ならではの見どころ。
…、とか言いつつ、別に珍しいものでもなく自分の勘違いだったらすごく恥ずかしい。
シャー・アッバース1世のコレクション
穴だらけの壁が金箔で装飾された不思議な空間。
もとは僧侶の集会場として利用されていた場所で、後にシャー・アッバース1世の蒐集した中国の陶磁器が並ぶコレクションハウスとなりました。
小窓から光が差し込み、壁や天井の金箔が黄金に輝く。
その下ではポツリと寂しく展示される陶磁器の入ったショーケースたち。ちょっとシュールな光景の幻想的空間。
漢字が書いてあるので思わず有田焼か何かかな?と勘違い。
世界中の権力者たちが欲した中国製の陶磁器。
当時の中国は朝貢という特殊な貿易体制をとっていて、中国産の品は流通量が少なく希少、高く売れるのでみんなこぞって欲しがったそうな。
中でもシャー・アッバース1世はサファビー朝の最盛期を築き、イラン高原を平定したため、時の中国皇帝から1200点にも及ぶコレクションを贈呈されました。
実は世界的な陶磁器コレクターだったシャー・アッバース1世。
シャイフ・サフィー・アッディーンの棺
霊廟の東側、コレクションハウスのすぐ隣、そこには漆喰や金箔で塗り固められた長方形のホールがあります。
ここはコーランの暗誦や暗記を行う修行場でこの奥にあるのがサファビー教団を創設したシャイフ・サフィー・アッディーンの棺。
天井や壁至る所に綺麗な装飾が施され、思わずこれを見ただけで満足して帰ってしまいそうになる超美麗空間。この霊廟では特に美しいエリアなので思わず恍惚の表情で棺を見ることなく踵を返すところでした。
最奥部に安置される木製の棺
サファヴィー教団の創始者シャイフ・サフィー・アッディーンのもの。
ここから通路を取って隣のブロックへ行くと
ガラスに囲まれ、象嵌細工が施された銀の棺、これがサファヴィー朝を建国したシャー・イスマーイール1世の棺。
壁は全て深い青のタイル、肖像も付いてます。
外から見てこの二つの塔の中、左がシャイフ・サフィー・アッディーン。右の塔にシャー・イスマーイール1世の棺が置かれています。
アルダビール博物館
一通り霊廟を見終わり最後にやって来たアルダビール博物館。霊廟とは何の関係もないアルダビールの歴史に関するものを展示しています。
なぜ霊廟の敷地内にあるのかは謎だし中は結構広い、しかも2階建て。
展示品は鉄器、陶磁器、書物、鎧などなど時代も数千年前の物から百年前のものまで多岐にわたります。
もうちょっと展示を充実させれば霊廟とは別で入場料取れそうなもの。
骸骨なんかもありますし。
おわり
霊廟内は結構広いので全部見て周っていたら2時間ほどかかりました。
まあどうせ暇なのでいくら時間がかかろうと問題は無いのですが。
それはそうと敷地内にはネコがたくさんいて、色んな所に入り込み高い所から見下ろしていたりとこれがまた可愛い。
ネコばかり追っかけているので2時間もかかってしまったんですけどね。