こんにちわ、わらびです。
リヨンから列車に乗ってやってきたスペイン巡礼の出発地「ル・ピュイ・アン・ヴレ」。
世界遺産に登録されているフランス4大巡礼路の中では、最も有名な「ル・ピュイの道」のはじまりの街。
翌日からついに始まる約2ヶ月1600km以上に渡る巡礼の長い長い道のり。
バックパックは2つで総重量は25㎏。
荷物の重さは体重の10分の1までに抑えるのが良いそうですが、自分の場合は体重の3分の1くらい。
別に前代未聞というわけではないけど、普通の人間では到底負荷に耐えることができない、あまり前例のないチャレンジが始まります。
それはさておき、この記事ではル・ピュイ=アン=ヴレでやるべき巡礼前日の準備について紹介。
■巡礼の荷物は何が必要?■
■いよいよ始まるスペイン巡礼■
もくじ
巡礼の出発地「ル・ピュイ=アン=ヴレ」でする準備
スペイン巡礼「ル・ピュイの道」の出発地ル・ピュイ=アン=ヴレ。
巡礼者はシューズや寝袋、必要な装備一式は揃えてからこの街に来ると思うので、実はル・ピュイですることはほとんどないと思います。
巡礼に旅立つ前にル・ピュイでやるべきことについて観光情報と共に紹介していきます。
巡礼手帳(クレデンシャル)
巡礼者の身分証明書となる「巡礼手帳(クレデンシャル)」
巡礼路上の宿泊施設や教会でスタンプを押し、自分の歩いた軌跡を記録するためのもので、これが無いと巡礼者用の宿泊施設(フランスではGite、スペインではAlbergue)に宿泊できず、サンティアゴデコンポステーラで巡礼証明書を発行することもできません。
巡礼手帳について詳しくはコチラ
巡礼手帳の買い方
巡礼手帳は日本でも購入することもできますが、現地で購入するのが一般的。
巡礼路上の観光案内所、教会、巡礼宿などで購入可能。
ノートルダム大聖堂の売店でも販売されており、店内にある申込用紙に氏名、住所、連絡先を記入しレジで発行してもらいます。
料金は5ユーロ、発行した手帳には自分で名前を記入する必要あり。
ホタテ貝
巡礼の目的地のサンティアゴ・デ・コンポステーラに祀られる聖ヤコブのシンボル「ホタテ貝」。これは基本的に現地でしか手に入らない巡礼地ならではのアイテムです。
クレデンシャルと違い必須ではありませんが、自らが巡礼者であることを示す重要なアイテムなので、ほぼすべての巡礼者がカバンにぶら下げ携帯しています。
こちらも大聖堂の売店で3ユーロで販売されています。
お店によっては十字架がペイントされたものなどあるので気に入ったデザインのものを購入しましょう。
登山スティック
ル・ピュイの道の序盤の方はかなりハードな山道。
長い距離を歩く上で足への負担を軽減する役割もあるので、本格的な登山スティックを使っている人が多くいます。
ル・ピュイ=アン=ヴレは巡礼の出発地なのでアウトドア用品店が充実しています。現地で購入するもの良いかもしれません。
巡礼者用の木の杖も売っていますが、ル・ピュイの道ではたいして役に立たず邪魔な荷物にしかなりません。
実質ネタ装備のようなもので使っている人は見かけませんでした。
巡礼路の確認
ル・ピュイの巡礼路の道順は赤と白2本のラインで示され、これが巡礼路の各所に書かれています。
巡礼者は大聖堂で行われる朝のミサに参加してから出発しますが、私は大聖堂から街を抜ける道が分からなかったので他の巡礼者が来るのを待っていました。
前日の内に観光するついでに道順を確認しておきましょう。
巡礼に役立つサイト
スペイン巡礼では役立つアプリやウェブサイトがいくつかあり、ル・ピュイの道を歩く上で最も役に立つのが「GRONZEcom」というウェブサイト。(スペイン側の巡礼路では「Buen Camino」というアプリが便利)
1日に歩く目安を1ステージとして、そのステージの距離、難易度、通過する村、レストランやマーケットの施設など記載されています。
特に宿情報は非常に細かく書かれているので、これを参考に泊る宿を決めましょう。
- 施設の設備(自炊設備、WiFi)
- 宿泊料金
- 夕食や朝食のサービス内容
- チェックイン開始時刻
- 宿泊可能人数(個室、ドミトリー、ベッド数)
- 連絡先(Email、電話番号)
非常に便利でル・ピュイの道を歩く上では必須となるウェブサイトなのでブックマーク推奨。
GRONZEcom(ルピュイの道)
ジットの予約
ル・ピュイの巡礼路、特に人気の高いル・ピュイ=アン=ヴレ~コンク間では宿が不足気味なのでジット(巡礼宿)の予約は必須。
上の項目で紹介しているGRONZEcomを使って目的地の宿を事前に予約しましょう。
私は序盤の宿の予約はしておらず、どの宿も満室で次の村まで歩くなど苦労しました。
巡礼者の多い夏季は前日では既に埋まっている可能性が高いので3日前までの予約がおススメ。
観光情報
ノートルダム・デュ・ピュイ大聖堂
旧市街から坂を登った先にあるル・ピュイのノートルダム大聖堂。
火山岩を使って作られた黒い外観の聖堂では、毎朝巡礼者たちを送り出すミサが行われる巡礼の出発点でもあります。
この大聖堂の見どころは主に3つ。
黒い聖母マリア像
大聖堂の祭壇に置かれたぱっと見デカイのように見えるものが「黒い聖母マリア像」。
列聖(死後聖人としての地位を得ること)された敬虔なカトリック信者のフランス国王ルイ9世が、大聖堂にこの像を贈呈したことがきっかけで、ル・ピュイ=アン=ヴレは聖地としての価値が高まり有名な巡礼の出発地となりました。
一度はフランス革命で破壊さてしまったので、今あるのは再建されたもの。
熱病の石
聖堂内の一室にある黒い長方形の岩盤。傍らでは聖母マリアが見守っています。
熱病の石というなんだか呪われそうな名前は、熱病に冒された女性が聖母から岩の上に横たわるよう言われ、実際に石の上に横たわると病が治ったという奇跡の言い伝えが由来になっています。
巡礼のミサ
ノートルダム寺院で朝7時から行われる巡礼者を送り出すミサ。
ミサが終了する8時になると、普段は閉まっている正面の門と聖堂内の鉄格子が開け放たれ、そこから巡礼者たちが旅立っていきます。
ミサには巡礼者以外でも参加できるので早起きして見に行ってみるのもいいかもしれません。
ミサは朝7時から8時まで行われ、参加無料。
ノートルダム・ド・フランス像
ル・ピュイの奇妙な光景を作り出すふたつの岩山は火山活動で隆起してできたもの。街の名前の「Puy(ピュイ)」というのもオーヴェルニュ地方では火山丘を意味する言葉なんだそう。
一番大きなコルネイユ岩山の上には巨大なマリア像「ノートルダム・ド・フランス像」が建てられています。
像の高さは16mあり、クリミア戦争で使用された大砲を溶かして作られました。戦車を溶かして作られた東京タワーみたいですね。
内部は空洞で頭部まで昇ることが可能。
コルネイユ岩山・入場料4ユーロ。
もう一つの小さい方の岩山、こちらは登るのが面倒だったので行きませんでした。
軍人以上に体力があるとはいえ、巡礼を翌日に備えはしゃいで体力を使うのはあまりよろしくないのである。
おわり
巡礼手帳にホタテ貝を購入しこれで巡礼の準備もバッチリ。
夕飯にスープパスタとワイン1本を飲み干し、翌日から始まる長い巡礼に備えます。
まあ宿の予約もしてないし、街から出る道順も分からないのですが…、なんとかなるさ!