スペイン巡礼完結!大地の終わり、霧に包まれたフィステーラ岬

こんにちわ、わらびです。

フィステーラの道に入ってから終わり終わりと言い続け、長編漫画のように展開を引っ張り続けてきたスペイン巡礼も今回で本当の終わり。

大地の果て、フィステーラ岬へ向かいます。

巡礼の終わり、フィステーラ岬

巡礼63日目。

今日で終わり、本当に終わり。明日からもう歩かなくと思うとせいせいする。

フィステーラの街の先には岬があり、かつてはそこが大地の最果てと信じられていました。

街の名前もここに由来しています。

名前の由来

ラテン語の「終わり|Finis」と「大地|Terrae」を組み合わせた「フィニステラ|Finisterrae」に由来し「地の終わり」「大地の果て」という意味があります。

街から岬までは約3km。

今まで歩いた道のりに比べるとほぼ無いに等しい距離ですが、いつも通り気合を入れて出発します。

しかも今日は荷物が殆ど無いと来たもんだ。

空はあいにくの雨模様。霧雨程度だったので雨具も何も持たずに出発したのですが、1km歩いたあたりから雨脚が強くなり、宿に雨具を取りに戻ることに。

悲しいかな無駄に歩く距離が延びる。

終わり良ければすべて良しなどと言うが、最後の最後で雨とはこれは中々のバッドエンドではないでしょうか?

気を取り直し、今度こそフィステーラ岬を目指します。

雨合羽を着てきたはいいけど、来た途端に雨がやみ霧が出てくる…

これは腹が立つ。

温厚なことで有名な私でなければ、そうですね…、どうなっていたのでしょう?

私は運が悪く、この世で最も信用しているのが自分の運の悪さ。あまりにも度を越えて運が悪いので、実質的な未来予知までできます。

これ冗談じゃなくて本当です。

どうせ今日も、雨具を脱いだらまた雨が降り出すと思うので、ちょっと蒸すけど雨合羽は着たまま進むことに。

歩いていると海が見える。霧が濃い。

フィステーラは霧が濃いことで有名なんだそう。

私の生まれた青森県も世界の最果てなどと呼ばれるような秘境の地で、そこにも竜飛岬という深い霧がでることで有名な場所がある。

フィステーラ岬も竜飛岬も霧が晴れると絶景という共通点があり、車を買って初めてのドライブが竜飛岬だったというのを思い出しました。

巡礼中何度も見た石碑も最後と思うと感慨深い。

岬まではあと1.253km

わずか3kmなので、ものの30分ほどで岬に到着してしまいました。

割とあっけなく終わる最後の巡礼路。

それでは霧が濃すぎて何も見えないけど岬へと向かいましょう。

ほう、これはこれは…

何も見えない…

晴れていると大西洋を望むことができるそうだが、視界は30mくらいしか無い。

冗談抜きで海が全く見えない。波の音はするんですけどね。

予想はしていたけど霧が濃すぎて全く視界が無い。自分が付いた途端に、奇跡的に晴れるんじゃないかと甘い考えを持っていたけど、全くそんなことはありませんでした。

期待はしていなかったけど世知辛いものである。

岬には観光バスでやって来たであろう観光客が沢山。

彼らもせっかく来たというのに残念なものだ。

そんな彼らに対し心の中で、

巡礼の歴史でも類稀なることをした私が通りますよー

と声を掛けながら通り過ぎる。

無論誰も私には興味は無いし、私も彼らに興味は無い。

いつもこうして無駄な事ばかり考えている。

ここが終わりであることを示す0,000kmの石碑。

全行程1,600km以上。

25kgという軍隊の演習よりも重い荷物を背負い、かつ休息無しで2か月間歩き続ける。

歴史上何人の人間か成し遂げてきたか分からない事を成す。

普通の人間であれば軽い荷物だけでも疲労が溜まり、どこか不調を抱え怪我と戦いながらの道のりになるはず。

一方自分はこれだけの高負荷をかけても運動不足気味。狂っているの一言に尽きる。

とうとう終わったんだな…

なんやかんやで、特に思うこところはない…

私はそういう人間なのである。

それにしても、帰りもあるかなきゃならない、心底面倒だ。

どうせ海が見えないんだしとっとと帰ろう。

まあー見えない!

海までほんの10mやそこらだというのに、霧が濃すぎるせいで海が見えない。

岬に来てからより一層霧が濃くなったようです。

別にいいや、目的は海を見ることではないし。

本当に、むしろ霧が出ていてよかったと思います。ここで長きにわたる巡礼の思い出を振り返るにあたり周りに海という綺麗な景色があると一体どうなると思いますか?ここでは雑念となり過去を振り返るのに集中できなくなっていたことでしょう。まず間違いなくそうなっていたことでしょう。視覚には綺麗な海、聴覚には波の音、嗅覚には潮の香り、触覚には吹き付ける海風、味覚は知らん。人間の五感の内の4つまでもが海に支配されるのです。これはもう海に入っていると言っても過言ではありません。そして海の中で過去を振り返ることなどできはしないでしょう?まあ入水している人だったら過去の事を振り返ったりしているんでしょうけど。人間の五感の中で最も重要で多くの情報を司る視覚が封じられていることで雑念に捉われることなく過去を振り返ることができるという訳なんですよ。晴れていても目をつぶればいいだけなんですけどね。

ああ、晴れていたらなんと良かったことか。

ここに来た本当の目的。

以前はフィステーラ岬では、巡礼者が靴を燃やしていくというのが習慣でした。

最近では安全性や環境への配慮も考慮され禁止されています。

それでも靴を燃やす巡礼者がまだいるようで、逮捕者も出ているそうです。

燃やすのはダメだけど、靴を置いていくのは…、良いのかな?

他にも靴や衣類が置いて行かれているので多分大丈夫か?

自信は無いけど。

2か月間お世話になったノースフェイスのランニングシューズも、この大地の果てに置いてくことにします。

さらばトルコで買った27000円の靴。

人生で買った靴の中では一番高かったけど使ったのは最短の2ヶ月。

2ヶ月しか使っていないとは思えないほどボロボロ。私の巡礼の道のりがいかに過酷だったのかが分かるかと思います。

これにて私のスペイン巡礼は本当に終了。

多分もうやることは無いでしょう。

とりあえず、フィステーラの街に戻ったら美味しいシーフードでも食べましょう。

おわり

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