【巡礼5~7日目】ナスビナル~コンク。自分の異常性に気付く

こんにちわ、わらびです。

今回の記事はスペイン巡礼「ル・ピュイの道」を5~7日までに歩いた時の様子。

7日目はル・ピュイの道のハイライト、フランスで最も美しい村とされる「コンク」へと到達します。

コンクの観光記事

巡礼5~7日目の道のり

5日目、異常事態

巡礼5日目。

この日の朝ご飯兼昼ごはん。

朝ごはん食べないポリシーとか言っておきながら、もう普通に食べるようになりました。

このバゲット、夕飯用に購入し余った分は次の日の朝と昼ごはんとして食べる、そして夕飯用にまた買い足す。

自分だけの巡礼サイクルが完成しつつあります。

標高が1000m以上なので朝はかなり寒い。

どうせすぐ脱ぐことになるけどフリースを着る。

私は自分で体温調整をできる、優秀な巡礼者なのである。

5日目は朝からのどかな草原の中を歩いていますが、一体どこだと思いますか?

周りにはたくさんの牛がいますね?

牧場の牛が放牧されている柵の中で御座います。

見て分かる通りすぐそこに牛がいて、牛との間には柵も何もありません。

牛さんたちを刺激しないように「そろり、そろり」と狂言のように歩いて行きますが、普通に気付かれ、何頭かは「何だコイツ?」みたいな顔で見てきました。

それどころか興味を持ってついてくる牛もいました。

怖い…

牛にゆっくり追いかけながらしばし歩き、牛止めの柵で見事振り切ることに成功。

なかなかスリリングな経験でした。

前から薄々気付いていたが、本日とうとう自らの異常性に気がつく。

荷物が多いのもそうだけど、単純に休憩を取らない。

私は朝そこまで早く出発しないので、出発時点で多くの巡礼者が先を歩いている。

歩くのが早いのもあるが、道中休憩する巡礼者たちに「ボンカミーノ!」と声をかけ次々と追い越していきます。

毎日他の巡礼者たちが道中休憩しているのを見て疑問に思っていたが、普通は何キロも歩くとなると休憩するものなのだ。

自分の場合は全く疲れないので休憩しない。

疲れたら休憩すると思うが、疲れることがないので休憩しない。

人間とは本来、数キロ不整地を歩いたら疲れるものなのだ。

そして異常なまでの登坂能力。

巡礼路には途中何ヶ所も急な坂道があり、中には足場が悪くそれが数百メートルに渡って続くこともある。

若くて体力のある巡礼者ですらストックをフル活用し途中休憩をはさみながら登っていく。

しかし私はどうだろう?

どんな急で足場の悪い坂道ですら平地と何ら変わらない速度で登ってゆく。

それも25kgの荷物を背負って、先行する巡礼者を次々追い越す。

多少息は上がって汗もかくが、登りが終わると数十秒で整う。

他の人から見るとかなり異常らしく、まさに並外れた体力と筋力を有する巡礼路の怪物みたいなもの。

この日からは宿の予約もして1日に歩く距離が予め決まっているので、早く着きすぎないように休憩を挟みながら進みます。

途中通り過ぎた村「Saint-Chély-d’Aubrac|サン・シェリー・ドブラック」。

これからしばらくこのような美しい村がいくつもあるそうです。

これからさらに、「フランス1美しい村」とまで称えられるコンクが待っているので否が応でも期待が高まる。

相変わらず道がぬかるんでいて悪い。

泥道を歩くと靴の裏に泥が引っ付いて足取りが重くなる。ル・ピュイの道はこんなのばっかり。

おかげで靴が汚い。

まだ履き始めて1週間ぐらいなのに。

いちいち小さいことを気にする巡礼路の怪物であった。

今日の目的地「Saint-Côme-d’Olt|サン・コーム・ドルト」に到着。

予約した宿にチェックイン。

いちいち宿の空きを確認する必要ないのがなかなか気分が良い。

しかしこの村中々に雰囲気が良い。

チェックインを済ませてから観光に出かけようにも、この地域の夕方の天気は非常に不安定。

だいたい毎日4,5時あたりから土砂降りが1時間ほど降る。

この土砂降りのせいで巡礼路がぬかるんでいるみたい。

近くのスーパーに行ったらそこで雨が降り始め1時間ほど立ち往生。

ここで晩御飯のサンドウィッチも食べてしまうことにしました。

雨が止んだら公園で晩御飯の続きのビール。

原料が麦なので実質パンだと思っている。

川を越えた場所からの眺めが抜群に良い。

フランスの聞いたことも無いような田舎にこんな綺麗な場所があるなんて…、

巡礼に出なければまず訪れる機会が無かったと思います。

移動距離

5日目

ナスビナル→サン・コーム・ドルト:32.8km
総動距離:151.2km

巡礼宿情報

宿情報
名前Gîte d’étape del Roumiou
住所2 rue Brûlée, 12 Rue Crémade Anciennement, 12500 Saint-Côme-d’Olt, フランス
料金ドミトリー、17ユーロ
設備WiFi、有料の夕食サービス、キッチン使用不可

毎日歩くのにも慣れ、とうとうまともに疲労すら感じなくなってきました。

少なく見積もっても軍人並みの体力があることは確かであることが判明。

6日目、お酒のために

巡礼6日目。

本日は20kmほど歩く予定。今までで一番短い距離。

早く着きすぎても宿にチェックインできないので、道中時間をつぶしながら進みます。

とりあえず、村を出て小一時間ほど山を登ります。

なんとなく、木霊がいそうな山道。

山の上からの眺め。

どうでもいいが、サン・コームドルトから隣の村エスパリオンまでは山道を登って巡礼路を歩くと8km。

道路を歩くと3kmほど。

楽をしたければ道路を歩くという方法もあります。

山頂から街を見下ろすマリア像。

洗濯物をぶら下げたバックパック×2と記念撮影。

今更だけどこんなデカい荷物背負って山を上り下りするなんて正気じゃない。

ここから山を下ると、

隣の村「Espalion|エスパリオン」。

川のほとりに佇む石造りの建物が美しい。

どうせだったらこっちに宿をとればよかったかな?

さて、エスパリオンを過ぎると…

まあ巡礼路から大幅に逸れているのですがスーパーマーケットにやって来ました。

わざわざ巡礼路を逸れてまで寄った理由は酒!

やはり大荷物を担いで歩いているとかなりの量の汗をかくので、水分補給もかねてビールを飲むようにしています。

さすがにワインとかは山道歩く以上はちょっと危険なので控えている。

私は危機管理のできる巡礼者なのだ。

今日の移動はわずか。

全然大したことない距離なので、余裕ぶっこいてビールを2本。

ちゃんと忘れずスナックも購入。

ビール2本と合わせて3ユーロほど。

300mlのコーラが2ユーロもする巡礼路上の売店に比べるとはるかに安い。

さすがはスーパーマーケット。

こんな感じで毎日不良巡礼者やっています。

そして、この日の移動距離はたったの20km。

20kmを「たったの」と表現していますが、実際に巡礼を行うと距離感がバグってしまいます。

巡礼から半年以上経った今でも、10kmくらいであれば普通に歩きます。

なんせ「たったの」10kmですから。

この日の目的地「Estaing|エスタン」。

今日の村も随分と美しい。

あわよくば、辺鄙な青森県ではなくこんな村で生まれたかった。

ふむ、良い村だ。

翌日はル・ピュイの道で最大の見どころコンクに向かうので、たいして疲れてはいないけど早めに就寝。

移動距離

6日目

サン・コモドルト→エスタン:21km
総移動距離:172.2km

巡礼宿情報

宿情報
名前Gîte communal d’Estaing
住所place du foirail, 12190 Estaing, フランス
料金ドミトリー、16ユーロ
設備WiFi、自炊可能なキッチン
備考自治体運営の巡礼宿で夕方18時に職員が帰宅するので、それまでにチェックインを済ませる必要あり

7日目、コンクへの道のり

巡礼7日目。

本日の目的地は、ル・ピュイの道で最も人気のある村「コンク」。

巡礼以外でも旅行者が多く訪れる「フランス一美しい村」との呼び声高い場所。

ル・ピュイ=アン=ヴレから歩き始めた巡礼者の中には、コンクで巡礼を終えるという人も結構いるくらいで、いわばル・ピュイの道のハイライト。

朝から気合を入れてイランで購入したサフランを粉にして、サフランウォーターを作って飲む。

しかも2杯。

いつもは優雅に紅茶を飲んでいるけど今日は気合の入りようが違います。

サフランにどんな効能があるかは不明だけど、今日はいつもより頑張れそうな気がする。

エスパリオンに別れを告げて少し早めにし出発。

この日の移動は35km。

コンクには早めについてゆっくり観光したいのであります。

エスパリオンを出てからしばらくきつい登りが続く。

それにしても霧が濃い。

いくらきつい坂といえ、異常な登坂能力を有する自分にとってこの程度なんてことは無い。

そこが坂道とは思えぬほど軽やかに歩く。

そして、坂を登りきると…

まさかの雲海!

濃い霧の正体は山間に滞留した雲海だったのでした。

またもや美しい石造りの村。

だが、コンクを前にこんな村見てる余裕なんて無い。

先へ、先へと歩を進める。

少し遠くに雨柱が見える。

6月のこの地域は、昼過ぎと夕方頃に必ず雨が降る。

コンクまであとちょっとだけどなんだか嫌な予感がする。

どうか、どうか今日だけはこっちにだけは来ないでくれ…!

(フラグ)

すぐそこで雷鳴が鳴り響く中、奇跡的に風向きに助けられながら豪雨と豪雨の間をすり抜けていく。

あれ、行けんじゃね?

と思ったがそうは問屋が卸さなかった。

まあやっぱり降ってきますよね。

とりあえず雨具を着るのが面倒なので、木陰で雨宿りするも雨脚は強まるばかり。

木陰ガードも貫通するようになったので近くの教会でしばし足止め。

コンクまであと2kmほどだというのに、ついていないな。

しかし偶然近くに教会があったことに関しては無神論者だけど神に感謝。

1時間ほど待ってもやまない雨。だけど小降りになってきたので再出発。

午後4時、とうとうコンクに到着。

到着後また強くなり始める雨。せっかくのコンクだというのにあいにくの空模様。

やまない雨は無いとかどうとか言うが、今すぐ止め。

頼むから観光させてください

と、都合の悪い時と腹痛の時だけ神に祈りを捧げる無神論者。

とりあえず、今日は大きな修道院に宿泊します。

修道院では自炊もできないので、雨が止み次第巡礼中初めての外食へ。

移動距離

7日目

エスタン→コンク:34.9km
総移動距離:207.1km

巡礼宿情報

宿情報
名前Saint Faith Abbey Church of Conques
住所Prieuré Ste Foy de Conques, 12320 Conques-en-Rouergue, フランス
料金ドミトリー、12ユーロ
設備WiFiなし、有料の夕食サービス
備考サントフォワ修道院が経営する巡礼宿

総移動距離が200kmを越えて7日目が終了。

一般的なペースだとここまで来るのに10日かかるそうです。

それとコンク以降は景色も村の風景も普通になってきてあまり楽しくないみたい。

翌日以降は、本当にただただ歩くだけ。

酒を飲みながらね♪

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