ボンジュール、セわらび。
現在フランスにてワインとサラミと共に頂きながらこの文章を打っています。
明日から2カ月かけて1600kmほど歩く予定なのですが、始まる前から面倒になってきました。
それはさておき、今回はテヘラン観光で訪れた「ゴレスターン宮殿」について紹介です。
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この記事の情報は2023年4月時点でのものになります。
テヘラン観光最終日開始!
テヘランに来て3日目、最終日の朝。
現地の物価の安さに驚きを覚えつつお金の数え方にも慣れてきた頃、テヘランでは何をしようかとここにきて初めて観光情報について調べてみることに。
何というか、亀の歩みの如し遅さである。
亀の歩みより遅いWiFiで軽く調べてみると、テヘランには世界遺産に登録されているというゴレスターン宮殿があることが判明。
正直だるいけど世界遺産と聞いたら行くしかありません。
しばらくダラダラして、バスターミナルへ翌日のチケットを買いに行きお昼ご飯を食べて気づいたら午後3時。
老人の体感する速度で1日が終わっていきます。
さすがにあまり時間が無いので急ぎ足でゴレスターン宮殿へと向かいます。
カジャール朝の最高傑作ゴレスタン宮殿
「ゴレスターン宮殿」というのは、18世紀に成立したカジャール朝によって作られた宮殿で、初期ペルシア工芸品と西洋建築技術が融合してできたカジャール朝の最高傑作とされています。
中庭を取り囲むように建てられた宮殿内部には鏡が散りばめられた非常に豪華な造りで、高価な宝飾品も特徴です。
ペルシア文化と近代建築が融合した新しい様式の代表例なんだそう。
「ゴレスターン宮殿」として世界遺産に登録。
余談ですが、名前について「ゴレスタン」と「ゴレスターン」のふたつありますが、正しいのは伸ばし棒の付いてるゴレスターンの方です。
まあ、ペルシャ語のできない普通の人には分かんないか(笑)
ハハハッ
………
……
ペルシャ語できるからってイキってすみませんm(__)m
入場料とアクセス方法
ゴレスタン宮殿の入場料は外国人が8500000イラン・リヤル。
約17ドルです。
イランの観光地には現地人料金と外国人料金があり、観光地のレビューではよく高い高いという書き込みを見かけます。
まあ確かにイランの物価からしたら多少は高いのでしょうが、
グダグダうるせえ、てめえが高い高いしろや
って思いますね。
日本では古くから文化財保護への取り組みが行われ、入場料はあくまで施設の運営や修繕費に充てられてきたので、外国人料金とかないしあからさまな金儲けもしていない。だからこそ高く感じてしまうんでしょうね。
参考までにですが、イラン国内の観光施設の入場料はほとんどが2ドル。
そう考えるとやっぱり高いですね。
もう高い高いなんて次元ではありません、お財布が他界他界してしまいます。
そして、ゴレスタン宮殿は入り口が非常に分かりにくい。
入場ゲートは2か所あり、一つはメインゲート。広場の端っこの方にひっそりと開け放たれた門があります。
これが本当にわかりづらく宮殿の周囲を1周してしまいました。
宮殿の東側の通りからの入場口もありますが、そちらは現金不可のカード払いのみ。
入り口を探しているとき偶然見つけたのでここから入場しようとしましたがカードが無いので入場拒否。現金派にはとことん厳しいイランという国。
地下鉄もバスも現金では乗れないので基本的に観光客は使うこともできないんですよ。
謁見の間
ゴレスタン宮殿は庭を囲むように複数の宮殿があり、メインの入場ゲートを抜け目の前に見えてくるのがこの建物。
綺麗な装飾が施されています。中央には白いカバーに覆われ歴史的建造物にありがちな改修作業中かと思いきや…
中は一面鏡張り。
なるほどね、陽が射しこんで眩しいからカバーをしている訳だ。
何か既視感があると思ったらインドでも似たような鏡張りの装飾が施された宮殿を見たことがありました。
インドはイラン文化の影響を大きく受けているので宮殿なんかはイランと似た作りをしています。
天井にも鏡が。この中にアホ面で天井を見上げている自分が映り込んでいます。
なぜこんなにも鏡が散りばめられているかというと、「高貴な地位の人間はいついかなる時も身なりに気を遣う必要がある」という考えのもとからだそうです。
今適当に考えた嘘なんですけどね。
しかし何故なんでしょうね?
多分綺麗だからかな。
ガラス細工以外にもステンドグラスや大理石の彫刻もあり、どれも素晴らしい出来栄え。
隣には壁一面に絵が描かれた部屋もありました。
カジャール長の歴代当主や家族の絵でしょうか?
あまり節目とかが無いので分かりません。
博物館
鏡張りの宮殿で自分の醜さをいやというほど見せつけられ次へ向かいます。
途中綺麗なタイル張りの小部屋がありました。
凄く繊細なタッチで描かれた絵とモザイクタイル。
これがペルシャの工芸文化のようです。特にペルシャのモザイクタイルは非常にキレイなので大好きです。
将来もし家を建てるならトイレの壁とかにつけたいものでありますな。
宮殿には大理石もよく使われていますが、こちらのやる気の無さそうななんかの動物の彫刻、光が差すと透けるんですね。
恥ずかしながら大理石とは無縁な生活をしてきたため知りませんでした。
これに関しては玄関わきの謎の置物にしたいところであります。
次にやって来たのが博物館になっている建物。見た目に宮殿のような派手さはありません。
肖像画やカージャール朝ゆかりの品々が展示されています。
カジャール朝創始者「アーガー・モハンマド」の王冠。「アーガ―」というのはペルシャ語で男性に対する敬称のようなもので英語で言うMrに相当します。
銅の上からエナメル加工されペイントが施されています。イスファハーンの伝統工芸の「ミナ―カーリー」で作られています。
一番豪華な宮殿
次、これまた鏡張りの宮殿です。ここが一番豪華な作りです。
名前はちゃんとあるのでしょうが、日本語で調べても出てこない。ペルシャ語で検索すれば確実にヒットするのでしょうがいかんせん今ワインを一本飲んだばかりだからダルい。
複数の言語を扱う猛者なら理解できると思いますが、いくらできるといっても母語以外を使う時って結構集中力がいるんです。
私の場合はこれが6つもあるというのだから大変の極み。
すみません、またイキってしまいましたm(__)m
青い袋を足に装着しレッドカーペットを登っていきます。
階段を上った先の部屋には大広間。
貴族とかが舞踏会やってるようなイメージのある場所です。
しかし本当に凄い、「贅の限りを尽くす」というのはこういうのを言うのでしょう。
鏡張りの天井や彫刻、床に施された色彩タイル、調度品の一つ一つに至るまでイランの伝統工芸が使われています。
大広間を抜けると絵画や陶器の展示スペースになっています。
これらは主に海外からの蒐集品になっているようです。
でここで特に珍しいのがこの大きな漬物石…、ではなくまさかの隕石。
イランで発見されたものが宮殿に展示されています。
海外どころか地球外からの蒐集品。
次の部屋に来ましたがまたまた鏡張り。
確かに綺麗ですが、もしここで生活するとなったら絶対に落ち着かないでしょうね。
天井を見上げてみると、
おそらく昔は無かったであろう空調設備。
宮殿の内装に合わせ鏡張りにして作られたのでしょう。
そしてこの部屋にも収集品が展示されています。
そして日本からの品物もあります。
コチラ「Fire Protector」だそうです。
当然見てわかる通り防火性能などなく何なら真っ先に燃える素材でしょう。
これを見た外国人は日本のまじない的なものを思い浮かべたり忍者のスーパーアイテムとか勘違いするでしょうけど、見た感じ和室とかに置かれてる衝立で、おそらく「日除け」を「火避け」と誤訳してしまったのでしょう。
正しくは「Sun Shade」かと。
シャムス・アルマアラ
次の宮殿はふたつの塔が特徴的なコチラ「シャムス・アルマアラ」。
外からでもちらっと見えていますが鏡張りです。
鏡を一面に散りばめ凄い豪華な事なんでしょうがぶっちゃけ飽きてきました。もう帰っちゃおうかなとも思いましたが、踵を返すことは出来ません。
ぐっと踏みとどまり歩を先へと進めなければなりません。
ここまで自分を突き動かすのは17ドルの入場料。
一応金額には納得し支払っていますが、やっぱり途中で帰るのはもったいない。
獅子と太陽。
獅子は男性を意味し太陽は女性を意味します。
古くからペルシャ文化圏で用いられてきたシンボルでイランの古い国旗にも使われていました。
ウズベキスタンのサマルカンドでも同じものを見た記憶があります。
帰るわけにはいかないが、かといって今さらじっくり見るのもちょっときついのでチャチャっと流し見していきます。
なんたってどこも同じ鏡張りですからね。
違いが判らねえ。こういう時こそガイドさんの出番なんでしょう。
出てきたらネコがいました。
ここで最後になります。
もはや気力も限界、ですが一歩足を踏み入れると…
おっと?
ここはステンドグラスが綺麗だぞ。少しテンションが上がったのでした。
ステンドグラス越しに差し込む光の美しさも相まって今まで見てきた鏡張りの部屋とは少し違った雰囲気を感じます。
鏡張りはもちろんですが柱の装飾や絵画などあらゆるものが美しく見えてきます。
そうか…、今まで自分が見ようとしなかっただけで世界とはこんなにも美しかったのか…
というのは少々大袈裟ですが、最後の最後でペルシャの工芸技術の美しさを実感しイラン観光一カ所目のゴレスタン宮殿観光はお終いです。