おばんです。わらびです。
この「おばんです」という挨拶は北海道の方言で、「こんばんは」という意味なんです。ですが青森県でも普通に使われている挨拶なので注意。
それ以外にも「うるかす」。
さて、青森県民アピールもしたところで本題へ参ります。
今回は、カーシャーンにある世界遺産のペルシャ式庭園のひとつ「フィン庭園」へ訪れた時の様子について書いていきます。
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この記事の情報は2023年4月時点でのものになります。
ペルシャ式庭園「フィン庭園」
カーシャーンには、ペルシャ式庭園として世界遺産に登録されている庭園のうちの一つである「フィン庭園」があります。
この庭園は、サファヴィー朝の最盛期を築いたアッバース1世の命によって建設され、その後複数回の拡張工事を経て現在の姿となりました。
紀元前6世紀のアケメネス朝ペルシアの初代皇帝キュロス2世の時代の造園様式が起源といわれ、西はスペインのアルハンブラ宮殿、東はインドのタージ・マハルまで非常に大きな影響を与えた庭園様式です。
イランにはカーシャーンを含めイスファハーン、ヤズド、シーラーズなど主要な観光都市にあるので訪れた際は忘れずに見ておきたいところです。
料金とアクセス
フィン庭園は街の中心から7kmほど離れているので歩いていくのは難しい。一応ローカルバスに乗って行くという方法もありますが、イランの公共交通機関は基本的に現金払い不可。
クレジットカードのタッチ決済のみでの支払いが可能なんですが、経済制裁中のイランではVISAやmasterカードは使えません。
外国人はローカルバスなどを使えないと考えたほうがよさそうです。
なのでタクシー一択になりますが、普通の黄色タクシーだと大体2ドル、イランの配車アプリ「Snapp」を利用すると0.6ドルほどです。
庭園の入場料は100万イラン・リヤル。桁が大きいですが2ドルです。
フィン庭園観光へ
さあ、いざフィン庭園へ!
…行こうとした矢先、前の日にバザールで出会った地元の人にパレスチナ解放デモに連れてこられました。
何故だ…?
正直、政治と宗教が絡んでいるイランでこういう場所にはあまり来たくない。
イランでは、パレスチナ問題に大きく関わるイスラエルのことを小悪魔と呼んで敵対視しています。アメリカのことは大悪魔と呼んでいます。
そしてなぜだかこのイラン人と共にフィン庭園へ行くことになりました。
イラン人とフィン庭園観光の始まりです。
料金を2ドル支払い入場すると……
同行するイラン人は何故か他の観光客へ話しかけて次々と私と連絡先を交換させるではありませんか?
他の都市から観光に来ているイラン人も多いのですが、その人達のいる街に行ったら案内してもらえという事らしいです。
気持ちはありがたいのですが、観光そっちのけで連絡先を交換させるのでメインの庭園はあまり見れない。当然相手からすれば親切心のつもりなんでしょうが、こちらの事情を無視してそもそも話を聞きやしない。
私は人の話を聞かない奴が大の苦手なのである。
隙を見てはこそこそと写真を撮って庭園を観光していきます。
チャハールバーグ(四分庭園)
庭園は水路によって4つに区切られています。これは「チャハールバーグ(四分庭園)」と言われ、エデンの楽園、ゾロアスター教の基礎である「天、地、水、植物」をイメージして造られています。
フランスのヴェルサイユ宮殿でもこの四分庭園が用いられているそうですが、タージマハルやアルハンブラ宮殿といい、世界の有名建築まで使われているとは。イランの歴史的影響力には驚かされます。
ちなみに、庭園様式ではありませんが、日本の寺院にもペルシャ様式が取り入れられています。
地下水路システム
庭園にある池や噴水の水は、数キロ先の水脈から地下水路を通り運ばれてきています。
これはイラン発祥のカナートという取水方法で、乾燥した地域でも水を蒸発させることなく遠くの街や畑に届けることが出来ます。
あまり詳しくは分かりませんが、シンプルにすげえなって思う。
こちらの噴水よく見ると、
お金が投げ込まれています。
どこの国でも噴水にお金を投げ入れるのは同じですが普通に紙幣も投げ込まれ、更にはカードらしきものも投げ込まれています。
おそらく交通系のカードとかなんでしょうが、キャッシュレス化の進んでいるイランらしい光景ともいえるかもしれません。
宰相の暗殺現場
フィン庭園には浴場も隣接しているのですが、そこは、ガージャール朝時代の宰相「アミーレ・キャビール」が暗殺された場所。
この方は、ペルシャの近代化を推し進めた人物なんですが、この改革に反発するものも多く、当時彼が仕えていたシャー(イランの国王)もその一人。宰相の任を解かれカーシャーンに飛ばされ、最終的には国王の送った刺客によってフィン庭園の浴場内にて暗殺されました。
浴場内にはアミーレ・キャビールが暗殺された状況を再現した模型もあります。
再現模型を見る限りでは、暗殺というよりは、王の命令を受け入れたような感じですかね?
ハマムを見てフィン庭園観光はお終い。
同行していたイラン人は案内する訳でもなく、先を急かすばかり。どう考えても1人で来た方が良かった、と思わせるくらいには迷惑な方でした。
この方からは、イラン滞在中は毎日のように電話がかかってきて非常に迷惑。知り合わなければ良かった…
関わらなければきっといい人なんでしょうけど。