こんにちわ、わらびです。
長かったスペイン巡礼も残すところあと僅か。
ずっと山ばかりで飽き飽きしていましたが、とうとう61日目にして海の見える街ムシアへと至ります。
巡礼60~61日目の出来事
60日目、高床式倉庫?
巡礼60日目。
朝は霧が出ていてとても寒い。
もう夏だぜ?
何で気温が10℃台なの?
青森県かよ。
普段はバックパックの底から取り出すのが面倒という理由で上着なんて着ることがないのだけど、流石に我慢できずフリースを着用。
暑かったら脱ぐ、寒かったら着る。
私はしっかりと自己管理のできる巡礼者なのだ。
これがガリシア地方の朝焼け。
美しい光景です。
この景色は数百年、いや数万年変ることなくこの地を照らし続けてきたのだろう。
巡礼中には幾度かこのような朝焼けに遭遇してきたがいつ見ても美しい。
何故この光景に人々は引き付けられるのか?
朝日とは古来より、希望や始まりの象徴として崇拝されてきました。
夜という暗闇は、人間の本能的な恐怖から、邪悪なものや悪の跋扈する時間。
その暗黒を打ち払い、人々が踏み出すべき大地を照らし出す。それが朝陽なのである。
とりあえず、終盤なので唐突に何かそれっぽいことを書いてみる。
サンティアゴを過ぎてから、屋根に十字架のある小さな小屋のようなものを見かけるようになった。
ガリシア地方の穀物貯蔵庫らしい。高床式だ。
初めて見た時は納骨堂か何かと思ったけどそんなわけないよね。
一家にひとつとまではいかないけどとにかく至る所で見かける高床式倉庫。
さあ休憩だ!今日はビールではなくエナジードリンク。
あまりエナジーは必要ないけど久しぶりに飲みたくなってしまった。これがお昼ご飯。
思い返してみれば、巡礼中はまともに昼食を取ったことが無いような?
いつもバゲットをつまむか、ビールを飲んでスナック菓子を食べるかそのくらい。そして基本的に朝食も食べないときた。
出力に対して消費エネルギーが圧倒的に少ない。
高出力、省エネルギー、超耐久。
どうやら私の肉体は夢の次世代機関だったようです。
宿泊する予定の村「オルベイロア|Olveiroa」ではお祭りが行われていた。
宿にチェックインしようとしたところなかなかスタッフが出てこないので痺れを切らし次の目指すことにした。
その前にいったん引き返してバルでビールを購入。次の村とてもは小さく商店などは無いのである。
330mlの缶ビール3本を追加し1kg重くなった荷物と共に山へと登る。
しかし海に向かっているというのに驚くほどの山っぷり。
目的地の「ロゴソ|Logoso」は民家が数件あるのみの今までで一番小さな村。
まるで自分の故郷のようだ…
いや、電気も電波もあるしだいぶマシだな。
食料を買える場所なんて無いので、余っていたお米とタマネギを煮込んだ非常に質素な夕食となる。
前の村でビール買ってきてて本当に良かった。
移動距離
ネグレイラ→ロゴソ:38km
総移動距離:1,579.4km
巡礼宿情報
宿情報 | |
名前 | Albergue O Logoso – Dumbría |
住所 | Logoso 12, 15151, A Coruña, スペイン |
料金 | ドミトリー、14ユーロ |
設備 | WiFi、自炊可能なキッチン |
61日目、海…!海っ!
巡礼61日目。
今日でちょうど2ヵ月目。
これは人によるのでしょうけど、自分の中では30日と31日の月が交互に来るイメージなので61日で2ヶ月なんです。実際にちゃんと交互に来るわけではないんですけど概ねそんな感じですので。
ちなみに、31日ある月とそうでない月の覚え方は、「西向く士(にしむくさむらい)」、士で「さむらい」と読みます。
31日ない方の小の月の「2,4,6,9,11」を語呂合わせしたもので、一年の中で最も短い2月から始まるので、大の月と混同することもありません。
と、まあちょっと役立つ豆知識を紹介しましたが、本日とうとう海のある街ムシアへと赴きます。
今ままでずっと山ばかり、ぶっちゃけ凄い飽きています。
高床式倉庫ばかりで変わり映えのしない山間の集落はすっ飛ばして、まずは今日の朝ごはんから。
コチラになります。
……
…
そうですねビールです。
あと豆のスナックとチョコドーナツ。ちゃんと糖分も補給できてて偉いですよね?
この栄養バランスには給食センターの人たちもビックリ。
その日一番最初に口にするのがビールとかスペイン巡礼中はよくありました。
こんな日々も明日でお終いと思うと少し寂しいものであります。
朝ご飯を食べた後ほろ酔い気分で歩いていると、正面から犬を連れて歩く村人とすれ違う。
その際、何故か犬の方だけ自分に付いてきちゃった。
すれ違う相手にくっつくなんて君はボンビーかな?
しかも村を出てもずっとついてくる。
あれかな?ドーナツ持ってるからかな?
残念ながら自分のご飯を分け与えるほど人間出来ていないんだ。ごめんね。
1kmほど歩いたところで帰っていったけどちゃんと帰れたかな?
犬と別れてしばらく、もう見飽きてなんとも思わない山道を歩いていると、遠くからザザーンと微かな音。
これはもしや⁉
嗚呼っあああゝアアア海じゃあああ!
これはテンションがはちきれんばかりに上がります。
青森県の内陸で育った私にとっては幼少の砌より海とは非日常の象徴。遠足や家族旅行でしか訪れることのできない特別な場所。
家族で海なんて行ったことはないのですが。あれは確か十和田湖でしたね。
少し離れた場所からでもわかる潮のかおりと波の音。
実際鼻が詰まっているので匂いは分かりませんが、紛う事なき海。類稀なる海です…??
海がちらっと見えたと思ったら再び山道へと。ですが、遠くに聞こえる波の音がしっかり海の存在を認識させてくれます。
見えずともそこにしっかりといる安心感。
ムシアは半島にできた街。海に囲まれた良い雰囲気の街である。
見たらテンションが上がるだけで、海派か山派でいえば、そもそも外出したくないのでどちらでもない。
スペイン巡礼という超が付くほどアウトドアなことやっておきながら、これといって別にアウトドア派ではないのである。
かくして海の見える街に到着したのであった。
移動情報
ロゴソ→ムシア:29.2km
総移動距離:1,608.6km
巡礼宿情報
宿情報 | |
名前 | Albergue De Peregrinos de Muxía |
住所 | Rúa Enfesto, 22, 15125 Muxía, A Coruña, スペイン |
料金 | ドミトリー、8ユーロ |
設備 | WiFi |