こんにちわ、わらびです。
フィステーラの道にはふたつ終点があるとされ、ひとつは大地の果てフィステーラ岬。
もうひとつは、聖母マリアが降臨したという伝説のあるムシア。
両方とも巡礼標識の0キロポストがある、まさに巡礼の終わりにふさわしい場所といえるでしょう。
今回はスペイン巡礼の終点のひとつ、ムシアを観光していきます。
終わりの地、ムシアを観光
巡礼の終わりの地ムシア。
周りは海に囲まれた半島の街。
海の街といえば…、
そう!
美味しいシーフード料理ですね。
持論ですが、海沿いの地域で食べるシーフード料理が一番美味しい。
ムシアでは、街を歩くとそこかしこで魚介を売りにしたレストランが軒を連ね、危うく入ってしまいそうになるけどここは、ぐっとこらえて我慢。
何を隠そうシーフード料理は私の大好物。特にエビ。
シーフードこそがこの巡礼の締めにふさわしく、それは明日のフィステーラまでの楽しみとして取っておくとして、今日はピミエントスデパドロンを食べることに。
シーフード料理の代わりといっては何ですが、ピミエントスデパドロンもつい最近自分の大好物になったばかり。
どちらも優劣つけがたい至高の逸品。
別に妥協したということにはならない。
ムシア岬
ムシアの街の北の端、そこには巡礼の終わりを示す0kmポストがあります。
自分の巡礼は明日のフィステーラで終わりを迎えますが、来たからには行かない訳には行きません。
私の巡礼はまだ終わらない!
半島の北の端。灯台と教会が建てられ、何軒かお土産屋がある質素な場所。
ここには、聖母マリアが降臨したという伝説があり、巡礼の終わりの地のひとつでもあります。
岬の端には白い灯台がひとつ。
はえー、
……来たはいいけど特に思うことはねえな。
別に今日で終わりって訳でもないし。
荒波の打ち付ける岩場を、大荷物背負って歩いてきたとは思えないほど身軽に跳ねて駆けていく。
別にそんなことをする意味は無い。
ただ、海を見て少しテンションが上がっているのでこんなことをしているのだ。
本当に意味は無い。
東映の波。
ムシアの岬には、キリスト教の布教がうまくいかずに思い悩んでいたヤコブを励ますために舟に乗って現れたという伝説があり、この地に教会が建てられました。
岬の岩場の上、少し変わった平べったい形の岩があります。
これが聖母マリアが乗ってきた舟とされています。
こちらが教会。
残念ながら中には入れませんでした。別にいいけど。
ムシアの岬に来たはいいけど灯台と中に入れない教会のみ。意外とやることが無い。
2002年に沖合で起きたプレステージ号の沈没事故のモニュメント。
大量の重油が流出した、重大な環境汚染事故だそうです。
巡礼の0kmポスト
岬には巡礼の終わりを表す0キロポスト。こいつですね。
今まで、フランス人の道で幾度となく見てきたこの標識。
いつ見ても数桁の数字が書かれ、サンティアゴが近付くにつれ徐々に数字が少なくなって一喜一憂してきたこやつ。
とうとう…
「0,000km」
この4つ並んだ0、これこそがここが終わりの地であるということを示す動かぬ証拠。
うん、少し感慨深いね。まだ終わっていないけど。
そういえば、サンティアゴ・デ・コンポステーラも巡礼の終わりだけど、この標識どうなっていたっけ?
0キロポストの近くには巡礼者の使い古された靴が放置。
巡礼の終点では昔から使った靴を燃やすのが習わし。最近では環境への影響も考えて禁止されています。
燃やしはしないけど、靴を置いていく人はいます。
ムシアの丘
ムシアの街で最も高い丘。
教会から南に少し行った丘の上に十字架が立っているのですが、
…どうやって行くのだろう?
道はいくつもあるようで、他の観光客の姿もちらほら。
周囲を探していると、どうにか丘の上に通じてそうな道を発見。
草に埋もれかけているけどちゃんと階段があります。
階段を抜けると、そこには道が無かった。
はて、一体ここをどうやって進めと?
道が無いのでクライミングの要領で登っていく。丘の上には他の観光客の姿があるが、彼らは一体どこからやって来たのだろう?
少なくともここからではないことは確かだろう。
というかここはどう考えても道じゃない。
しかし、今さら戻るのも癪なのでこの道を進んでみることに。ル・ピュイからここまで1600km以上歩いて来た私に戻るという選択肢は無いのである。
まあ自分の肉体スペックは半端ではないのでおそらく余裕。
道が悪いとかそんなレベルではない。
単純に道が無え。
…んああ!?
何でこんなところに矢印が書いてあるんだ?
しかも二方向、まさかの2WAY。
しかもこんな岩の上。
岩場をよく見てみると、クライミングのグリップみたいな場所が何ヵ所かあるじゃないですか?
ここ道だったの?
どうやらここを通れとということらしい。見る限りではどう考えても頂上へと続く道だが、少し過酷すぎやしないか?
ちゃんと足場があるなら自分の身体能力なら全然余裕。
そしてムシアの丘の頂上へ。
石の十字架と案内板があるだけのシンプルな場所。
どうやら自分が登って来たルート以外に、もうちょっと安全なルートがある様子。ただしその道は岬の方向へと向かうルートなので、また戻るのが面倒くさい。
帰りも同じクライミングルートで帰ることに。
丘の上からの眺め。
こうして見てみると意外と小さい街。
やはり、岬でもそうだったがこれといって特に感想は無い。ここは自分にとっては終点ではないし、特に何の思い入れのある場所でもない。
感動のフィナーレは明日に取っておきましょう。
さらばムシア。
長かったスペイン巡礼も明日でとうとうお終い。ビール数本とワイン1本をしっかり飲んで明日に備えます。