こんにちは、わらびです。
とりあえず、ヤズドでは金曜モスクやオシャレカフェ(笑)を観光していましたが、忘れてはいけないのが…
そう!
「ゾロアスター教!」
まあ、別にヤズドがゾロアスター教発祥の地という訳ではありませんが、ゾロアスター教最大の聖地や観光客にも開放された寺院や遺跡などなど、ゾロアスター教ゆかりの地であることは間違いなし。
ヤズドに来た以上は、ゾロアスター教の寺院や遺跡に行くのが旅行者の性というもの…、かは分かりませんが、今ではめっきり数も減ってしまったゾロアスター教の貴重な観光地であるのは間違いなし。
やはり、ヤズドへ来た以上はゾロアスター教寺院と沈黙の塔くらいは見ておくべき。
今回は、ヤズド市内にあるゾロアスター教寺院へと訪れます。
正直そこまで面白いものではないんですけどね。
- テヘラン
- コム
- カーシャーン
- ヤズド
- ケルマーン
- マシュハド
- シーラーズ
- イスファハーン
- シューシュタル
- ケルマーンシャー
- ウラマナト
- アルダビール
- タブリーズ
この記事の情報は2023年4月時点でのものになります。
もくじ
ゾロアスター教ってどんな宗教?
さて、ゾロアスター教寺院へと向かう前にちらっとゾロアスター教についてお勉強の時間です。
「ゾロアスター教」と聞いて名前は聞いたことあるけがどんな宗教か知らない、というのがほとんどだと思います。
私も聞いたことはあるけどただ名前がかっこいいというイメージしかないこの宗教、一体どういう宗教なのでしょうか?
世界最古の宗教
ゾロアスター教の発祥はイランとされ、創始者は「ザラシュストラ」という人物。彼が30歳の時に神の啓示を受け作った宗教とされています。
実在の人物とされていますが、その生涯は謎が多く活動していた時期も紀元前1200~600年の間とされ結構曖昧。ゾロアスター教はこの600年間の間に作られたとされています。
そして、神の啓示によりできた宗教、更には創始者がはっきりとした世界最古の宗教です。
善悪二元論
ゾロアスター教の大きな特徴としては「善悪二元論」という考え方。
この世界は全ての善の源である神「アフラ・マズダ」とその宿敵である暗黒の神「アーリマン」の戦いの舞台で、長きにわたる戦いの末善の神アフラ・マズダの勝利に終わります。そして世界に終末が訪れ、善良な人々の魂は救済されるというもの。
この世の出来事を善と悪、ふたつの事象としてとらえる考え方で、例えば昼と夜なんかもこれに当てはまります。
で、この善と悪というのは、人間の選択ひとつひとつにも関わり、例えば何か悪事を働いたとするとそれはつまりアーリマンに加担すると考えられ、善き行いをした場合はアフラ・マズダの味方となりその後の魂の救済にも関わってくるそうです。
この考え方は、その後の宗教にも取り入れられています。
拝火教
ゾロアスター教には「拝火教」という別の呼び名も存在します。
これは、悪霊を払い魔を断ち切るなど宗教儀式と日常生活に欠かせない善の神アフラ・マズダの象徴である火を神聖視していることに由来しています。
多くの宗教に影響を与えた宗教
「善悪の戦い」やその先に訪れる「終末論」、「最後の審判」、「天国と地獄」はゾロアスター教が起源とされ、その後の宗教世界に非常に大きな影響を与えました。
ゾロアスター教以前より死後の世界という考え方はあったとされていますが、ゾロアスター教では楽園のような天国に残虐な地獄という風により明確な死後の世界観を作り出しました。
現在のゾロアスター教
かつてはイランを中心に多くの地域で信仰されていたゾロアスター教ですが、その中心であるイランがイスラム化してしまったことにより衰退し、現在では世界に10万人ほどの教徒がいる小規模な宗教となってしまいました。
ゾロアスター教の中心ヤズド
現在最もゾロアスター教徒の多い国はインド、次いでイランとなっていますが、近郊に最大の聖地「チャクチャク」のあるヤズドはゾロアスター教の中心地となっています。
これがヤズドにゾロアスター教関連の観光地が多い理由です。
ヤズドのゾロアスター教寺院
ヤズド市内にあるゾロアスター教寺院「アータシュキャデ」、ペルシャ語で「火の家」という意味で80年前にインドのゾロアスター教徒からも資金援助を得て建てられました。
ゾロアスター教以外も入場可能ですが、入場料3ドルかかります。
ゾロアスター教のシンボル
入場するとまず目に入るのが寺院、まあそれしかないのですが。
3ドルも払ったのに…
で、
その寺院の入り口、上の方に目をやると…
なんかいますね?
これはゾロアスター教の守護霊でシンボルの「フラワシ」と言います。
それぞれのパーツには意味があり以下のようになっています。
- 掲げた右手…常に神に祈りを捧げ感謝する意味
- 左手の輪…常に約束を守る意味
- 胴体の輪…人とのつながりと平和
- 3段の両翼…善なる思想、発言、行動
- 下半身の翼…悪なる思想、発言、行動
- 正面の布片…神聖で純粋な思想
- 背面の布片…破滅的で悪い思想
1500年間燃え続ける聖火
さあて、ゾロアスター教寺院では最大の見どころとなる…のかな?
そもそも何にもないし。
それが寺院の中にある1500年以上燃え続ける聖火。
木の柵に覆われたガラスの向こうに聖火はあらせられます。
70年前にシーラーズ近郊の村にあるゾロアスター教寺院からこの寺院に運び込まれたそうです。
なんだか聖火リレーみたいですね。
まあね、1500年間絶えることなく燃え続ける火と言ってもね、見た目はバーベキューの火と何ら変わらないので、そこまで面白いものでもありません。
何なら肉が焼ける分バーベキューの方が面白いと思います。
そして、ゾロアスター教寺院の中には聖火以外は何もありません。
以上。
博物館
寺院の横にはゾロアスター教の儀礼や生活様式を展示した博物館があります。
博物館と言っても小規模なものなので5分もあれば見終わります…
3ドル…
博物館の地下には、ヤズド近郊に住むゾロアスター教徒たちの今を写した写真の展示もあります。
おわり
とまあ、こんな感じで実はほとんど見るところはありません。
信者の数も少なく減少傾向にあり、普通の生活ではまず関わることの無いゾロアスター教。
何でしょうね?
見どころがあまりないと分かっていても、珍しいもの見たさで次々と観光客が訪れています。
昔あったペプシのキュウリ味やバオバブ味みたいな物珍しさでついつい気になって手を出してしまう感覚に似ています。
ペプシ同様、一度行ったら確かにもう次はないかな。
基本情報
名称 | Zoroastrian Fire Temple of Yazd |
住所 | Yazd Province, Yazd, Kashani Rd, No. خیابان, V9JF+GGR イラン |
営業時間 | 8:00~21:00 |
料金 | 150万イランリヤル(3ドル) |