こんにちわ、わらびです。
突然ですが、ヨーロッパのホステルでは、冷蔵庫に入れておいた食材が無くなるなんてことはたまにあります。でもまさか盗んだ食材だけで一品作るやつがいるなんて思っても見ませんでした。
薄汚い盗人の話はここまで。
前回はゾロアスター教寺院に訪れた時の記事を書きましたが、今回もゾロアスター教関連の遺跡になります。
そして、これにてヤズド観光はお終い。
最後に訪れたのは「沈黙の塔」。
RPGのステージにありそうなカッコいい名前ですね、一体どのようなところなんでしょう?
- テヘラン
- コム
- カーシャーン
- ヤズド
- ケルマーン
- マシュハド
- シーラーズ
- イスファハーン
- シューシュタル
- ケルマーンシャー
- ウラマナト
- アルダビール
- タブリーズ
この記事の情報は2023年4月時点でのものになります。
もくじ
沈黙の塔
ゾロアスター教の葬儀用施設「沈黙の塔」。
それがヤズド郊外にあるってもんだから行くしかない。
ゾロアスター教の鳥葬が行われていた跡地で、現在は行われていませんが、街を一望できる人気の展望スポットにもなっています。夕暮れ時に行くのがおススメ。
ヤズドの中でも有名な観光地なので、ヤズド観光では一番楽しみにしていた場所です。
ゾロアスター教の鳥葬とは?
ゾロアスター教徒の大きな特徴の一つとして挙げられるのが鳥葬。
これは、鳥に遺体を食べさせて遺体を処理させるという中々にショッキングな方法。
ゾロアスター教において火は最高神アフラ・マズダの象徴とされています。そして人の遺体は不浄なもので、そのまま放置しておくと悪の神アンラ・マンユに支配されると考えられています。
遺体を焼くということは神聖な火を穢すことになるので行われず、土葬も大地に穢れが移るので行われません。
その結果、遺体を鳥に食べさせ、鳥によって死者の魂を天界へと運び浄化する鳥葬という方法がとられるようになりました。
これには、イランでは国土のほとんどが木の生えない高原に位置し、燃やすための薪が手に入らない事も関係しているとされています。
近年では遺体を食べる猛禽類の減少により処理も追いつかず長期間遺体が放置される問題も起き、ゾロアスター教徒たちも普通に埋葬されることを望んでいる人が多いそうです。
沈黙の塔RTA開幕
この日世界遺産のペルシャ式庭園へと赴いてみたのですが……何と折り悪く閉館中。
イランでは暑すぎるお昼の時間帯は閉館している施設が結構あります。
せっかく暑い中来たというのに
夕方に再び開くのですが残念ながら今日はヤズド滞在最終日、沈黙の塔から砂漠に沈み行く夕陽を眺めて締めくくろうと考えていたので庭園は見ること叶わず。
一旦宿へと戻ってふて寝することにしました。
そして目が覚めたのは6時前…
おおっと、これはまずいのではないか?
もうちょっとで閉館時間じゃないではありませんか?
楽しみにしていた場所だけあって行かないという選択はありません。間に合う間に合わないではなくチャレンジすること自体にきっと意味があるのです。
ということで、今ここに「沈黙の塔RTA」が幕を開けるのでした。
名前だけ見るとゲームのスピード攻略みたいですが、実際にはおっさんが息を荒げて坂道を登るだけ。
安全運転で沈黙の塔へ
まずはイランの配車アプリSnappで車を手配、到着した車に勢い良く乗り込み席に着く。
まあ、ここからは運転手の手腕に任せるほかありませんね。
そして運転手は比較的安全運転で沈黙の塔へと向かうのでした。
イランの配車アプリSnappは基本的にUberなどと一緒、運転もドライバーの評価に関わる項目なのでみんな安全運転で乗客を目的地まで送り届けてくれます。
夕暮れの帰宅ラッシュの時間帯ですが、沈黙の塔があるのはヤズドの郊外の方。道路は空いていたので20分ほどで到着。
急いでいたのでお釣りは貰わず、評価は★5の最高評価にしておきました。
沈黙の塔へ入場
さて、本当の勝負はここから。
料金を手早く払い入場。
目の前にあるふたつの山、その頂上にあるのがかつて鳥葬が行われていた沈黙の塔。
夕陽はもう沈みそう。
塔に上るには15分ほどかかるらしい。
これは急いで登らないといけないようです。
まずは右側の山から登ることに……
ですが先には思いもよらぬ罠が待ち受けていたのでした。
待ち受ける罠の足止め
夕陽も沈みそうなので急いで山に向かったのですが、途中思わぬ足止めを食らう羽目に。
先を急がねばならないのは重々承知。
けれどもついつい気になってしまい足を止めてしまいました。
それがこの遺跡。
これはやむを得ない、山の麓にはゾロアスター教の集落の遺跡もあったのでこれは本当に仕方がない。
もしこれが家族が危篤で急いでいる状況だったとしても同じく足を止めて見学していたでしょう。
時間ないというのに余裕、よほどの胆力があるのかただの馬鹿である。
ひとつ目の塔へ登頂開始
罠を何とか切り抜け今度こそ登頂開始。
まずは入ったとき右側に見えていた低い方の塔から登ります。
この坂を一気に駆け上がります。
老体よ、持ってくれ…
とか言いつつ、身体機能は職業軍人並みかそれ以上あるので5分ちょっとで登頂完了。
頂上から見えるのは夕陽に染まるヤズドの街。
この先に鳥葬が行われていた祭壇があります。
それでは、行きましょうか。
鳥葬の行われていた場所
これがゾロアスター教の鳥葬が行われていた沈黙の塔の内部、当然ですが今は何もありません。
穴の周りに遺体を並べそれを鳥が食べると…
中心の穴に対して少し傾斜が付いていて、血やら体液が流れていくという仕組み。残った骨も穴に投げ入れます。
当然穴の中にも何も残っていませんが、きっと奥深くには人骨が埋まっているのでしょう。
何にもないので写真を数枚撮ってお終い。
二つ目の塔へ
せっかく頑張って登ったのに写真数枚で終わりなんて味気が無い、なので隣にあるふたつ目の塔にも登ってみることに。
あともう少しで夕日が沈みそうだったのでコチラも急いで登ります。
一つ目の塔と違いちゃんとした階段もなく道も悪い、そして距離も2倍くらいある。
大きい岩も転がっています。
それでも大急ぎで登ったので10分ほどで山頂に到着。
日没まではまだ少し余裕がありそう。
二つ目の沈黙の塔は保存状態があまり良くない。穴の中に降りれそうでしたがやめておきました。
やはりこちらでも特に見るものは無いので数枚写真を撮ってお終い。
二つ目の塔は高いだけあって景色が良い。もう一つの塔も見下ろすことが出来る。
とうとう日も沈み、退場を促すアナウンスも流れてきたので急いで山を降ります。
最後はだいぶバタバタしていましたが、自分の身体機能の高さを覆改めて認識しヤズド観光はこれにておわり。
戻りも安全運転で帰りました。
基本情報
名称 | 沈黙の塔 |
住所 | Yazd Province, Yazd, بلوار شهیدان اشرف, R9C4+QP8 イラン |
営業時間 | 8:00分~12:30・17:00~日没 |
料金 | 15万イランリヤル |