【エチオピア】ハラール旧市街を守る謎の男「ハイエナマン」

こんにちわ。わらびです。

エチオピアの世界遺産、歴史城塞都市ハラール・ジュゴン。

この街には城壁に囲まれた旧市街だけではなく、もうひとつ闇夜で暗躍する「ハイエナマン」という見どころがあります。

最近では、むしろこっちの方が有名かもしれません。

この記事の情報は2023年9月時点でのものになります。

ハラールの「ハイエナマン」とは?

ハラール旧市街で夜な夜な人々の注目を集めるのが、

そう!「ハイエナマン」である。

これだけでは全く情報が不足し、何が何だか分からない。

名前から狼男のような獣人を想像するかもしれないけど、当然ハイエナマンにはそんな変身能力は備わっておらず至って普通のおじさんです。

特にもったいぶるようなものではないのでサクっと正体を明かします。

夜のハラール旧市街で観衆を集めるハイエナマンの正体はというと、それは野生のハイエナに餌付けする男性のことなんです。

数百年続く伝統的な仕事として行われ、野生のハイエナを餌付けしているなんて世界でもハラールくらい。

ハイエナマン誕生の経緯

ハイエナマンの起源は、ハラールに城壁が作られた16世紀にまで遡ります。

常に城壁内を清潔に保ち疫病の発生を防ぐため、生ゴミなどをハイエナに食べさせて処理する方法が考案されました。

街を囲う壁には、ハイエナ用の小さな通路が作られ、毎晩そこからハイエナが入り込みゴミを処理し帰ってゆく。

しかしそこは野生のハイエナ。

侵入してきたハイエナたちは、たびたび住人と家畜を襲うという問題も起き始めました。

そこでハイエナに餌付けを行い人に慣れさせるため、ハイエナマンという職業が誕生したのです。

ハイエナマンには街で選ばれた家族がなり、世襲制で引き継がれているそうです。

数百年に渡ってハラールの平和を守ってきた男たち、それがハイエナマンなのである。

近年観光地として注目を集めてきたせいか、たまにハイエナのコスプレをしながら餌付けすることもあります。

見学には料金が必要

ハイエナマンは、現在ではショーとしての要素が強く、これを目当てにハラールにやって来る観光客もいるくらい。

見学料はエチオピア人が200ETB。

外国人は500ETBとされていますが、これはボッタくり価格で普通に値下げも可能。

300ETBまで値下げできました。

場所と開始時刻

場所は旧市街北にある農場の脇。「Hyena Feeding site」と呼ばれる場所。

今では立派な観光地のため、街中の看板にもしっかりと書かれています。

ハイエナマンショーは夜19:30くらいから開始。

夜に近くを歩いていると勝手に案内し始める人がいますが無視してかまいません。ハイエナマンとは関係のない人です。

ハイエナマンを見学

夜のハラール旧市街を歩き、ハイエナマンのいる場所に歩いて向かいます。

途中聾唖の男が絡んできて「うーうー」と唸りながら勝手に案内をし始める。

声なき男と農場脇に向かうとそこには…

車のライトを浴びて闇夜の中に浮かび上がるハイエナマンがいました。

生肉片手に地面に横たわり、周囲をハイエナに囲まれているこの様子。

もし、何も知らずにここを通りかかったら、ハイエナに囲まれ窮地に陥っている男性にしか見えないでしょう。

この時いたのは5,6匹。

多い時では20匹ほど集まるそう。

夜行性のため可能な限り暗闇に潜み、ハイエナマンが生肉を手に持つと徐々に明かりのもとへとその姿を現します。

初めて目の当たりにする野生のハイエナ。

死肉をむさぼり獲物を横取りするなど悪いイメージが先行しがちです。

ハラールで見れるハイエナは「ブチハイエナ」といって、4種類いるハイエナの中では最も大型で狩が上手い種類。自分たちでエサはとれるので横取りはあまりしないそうです。

それにしても、生肉を物欲しそうに見つめるその瞳はなんとつぶらなことか。

ハイエナのサイズは大型犬より少し大きいくらい。

耳は丸く可愛らしく、顎周りの筋肉はしっかりとしているような首の太さ。人間で例えるとドウェイン・ジョンソン?

強靭な顎で他の動物では食べることのできない骨ですら噛み砕き食べてしまうそう。

足もずっしり太く逞しい。

強そう。

観光客でもチップを払えば直接ハイエナにエサを与えることができます。

なんか獣臭そうだし、泊っているホテルのバスルームが汚いからもう一度入りたくないので断念。

ネコもエサ目当てに集まってきます。

非常に憶病な性格なのか、ハイエナたちは周囲の物音や人の動き、自分よりもはるかに小さいネコにすら敏感に反応しすぐさま後ずさり。

その時の俊敏さや、地面から伝わるどドスドスという力強い感覚。

力強い野生のパワーが伝わってくるようです。

ビーストって感じ。

この時はやっていませんでしたが、口に枝をくわえてその先に生肉をぶら下げ、ハイエナに食べさせるというパフォーマンスも行っています。

見学を終えて帰り際、やっぱりというか案の定。

聾唖の男がつき纏って金をせびってくる。

昼の旧市街観光では、純粋な子供たちと触れ合いエチオピアに対する評価がわずかに上がったというのに…

やはりここはエチオピアなんだと再び実感。

おわり

夜のハラールで人知れず旧市街の平和を守って来たハイエナマン。

最近では知名度も上がり、徐々にその役目も金儲けの手段として変わってきています。

ハイエナマン目当てに多くの観光客が集まってきていますが、その観光客をまるで、ハイエナのようにつけ狙う悪い連中もいるのでくれぐれもご注意。

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