こんにちわ、わらびです。
世界遺産のあるラリベラにやって来たはいいが、到着後にそこが紛争地域だということが発覚。
キプロスみたいな安全な紛争地域には行ったことはありますが、今回はいつ戦闘が行われてもおかしくない危険な方の紛争地帯。
エチオピア政府は財源確保のためとはいえ、こんなところに外国人を渡航させるなと思いましたね、ハイ。
政府も普通にヤバいエチオピア。
この記事の情報は2023年9月時点でのものになります。
2023年8月から始まった紛争の影響で北部のアムハラ州には非常事態宣言が発令され、外務省もレベル3の渡航中止勧告を出しています。
紛争地帯のラリベラ
アディスアベバでラリベラ方面へのバスのチケットを購入しようとしたところ、「紛争の影響で今はバスでは行けない」と言われ、調べても出てくるのは少し前まで行われていたティグレ紛争のことばかり。
その影響でバスの運航が再開されていないのかと思い特に気にも留めませんでした。
いざ飛行機に乗って来てみると、何故かインターネットが使えないし、自走砲みたいな長い砲身の付いた軍用車が走ってるわ…
訳が分からず地元の人に聞いてみたところ、
何ということでしょう?
ラリベラを中心にアムハラ州では新たな紛争が始まったことが発覚。
こんなことになっていると事前に分かっていたら来なかったでしょうに、政府による情報統制にまんまと引っ掛かり紛争地帯で3日間過ごす羽目になりました。
ついこの間も町から40km離れたファノの拠点に対して国軍が攻撃を行ったばかりだとか国軍による略奪行為が起き住民の不信感が大きくなり、ファノを支持する動きが起きつつあるとか…
聞いた話ではしっかり危険そう。
ラリベラから始まった新たな紛争
アムハラ州では2023年8月から地元民兵組織「FANO|ファノ」と国軍による紛争が開始されました。
ティグレ紛争に比べ国際的な紛争にまでなっていない事、エチオピア政府がインターネットを遮断し外部に情報が出にくいようにしているため調べたところであまり多くの情報は出てきません
2023年9月時点ではまだ戦闘が始まったばかりで日本語では外務省のサイト以外では情報が無い状態でした。
紛争に至った経緯は、2020~2022年まで行われたティグレ紛争では、国軍と協力関係にあったアムハラ州の民兵組織「FANO|ファノ」が停戦後の政府からの解散命令に反発し抵抗を開始。
2023年8月には国軍の増援を防ぐためにラリベラ空港を襲撃し占拠。これによって紛争が本格化しアムハラ州に非常事態宣言が発令されました。
空港には戦闘の跡が何ヵ所も残っていました。
ラリベラは有名な観光地のため政府が財源確保をするためか、安全かどうかも分からない状態で、外国人旅行客のラリベラ行きを許可していました。
ラリベラの様子
紛争中といえどラリベラではたまに軍用車が通り過ぎる以外は普通の光景が広がっていました。
この街では卓球が主な娯楽なのか、広場にはいくつも卓球台があり若者はみんな集まって遊んでいました。
日中はちゃんとお店も開いてるし、バーに集まってテレビを見たり生肉とインジェラ食べたりする普通の光景。
普段がどんな感じか分からないけど市も開いているし子供たちもいたって普通の様子。
自分以外に観光客が来ているし、そもそも危険だったら政府が渡航を許可しないだろうと思い地元の人に聞いてみたところ、いつ戦闘が起きるか分からないし全然安全ではなくせいぜい五分と言われました。
夜間は7時以降が外出禁止で、日中の外出も可能な限り現地の人と一緒にするようにと言われました。
エチオピア政府はそんなところに外国人を渡航させないで欲しいものである。
インターネット遮断
ラリベラでは、8月にファノが空港を襲撃して紛争が本格化して以来、外部へ情報を漏らさないため2ヶ月に渡りインターネットが遮断されている状態でした。
完全に使えないという訳ではないらしく、銀行やエチオピア航空など主要施設のメール送信機能のみは生きているんだそう。
民間人に関しては通話機能しか使えないため、電話で外部の人間とコンタクトを取り、その都度必要な情報を教えてもらっているという大変不便な状況が続いていました。
エチオピアではインターネット普及率が低いというのもありますが、それにしてもあんまりすぎるのではないか?
逆にこの不便さを利用する悪い奴らもいて、外国人がレートの確認をできないのいいことに、現地通貨ではなくドル払いを強要しぼったくりするというのが多く見受けられました。
紛争まで利用するなんて逞しい。
国軍に対する不信感
絶賛紛争中のラリベラでは、町中に軍服を着た国軍兵が多くいました。
そして、町を歩いていると住民が口々に
「国軍には気を付けろ、あいつらは金を奪うぞ」
など、とにかく国軍に対する警告をしてきました。
ふつう反政府組織には気を付けろとか逆じゃない?
まあでもそれもそのはず。国軍がラリベラに到着した当時の対応は酷いものだったんです。
まずは住民からの金銭などの略奪行為に始まり、関係を疑われた住民が暴行を受ける、FANOの潜伏先と疑われたホテルに強制家宅捜索が行われ設備を破壊されるなどなど。
それ以外にもインターネットの遮断、夜7時以降は外出禁止など不便を強いられる生活が2ヶ月以上続いていました。
ラリベラの住人は表には出さないものの、内心では国軍に敵対心を持っている人が多くいました。
興味本位で町の人に
「国軍とファノだったら、ファノの方につくの?」
という質問をしたところ、即答はしませんでしたが少し間を置いたのち
「…うん」
という答えが返ってきました。
ファノが民兵組織である以上、ラリベラの住民には構成員の知り合いや直接的な支援者もいそうだし、戦闘地域で国軍が支持を失っている時点でこの紛争も長引きそうです。
思い出の味
夜7時以降の外出は禁止のためほとんどの店は閉店。バーなど開いていてもあるのは酒のみで食事は提供されていませんでした。
自分の泊っていたホテルは中心から歩いて15分くらい離れ、周囲には夜になると開いてる店が一切ない。
そう、夕飯が食べれない。
日が沈み辺りが暗くなっていく中、明かりのついてる場所があったので入ってみるとバーでした。
そこで何か軽いスナックでもないか聞いたところ、自分の窮状を察してくれた客の一人が家に走って戻りパスタの束を持ってくるという超展開。
そしてお店の人も急にもかかわらず即席でパスタを作ってくれたのです。
急に来た自分の要求に対し、素パスタでも何一つ文句は言えるはずもないのにしっかりとソースも作ってくれました。
心の中で滂沱の如き涙を流し黙々と食べ進める。
何このソース普通に美味しいのだが?
かなりの量でしたが値段はたったの100ETB=270円。アディスアベバだと倍くらいの値段がします。
パスタを持ってきてくれた方とお店の人には多くの良いことがあって欲しいものです。
あらんかぎりの感謝と謝辞を述べたいのだがいかんせん時間が無い。
パスタを食べた後は周囲の暗闇から「チーナ、チーナ」と声をかけられながら急いでホテルへと戻るのでした。
何でこの暗闇の中で分かるかというと、彼らがマサイ族のように目が良い訳ではなく、黒人とそれ以外の肌では光の反射率が全然違うためすぐにわかってしまうんだそう。
おわり
エチオピアは人もアレだし政府も大概酷いもので、今まで訪れた国の中では一番嫌いです。
この国に来て以降まともな人間に会った記憶があまりなく国民全員クズみたいな扱いをしていました。
しかし、この考え方はパスタの一件で優しくしてくれた方たちも一緒くたにクズ扱いしているようで非常に心苦しい。
この日の出来事がきっかけで、国民性に関わらずどの国でもクズはクズだし優しい人は優しいという結論に至りました。