今晩は、わらびです。
ルクソール西岸。
西岸観光では2日に分けてハトシェプスト女王葬祭殿、王家の谷、王妃の谷(ネフェルタリの墓)、ラムセス3世葬祭殿を観光していきます。
今回は王妃の谷へ。
そうです!エジプトで最も美しい壁画が残る「ネフェルタリの墓」を見に行くのです。
- 【ルクソール東岸観光①】ルクソール神殿の見どころ
- 【ルクソール東岸観光②】圧巻の大スケール、エジプト最大級のカルナック神殿
この記事の情報は2023年8月時点でのものになります。
ネフェルタリの墓は2024年3月から修復作業のため閉鎖中。再公開時期は未定です。
もくじ
ファラオの妻たちの眠る「王妃の谷」
ルクソール西岸は、古代テーベの時代から「死者の世界」と考えられ、生者の世界である東岸とは対極に多くの墓地や葬祭殿が作られました。
王家の谷にはファラオが埋葬されているのに対し、王妃の谷にはファラオの王妃や王子が埋葬されています。
エジプトの歴史上もっとも偉大な王ラムセス2世の正妃「ネフェルタリ」の墓もここにあり、壁画は最も保存状態が良いことでも有名です。
「古代都市テーベとその墓地遺跡」として世界遺産に登録。
王妃の谷への行き方
フェリー乗り場から王妃の谷まではタクシーかトゥクトゥクで片道50EGPほど。
◆王家の谷へのアクセス方法は下の記事から◆
ルクソール西岸と王家の谷へのアクセス方法【おすすめの交通手段・値下げ交渉のコツ】
王妃の谷の入場料
王妃の谷の入場料は120EGP。
チケット一枚でネフェルタリの墓を除く公開されているすべての墓に入ることができます。
公開されている墓は以下の通り。
- アメンヘルケペシェフ王子の墓
- ティティ王妃の墓
- カーエムワセト2世
ネフェルタリの墓の入場料
ネフェルタリの墓の入場料はエジプトでは最高額の1600EGP。
2023年8月時点のレートで7200円ほど。
エジプトの観光施設の料金は年々値上がりしています。
大抵の値上がりは常識の範囲内に収まりますが、もともとの料金が高いネフェルタリの墓は1400EGPから一気に200EGP(約1000円)と、値上がり幅もえげつないことになっています。
くわえてエジプトは、外貨不足なうえに通貨価値も不安定。
1万円を超える日も遠くは無いでしょう…
ネフェルタリの墓は2024年3月より修復作業のため公開停止となりました。再公開時期は未定。
エジプト観光ではVISAカードが必須
強烈な外貨不足に悩まされるエジプトでは、外貨獲得のために、2023年からは政府が運営する観光施設では現金での支払いが禁止されています。
入場料の支払いはすべてVISAカードでのみ可能となっており、他のブランドは使用不可。
冗談抜きでVISAカード無しでは大半の観光施設には入場できないというのが現状です。
注意点①入場は1日150人限定
ネフェルタリの墓は壁画の保護のため、入場できるのは1日に150人までとなっています。
エジプト観光のオフシーズンである8月でも、午前9時の段階で既に20人以上の入場者がいました。
ネフェルタリの墓は入場料が非常に高額なので、王妃の谷はあまりツアーのルートには組み込まれませんが、念のためネフェルタリの墓を見たい場合は午前中の内に行くようにしましょう。
注意点②カメラでの撮影は禁止
墓の内部は一眼などのカメラでの撮影が禁止されています。
写真撮影は携帯、スマートフォンでのみ可能となっていて、フラッシュは禁止されています。
王妃の谷観光
王妃の谷のオープンは朝6:00。
日中は高温になるエジプトでは早朝の涼しい時間から観光できるようになっています。
9時前だとまだ気球が飛んでいたりもします。
ネフェルタリの墓
エジプト最高額、それも見学可能な時間はわずか10分。
時間比でいえば国際線のファーストクラスよりも高額なネフェルタリの墓から王妃の谷観光は始まります。
「ネフェルタリ」といえば、ワンピースに登場するネフェルタリ・ビビを思い浮かべる人が多いかと思いますが、彼女の名前はここからきているとされ、アラバスタ王国という国の名前もエジプトで産出される鉱石「アラバスタ(雪花石膏)」が由来となっています。
エジプト一壁画の保存状態が良いネフェルタリの墓。
墓の中に入るとそこには別世界のような光景が広がっていました。
入り口付近は風やらなんやら吹き込むため劣化が激しいのですが、少し奥に進むとほぼ完璧に近い状態で残されています。
これが3000年前以上前に描かれた壁画とは思えないほど素晴らしい状態です。
前日王家の谷でいくつか壁画を見てきましたが、それらとは比較にならないほど精細。
すんごい…
急いで写真を撮ってこの光景を目に焼き付けるのに必死。
スマートフォンを構えながら目線は別の壁画。
何故そんなことをしているかというと、無論見学時間が非常に短いがためである。
たった10分、墓の中はそこまで広くないとはいえ、写真撮影ばかりしていたらその目で見れるのは画面越しの景色のみ。
高額な入場料を払ってまで来たのでせっかくであればその目にも直接焼き付けたい。
スマホを確認せず写真を撮影し、目線は別の壁画へと向ける。いかんなくマルチタスクを発揮して観光を進めていきます。
しかし、この通りブレブレである。
その場でいちいち確認している暇はない。
10分で7200円。1分だと720円。
確かに高いが、現在発見されている壁画の中では最も保存状態の良いと考えると妥当な気もする。
これ以上のものはこの世に存在しないし、これ以上増えることも無いのです。
ネフェルタリの墓観光は1分1秒を無駄にしまいと、一枚一枚の壁画を見逃すまいとかなり忙しい。
人生で一番濃厚な10分間でした。
高額で短時間しか観光することができないけど、その希少価値を考えると、ネフェルタリの墓は充分それに見合った価値があるのだと思います。
アメンヘルケペシェフ王子の墓
ネフェルタリの墓のあとは王妃の谷で公開されている他の墓の観光へ。
まずは、ラムセス3世の息子の「アメンヘルケペシェフ王子の墓」から。
御覧の通り比較的しっかりとした状態で壁画が保存されています。
ですが、ネフェルタリの墓を見た後だとちょっと…
生後6か月の幼児のミイラも展示されています。
カーエムワセトの墓
ラムセス2世の第4王子の「カーエムワセトの墓」。
この墓も壁画の保存状態が比較的良好。
しかし、ネフェルタリの墓と比較すると…、以下省略。
エジプト航空のシンボルにもなっているホルス神もしっかりと保存されています。
ティティの墓
ラムセス3世の妻が埋葬されている「ティティの墓」。
全体的に劣化が激しい墓。
…これといってコメントはありません。
おわり
ネフェルタリの墓はエジプトで最も保存状態が良いとされる壁画なだけあって、高額な入場料を払ってでも見る価値が十分にあります。作られた当時からほぼ変わらぬ、そう!まるでタイムスリップとか歴史のタイムカプセル的なそういう感じのアレ。