【巡礼2~4日目】モンストロル・ダリエ~ナスビナル。嘘つき不良巡礼者

こんにちわ、わらびです。

巡礼初日の記事

巡礼初日は、祝福のミサや初めての徒歩の旅行ということもあり、何枚も写真を撮っていました。

それ以降はただ何も考えず無心で歩き続けるだけ。

1600kmも徒歩で旅行するとなると、ものすごい壮大なストーリーになりそうなものですが、1日1日は実はそんなに書くことが無いので、ここからは数日ごとにまとめた記事を書いていきます。

巡礼2~4日目の様子

  • 2日目
    • モンストロル=ダリエ→シャナレイユ
  • 3日目
    • シャナレイユ→ペール・アン・オーブラック
  • 4日目
    • ペール・アン・オーブラック→ナスビナル

2日目、不良巡礼者

スペイン巡礼2日目。

朝起きるとまだ前日の疲れが少し残っているような怠さ。

それと肩が腫れ軽く血が滲んでいるような状態。

もうこれ以上は無理だ…

そう思いつつ荷物を背負い踏み出すも、思いのほか力強い足取りに驚きを隠せない。

そう、足には全然ダメージが来ていないのである。

初日を終える頃には足の裏にマメができ、数日もすると爪の中に血が滲んでその内剥がれるそうだ。

少なくとも自分にはその心配が無さそう。

巡礼中は洗濯は全て手洗いするのが普通ですが、序盤の山岳地帯では朝晩の湿度が高くて全然洗濯物が乾かない。

このようにバックパックに引っ掛けて乾かしながら歩きます。

ル・ピュイの序盤10日ほどは山岳地帯を歩くので、何度も山を登っては降りの繰り返し。

2日目も出発してからすぐに山へ入りこの景色。

晴れているけど標高が高いのでちょっと寒い。

各地で見かけるシンボルや聖母像。

巡礼路沿いならではの光景。

最初は物珍しく写真を撮っていたけども、そのうち見慣れて特に見向きもしなくなる。

信心深い人なら手を合わせるぐらいはするのでしょう。

牧場の中の道。

巡礼ではこんなところも通ります。

さて、5月末のこの地域では毎日昼と夕方に雨が降ります。

特に夕方は1時間ほどの大雨なので、このように各地でぬかるみができ、画像のように完全に水没した場所なんかもあります。

ここでは左右に柵があり、迂回する方法もありません。

足跡を見る限りでは、どの巡礼者も靴がびちょびちょになるのを覚悟で通っているようですが…、どうしましょう?

されど私は頭の切れる巡礼者。

カバンから買い物袋を2枚取り出して足に装着。

これで無事水没回避。

洗濯物が乾いていないのもそうでしたが、巡礼では幾多ものトラブルがつきもの。

しかしその場で即座に解決方法を見出す自分の問題解決能力の高さには驚かされてばかり。

正午前、「Saugues|ソーギュ」という街に到着。

ここは巡礼2日目の宿泊地となることの多い街だが、今日の目的地ではありません。

どうせどこの宿もいっぱいだろうしね。

街の入り口に差し掛かったところで雨が降り始めたのでバス停でしばし雨宿り。

ついでに白カビサラミでお昼ご飯。

保存がきくし酒のツマミにも合う。

細かく切ってスープやパスタに入れてもいいし非常に便利。

いつも持ち歩いていました。

ただ…、これだけじゃなんか物足りない。

サラミといえば、そう酒だ!

ということで、巡礼路を逸れてスーパーマーケットにやって来ました。

喉が渇いていたので酒を買う。

……、

巡礼2日目にしてこの有様である。

酒のために道を逸れるなど何たる不良巡礼者。

その後、体力補給もしっかりし、ほろ酔い気分で歩き続け2日目の村「Chanaleilles|シャナレイユ」に到着。

移動距離

2日目

モニストロル=ダリエ→シャナレイユ、26.7km
総移動距離:57.7km

巡礼宿情報

宿情報
名前Gîte Cafè du Pont
住所1 Le Bourg, 43170 Chanaleilles, フランス
料金素泊まり22ユーロ
設備WiFiなし、夕食サービス(有料)、自炊可能なキッチン

朝は疲れも残っていて肩も腫れていたものの歩いて行くうちに体もすっかり慣れました。

シャナレイユに着いた後は、軽く走って辺りを散策してみたが、疲れを感じさせない軽快な走り。

2日目は歩くペースもだいたい分かって来たし、途中で酒を飲んだりして歩く楽しみもできました。

3日目、嘘つき巡礼者

巡礼3日目。

もう体はすっかり慣れてきたのか、朝起きて体が怠いなんてことはなくなってきました。

肌寒い5月末のフランスの山中。

どうせ後で脱ぐことになるのでフリースは羽織らず出発。

ものぐさ巡礼者。

この日は山の中のしっかりした遊歩道を歩く。

各所に車止めのような柵が設けられ、自分で開けながら先に進みます。

初めて見た時は立ち入り禁止の柵か何かだと思って少し戸惑いましたが、地面には巡礼者のものと思しき足跡がたくさんあるので、ここが正規のルートと判断。

森を抜けると草原の中にポツンと一軒家。

巡礼中には、このような印象的な光景に何度も出会います。

ここで近くを歩いていた女性に、

何でそんなに荷物が多いの?大丈夫なの?

と質問されました。

まあ、前後にデカいバックパックを抱えた異質な風貌だから誰でも気になると思う。

普通の人間には絶対にはできない事だろうし、これで毎日歩くなんて狂気の沙汰でしかない。

とりあえず、

色んな国を旅行しているので必要なものが全てここに入っている

と答え、あとは並外れた努力で体を鍛えて鋼の肉体を手に入れたとかは説明するのが面倒なので、元自衛隊なので問題ないと答えていた。

ちなみ、にそんな経歴は無い。

ところで、私の出身地は青森県。

しかし、この地名を知っている外国人はほとんどいないので、説明するのが手間で知名度の高い北海道と偽っている。

出身地の詐称に加えて職歴までも詐称である。

どんどん嘘が積み重なっていく…

これから荷物の量を多さに関してはよく聞かれるのだが、その都度、元自衛隊だから問題ないと答えるようにしていた。

とんだ嘘つき野郎がこの日誕生した。

昼過ぎ、スーパーマーケットのある街にたどり着く。

遠くを見るととんでもない量の花粉が飛散していました。

地獄かな?

ここにスーパーマーケットがあるので食料を購入する予定でしたが、あろうことか開いてない。

この日はフランスの祝日で、スーパーマーケットはもちろん小さな商店までも昼で営業が終了してしまうらしい。

食事は別に要らないとしてとにかく水分補給。

幸い巡礼路上には、いくつも水分補給ポイントがあるのでここで水を飲む。

3日目の目的地「Peyre en Aubrac|ペール・アン・オーブラック」。

ここも多くの巡礼者が宿泊地に選ぶ場所なので宿に空きがあるか心配でしたが、1軒目で宿の確保に成功。

いちいち宿の空きがあるか確認するのは不便でしょうが無いので、翌々日分の宿からしっかり予約するようになりました。

この日は祝日でスーパーマーケットや商店は開いていないのでお酒も何も飲めず。

具の無いスープパスタで寂しい夕食でした。

移動距離

3日目

シャナレイユ→ペール・アン・オーブラック、33.6km
総移動距離:91.3km

巡礼宿情報

宿情報
名前Gîte-Chemin-Faisant
住所15 Av. de Peyre, 48130 Peyre en Aubrac, フランス
料金素泊まり25ユーロ
設備WiFi、夕食サービス(有料)、自炊可能なキッチン

4日目、初めての観光

巡礼4日目。

巡礼宿には、基本的に布団が無いので寝袋を使うことになります。

初日は初めて使う寝袋をうまく畳めず朝から無駄な体力を使っていたが、もはや寝袋の収納にも慣れたものであっという間に畳めるようになりました。

無駄な体力を使うといっても、巡礼程度では使い切れないほどの体力があるので、いくら無駄使いしようとも構わないんですがね。

確か初日の記事で「朝ご飯は食べないポリシー」とか言ってましたが、4日目にしてそのポリシーも崩れ去りました。

立ち寄ったベーカリーにはビールも売っていたので買おうかどうか悩みましたが、朝はまだまだ寒いし今飲んでも美味しくないと判断を下しました。

これはまさに英断だろう。

4日目ともなると、景色にも見慣れてもはや飽きてくる。

ただ無心で歩き続けるだけになってしまった。

たまに遭遇する動物たちだけが、停止してしまった自分の思考を巡らせてくれます。

道中現れる謎の梯子。

迂回できないように周囲は封じられていました。

巡礼者に対する苦難の一環としてあるみたいですが、重い荷物を持っているのにこんなところ登らせないで頂きたい。

2日目、3日目はぬかるみだらけの山を歩き続けてきましたが、この日は歩きやすいなだらかな草原。

願わくば、たまに梯子があってもいいからこんな楽な道がずっと続いてほしいものです。

草原に突如現れる巨石群。

ここら辺は眺めも良く、吹き抜ける風も気持ちよく多くの巡礼者が休憩ポイントに選んでいました。

自分もそこら辺の岩に腰掛け小休止。

休憩後何もない平坦な道をひたすら歩く。

スペイン巡礼って本当に何も考えずに歩き続けるだけだし、何か印象的な出来事がしょっちゅう起きるわけでもないので、実は書くことそんなに無い。

4日目の村「Nasbinals|ナスビナル」。

ナスがたくさんなっていそうな名前だけど、別にナスの生産が盛んな村ではない。

巡礼者は多い村だけど宿の確保も簡単に成功。

次の日からはきちんと宿も予約しているので、これからは宿の心配もせずに済みます。

もはや毎日歩くのにも慣れてしまい疲労も全く無いので村を軽く観光。

小さい村ながらも石造りの美しい建物が並ぶ。

この地域には美しい村がいくつもあり、巡礼者以外にもフランス国内から旅行者が訪れる場所らしい。

中でもここから少し先のコンクという村は「フランスで最も美しい村」と呼ばれるほどの有名観光地。

自分も数日後に訪れる予定だが、ル・ピュイの道では最も楽しみな場所。

どうしよう、楽しみ過ぎて寝れそうにないや。

時刻は夜9時、サマータイムがあるせいか夜でも全然暗くない。

紅茶にバラの花びらを散らして、寝る前に優雅なティータイムで4日目を終えるのであった。

この日は大きな登りもなく半分くらいが舗装路で、とても歩きやすい道でした。

大した距離歩いていないので実質休息日。

たまにならいいけど、さすがにこんな道が毎日続いたら体が鈍りそう。

軍隊の訓練よりもハードなことしているのに運動不足。

どうでもいいけど、歩いた距離が100km超えました。

移動距離

4日目

ペール・アン・オーブラック→ナスビナル、27.1km
総移動距離:118.4km

巡礼宿情報

宿情報
名前Gîte Communal
住所5147A Rue de las Janas, 48260 Nasbinals, フランス
料金素泊まり16.5ユーロ(カード払い可能)
設備WiFi、自炊可能なキッチン
備考地域の自治体が運営する巡礼宿で管理人が18時にやって来るのでその時に料金を支払う

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