こんばんは。わらびです。
ピレネー山脈から始まり、パンプローナ、ペルドン峠と毎日が充実していたフランス人の道もいよいよ落ち着きを見せ、いつも通りの歩くだけの日々が戻ってきました。
今回はスペイン巡礼31、32日目「フランス人の道」の記録になります。
巡礼31~32日目の様子
31日目、凝った料理
巡礼31日目。
巡礼では美しい村や風光明媚な風景をいくつも見てきたが……、あえて!
今回はそれらを紹介せずに、食べたご飯を紹介しようと思う。
まさに英断である。
嘘、ちょっとは紹介しようと思います。
31日目は特に激しいアップダウンも無く穏やかな1日で、巡礼路に関しては書くことはほぼありませんけど、途中通りかかった村が印象的だったのでちらっと紹介。
プエンテ・ラ・レイナから約5km、なだらかな丘に麦畑やブドウ畑が広がり、その中に盛り上がるように姿を見せる「シラウキ|Cirauqui」という村。
別にそこまで変わっていたり不思議な場所ではないけど、この光景はやはり綺麗で印象的なのか、多くの巡礼者たちが足を止めて写真を撮っていました。
フランス人の道に入ってから、ピレネー山脈に始まり、パンプローナ、ペルドン峠と一眼カメラを取り出し撮影する機会が多い。
ル・ピュイの道は険しい山道や悪路、連日雨を浴びて歩き、カメラを取り出している暇なんて無かったというのに。
フランス人の道を歩き始めてまだ4日目だけど、なんとなくこの道が人気の理由が分かったような気がします。
外から見て分かるようにシラウキの村は高低差が激しい。
巡礼や観光で軽く訪れる程度ならいいが単純に住みたくない。
朝の陽射しを浴びて気持ちよさそうに眠るネコ。
こちらを見向きもしない。
村を抜けた後は平坦で歩きやすい道が続き、正午くらいには目的地の「エスティージャ|Estella」に到着。
今日は観光も何もせず、ちょっと凝った料理に挑戦してみようかなと思います。
まずは、イタリアのオシャレ料理カプレーゼから。
トマトとオリーブオイルはスペインの特産品なので材料が安く済む一品。多少値は張りましたが、ちゃんとバジルも挟んで作りました。
本当はレモンをさっと絞ると尚良いのだけど、買うの忘れた。
大半の巡礼者は外食か簡単な自炊、スーパーで買った総菜を食べるのが一般的。このように見た目の良い料理を食べていると他の巡礼者たちから一目置かれる存在になります。
カプレーゼには白ワインが良く合う。
残ったバジルはバックパックに入れて持ち歩いても日持ちがしないので、この際ジェノベーゼにしてしまいます。
ジェノベーゼを作るにはフードプロセッサーにかけるのが基本らしいですが、当然そんなものありません。
ではどうするか?
すり鉢に掛けるという方法もありますが、当然持ってない!
…と思いきや、ありました!
イランで買ったサフランを粉末にする用のやつ。小型のすり鉢を持ち歩く巡礼者の鑑である。
かなり小さいけどすり潰すことは可能なので頑張ってやりました。
ニンニクはすり鉢ではすり潰すことが出来なかったのでみじん切り。
もう既にこの段階で匂いはジェノベーゼ。
炒めて
熱湯消毒したマスタードの瓶に入れて完成。
本当はアーモンドや松の実も混ぜるそうですがそんなものありません。そこまでして自作するくらいならスーパーで売ってるやつを普通に買います。
まさか自分の人生でジェノベーゼなんてオシャレなものを作るなんて、本当に何があるか分かりませんな。
ジェノベーゼを作った後は、ズッキーニのガーリックステーキ。以前は塩のみの味付けでしたが今回はカレーパウダーで。
ずっと酒を飲みながら料理しているのでちょっと焦げました。しかし、酒のつまみなのでこのくらい焦げているのがちょうどいい。
昼過ぎからカプレーゼを作ってお酒を飲んでいたらあっという間に夜。
となれば晩御飯ですね。
ソーセージとズッキーニのジェノベーゼパスタ。わざわざ作って瓶詰めしたけどその日の内に使ってしまいました。
見た目はゴチャゴチャ、ソーセージが多すぎる気もするけど味はしっかりとジェノベーゼ。
この日は昼から夜寝る前までずっとお酒を飲んでいました。
フランス人の道で滞在するのはある程度の規模の街。大きなスーパーがあるしお酒も食材も安く手に入る。
これは仕方のない事なのです。
移動距離
プエンテ・ラ・レイナ→エスティージャ:22km
総移動距離:861.1km
巡礼宿情報
宿情報 | |
名前 | Albergue parroquial San Miguel de Estella |
住所 | Pl. Mercado Viejo, 18, 31200 Estella, Navarra, スペイン |
料金 | 寄付制 |
設備 | WiFi、自炊可能なキッチン |
32日目、人のホタテ貝を借りる
巡礼32日目。
どうも最近毎日飲み過ぎな気がするので、なんと今日は休肝日にすることにした!
私の肝臓は今日はお休みです。あまり酷使し過ぎて辞職されても困るのでね。
ところで、エスティージャの街を出るとすぐ待ち受けているのがワイナリー。
その一角には修道院があり、脇にある蛇口を捻るとそこから赤ワインが出てくるという夢のような場所があるんです。しかも無料。
フランス人の道ではみんな立ち寄る定番イベントの一つなんです。
残念なことに今日は休肝日と確固たる信念を持って決めたので、飲むわけにはいきませんね。
まあ飲みはしないけど、写真だけなら撮っていきましょう。
無料ではあるが飲む量は巡礼者がカバンなどに付けているホタテ貝に1杯分となっている。これがマナー。
しかし困ったぞ、いかんせん私の持っているホタテ貝は平べったい。
どう考えても液体を注ぐには向いていない。紐の部分に染み込ませてそれを啜ろうか?
人の尊厳などかなぐり捨てるか、それとも手で飲むか思案していたところ、韓国人の巡礼者がホタテ貝を貸してくれました。
「人のホタテ貝を借りる」
諺か何かのようで実は何の含みもないそのままの意味の言葉。おそらく世界中の人が人生で経験することの無い貴重な体験ができました。
休肝日にも関わらずさっそくお酒を飲んでこの表情である。
イスラム教国家など酒を飲めない状況下なら飲まなくても全然大丈夫だけど、手に届く範囲にあれば我慢できない。
少なくともまだアル中ではないことは確かなので大丈夫。
歩いているとたまに自転車に乗った巡礼者が後ろからやって来る。彼らは自転車のベルを鳴らしながら前を歩く人たちに存在を知らせ、道の脇に避けるように促しています。
この日は台湾人巡礼者がそれに気が付かず滅茶苦茶キレられていた。
喧嘩しないでほしい。横に広がって歩く歩行者も、高慢ちきな自転車も傍から見るとどっちもどっち。
肥沃な土地で豊かに実るブドウ。
いつもお世話になっています。これからもよろしくお願いします。
ブドウ畑に謝辞を述べてしばらくすると「ロス・アルコス|Los Arcos」に到着。
少し観光しましょうかね。
休肝日なので今日はお酒は無し。
せっかく健康を意識した日なのでお昼ご飯はキウイにしてみました。
生のフルーツってすごく健康的なイメージがありますよね。
調べてみたら、キウイにはビタミンCが多く含まれており、免疫能力の向上に効果があるんだそう。
軍人以上の肉体スペックを有する私は肉体のみならず、医者が太鼓判を押すほど重度の花粉症を改善させた超強力な免疫能力も備えているのであまり意味はない。
程よく運動をし、果物を食べてビタミンなんちゃらを摂取する。
そしてお酒は飲まず早めに寝る。
記憶に大きな異常がある以外はもの凄く健康的な生活ではありませんか?
翌日はリオハワインの有名な生産地ログローニョへと向かいます。
今日は酒を我慢したので明日たくさん楽しみたい所存です。
移動距離
エスティージャ→ロス・アルコス:21.4km
総移動距離:887.5km
巡礼宿情報
宿情報 | |
名前 | Public Albergue in Los Arcos |
住所 | C. San Lázaro, 8, 31210 Los Arcos, Navarra, スペイン |
料金 | ドミトリー、8ユーロ |
設備 | WiFi、自炊可能なキッチン |