巡礼30日目、フランス人の道の難所のひとつ悪魔が潜むペルドン峠

こんにちは。わらびです。

巡礼を始めてはやひと月、25kgの大荷物を抱えてどうなることか心配でしたが、とうとう肩が痛くなってまいりました。

一抹の不安を抱えた状態で、パンプローナの翌日は、悪魔が巡礼者を試すという言い伝えのある名所「ペルドン峠」を越えて先の村を目指します。

スペイン巡礼30日目

今日は、かの有名な…、どうかは分かりませんがフランス人の道の中では割かし有名な名所である「ペルドン峠」を越える日です。

この峠には、深い霧が立ち込め悪魔が巡礼者を試すとい言い伝えがある不気味なところ。

いったい何が待ち受けているのか気になりますね…

パンプローナ→プエンテ・ラ・レイナ

朝5時前、まだ日も昇らない内に同室の人たちが起きてガサゴソ荷造りし始める。

同室の巡礼者たちはみんな韓国や台湾人といったアジア人で何故かやたらと朝が早い。不必要なくらい早起きするおかげで物音によって目が覚める。こいつら悪魔かよ。

同室のアジア人につられ早起きし7時に出発。

パンプローナ市街を1時間ほどで抜けます。まだ8時前だというのに日は高く昇り気温も高くなり始める。

夏の間は朝早くに出発し、涼しいうちに距離を稼ぐというのがセオリーらしいです。

なんとも軟弱で矮小な考えなのでしょう。

虫唾が走るわ…

「Perdón|ペルドン」という名前にはスペイン語で「許し」という意味があり、これから越えるペルドン峠は深い霧が立ち込める名所。悪魔が巡礼者を試す場所とも言われています。

パンプローナを出て2時間、平坦だった道も緩やかな坂に変わり、遠くの稜線には風車が建っているのが見えてきます。

このペルドン峠は難所のひとつとも言われているようですが、勾配自体は大してきつくない。

緩やかな坂が5kmほど続くだけ。

途中一面に広がる綺麗なひまわり畑。ステキな光景。

ヒマワリは「サンフラワー」という呼び名から分かるように太陽の花。悪魔に対抗する力があるともされ、悪魔が潜むとされるペルドン峠の麓にあるのは偶然?

そして、ひまわり畑を過ぎたあたりから少し斜度が上がってきます。

この峠では霧の中に悪魔が出るとされていますが、今日は雲一つない快晴。悪魔など出そうな雰囲気もありませんが、ここにはとんでもない悪魔が潜んでいたのです。

登りが始まるとみんなペースが落ち、固まって歩くようになります。ここで重要な役割を果たすのが先頭を歩く人。

後続の巡礼者たちは、先頭の人のペースを基準にして歩くのですが、この時先頭が早過ぎたりすると後ろの人たちも無理して付いてこようとしちゃうんです。

中にはかなり無理して付いてくる人もいます。

さて、登りの怪物こと私はこの日もあっという間に先頭に躍り出て坂を駆け上がります。

後続なんてあっという間に引き離し単独で坂を進んでいくと、案の定無理して付いてこようとする若い巡礼者が数人。

とんでもないペースで坂を登って進む私に、頑張って追従する足音がいくつかある。

普通の人間が登りで私に付いてこようとするなんて、自転車で新幹線に追いつこうとするようなもの。

この日の巡礼者は本当に頑張って付いてきましたが、当然普通の人間なので坂がひと段落したところで潰れてしまいました。

いつもこうやって、坂道では後続の巡礼者たちを潰して遊んでいます。

何とも質の悪いことをやっていますが、本当の悪魔は心の中に潜んでいるのかもしれませんね。

後続をはるかに引き離しペルドン峠の頂上へと向かっていく。

風車が間近に見えてきて頂上まであと僅か。

峠の上にある有名なモニュメント、銅板で作られた14人の巡礼者の記念碑。

どうもこれが「星の旅人たち」という映画に登場してどうのこうの…

ということらしい。

私はその映画を見ていないので分からないし、多分ここに訪れる巡礼者のほとんども見ていないかと思われます。

しかし、映画云々は抜きにしても印象的な場所であることには変わりない。

峠を登り切った巡礼者たちはここでしばらく休憩し写真撮影をしていきます。

峠の稜線に沿って風車がたくさん立っていることから分かるように、ここでは常に風が吹いています。

坂を登って火照った体に吹き抜ける風が心地よい。

大きな石碑のもとに座ってパンを齧りしばし休憩。

汗でビショビショに濡れたシャツに風が吹き付けあっという間に体が冷える。食事も済んだので冷えた体を温めるために再び歩きはじめます。

10数キロ先に今日の目的地の村がある、目視できるかな?

峠の後は急な下り。

大粒の岩がゴロゴロ転がり踏ん張りがきかない。大荷物を抱えて歩くにはあまりにも危険な道。

登りで疲労が溜まった足にはこの下りはキツイかもしれないけど、足腰がやたら強い自分にとって大した苦は無い。

普通の人にとって難所でも、自分にとっては難所たりえない。

峠を越えて以降はひたすら平坦な道が続く。

じりじりとスペインのカラッとした日差しが照り付ける。

気温は30度を超えているけど、汗はそこまでかかない。

今日の目的地まであと少し、2kmくらい手前の村「オバノス|Obanos」。

今日の目的地「プエンテ・ラ・レイナ|Puente la Reina」。

日曜日だったのでどこのスーパーも午前で営業はお終い。村でまだ開いている商店があったので自炊用の食材とお酒を購入。

今日のご飯はサフランライスとサラミ、タマネギ、トマトのカレー炒め。トマトをつぶしてご飯と混ぜて食べると美味しい。

最近毎日似たようなメニューでちょっと飽きてきたかな?

ペルドン峠には悪魔が潜んでいるとのことでしたが、晴天と吹き抜ける風が心地よい。そんな悪魔とは無縁の爽やかな場所でした。

それにしても、まだ7月前だというのに連日30℃越えで本当に暑い。

まあ別段特に問題はないのですが。

移動距離

30日目

パンプローナ→プエンテ・ラ・レイナ:23.7km
総移動距離:839.1km

巡礼宿情報

宿情報
名前Albergue Padres Reparadores
住所31100 Puente La Reina – Gares, Navarre, スペイン
料金ドミトリー、9ユーロ
設備WiFi、自炊可能なキッチン

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