イスファハーンの世界遺産「マスジェデ・ジャーメ(金曜モスク)」

今晩は、ワラビです。

とうとう始まってしまったイランのイスファハーン観光。

日本を出る前からずっと楽しみにしていた憧れの地。とうとう開幕です。

イスファハーンといえばイマーム広場ですが、早く見に行きたいのをこぶしに血が滲むほど握りしめぐっと我慢。

私は何やかんや言って我慢できる子ちゃんなのである。

逸る気持ちを強靭な自制心とかそんなのでなんとか抑え、旧市街側にある世界遺産の金曜モスク「マスジェデ・ジャーメ」から観光を始めていきますよっと。

マスジェデ・ジャーメ(金曜モスク)

マスジェデ・ジャーメ」は、841年に建築が始まり、イランの金曜モスクとしては最も古く、それ以外にも初めてチャハールイーワーン様式で作られたモスク、イスラム王朝初の2重殻ドーム建築と歴史的に貴重なモスク。

もともとはササン朝ペルシアの宮殿だったものを改築し、イスラム初期の建築様式がベースになっています。

何度も改築が行われてきた歴史を持つため、どの部分がいつ完成したのか正確な年代が判明していません。

モスク内の装飾は場所によって大きく異なり、アッバース朝、セルジューク朝、ティムール朝、ムザッファル朝など、1200年に渡るイランのイスラム美術の進化の歴史をよく表しています。

イスファハーンのマスジェデ・ジャーメ(金曜モスク)」として世界遺産に登録。

チャハールイーワーン様式とは?

マスジェデ・ジャーメは歴史的に貴重なモスクですが、中でも特に重要なのが、イスラム建築では初めてとなる「チャハール・イーワーン様式」で作られたモスクということ。

観光する上では欠かせない知識となるので、軽ーく解説。

上の画像の建造物が「イーワーン」という建築で、一方に空間があり三方向に壁がある開放空間。

これらで中庭を4方向から囲むように配置した建築様式が「チャハール・イーワーン様式」。チャハールがペルシャ語で4という意味。

メッカの方向にあるイーワーンにはドームを架けて強調しているのが特徴。

模型で見ると分かり易くなっています。

中央アジアに広く浸透しこの建築様式が一般的。有名なところだと、ウズベキスタンのサマルカンドにあるレギスタン広場のモスクなんかがこれに該当しますね。

モスク建築では代表的な平面プランの一つになっていますが、その原点がこのマスジェデ・ジャーメなんです。

イスラム初期の建築様式

このモスクは、改修前の宮殿時代を含め約1000年以上に渡り増改築が行われてきたためどの部分がいつ作られたのか正確な年代が判明していません

入り口付近のエリアは一番古い部分とされ、装飾もほとんどないイスラム初期の建築様式なんだそうです。

もともとは、ササン朝ペルシア時代に建設された宮殿だった建物を改修したそうなので、もしかしたらイスラム教ができる以前のものかもしれません。

超歴史スペクタルとかそんな感じのアレに浸るのにはぴったり。

メッカの方向を示すミフラーブ。

イラン・イスラム美術1200年の進化

中庭を囲むイーワーンはそれぞれ異なる時期に作られているので、よく観察すると微妙に異なる様式で作られているのが分かるかと思います。

まあ詳しい年代は分からないんですけど。

これを見るとイランスラム美術1200年の歴史が大まかに分かるのではないかと思われます。

このように、ラーメンのどんぶりによく書かれている迷路みたいな模様とかね。いったいどの時代のものなんでしょう?

中国からシルクロードを渡って来たのかな?

遠目で見ると装飾もそうですが、イーワーンの形自体も全く異なるのが丸わかり。

まさか自分がイスラム建築の違いが分かる男になる日が来るなんて思っても見ませんでした。

だからなんだという話ですよね。

違いが分かったところで自慢するタイミングが全くない。

2重殻ドーム

メッカの方角に建てられたイーワーンには、イスラム王朝初となる2重殻ドームが付いています。

外から見ただけでは分かりませんが、内側にあるドームが外側の露出したドームの支えとなり、より高く大きいドームを作る技法。

画像ではドーム自体あまり見えないのですが、外から見えているドームの中にもう一個のドームがあります。

これまたチャハールイーワーン同様、中央アジアで広くみられる建築技法。

グランドバザール

金曜モスクにはグランドバザールが隣接し、ここから2km先にあるイマーム広場北のカイセリ門までつながっています。

どうでもいいけど皆さん、金曜モスクは必ずバザールに隣接して作られているって知っていました?

まあ、他の記事でもたびたび説明しているので、今さらもう説明する必要はないと思われます。

でもね、話のレパートリーが無い奴と思われようが構わない!

イスラム教に関する知識を自慢し悦に浸りたいので、ここでもあえて説明させていただきます。

なぜ金曜モスクとバザールは必ず隣接して作られているかといいますと、これはイスラム教の開祖ムハンマドの前職である商人が関係し、商い中の商人たちが仕事を切り上げてすぐに礼拝に向かえるようにとの配慮、そして礼拝帰りの信者たちをバザールで買い物して帰らせるねらい。

商人たちへの配慮と経済活性化ふたつの目的があるそうです。

以上、知識自慢おわり。

驚くことに、バイクにまたがったイラン人のおじさん発見!

ここ、モスク内ですよ?しかも世界遺産の。

グランドバザールに隣接したつくりになっているので、このようにバイクや自転車がちょいちょい入り込んできます。

バイクで乗り込み可能な世界遺産。

おわり

この金曜モスク、イマーム広場と比べると少し地味で観光客があまり来ない様子でした。

ですが、単純な見た目の派手さ美しさだけではなく、そこに内包された歴史や人々の営み、そういったストーリーを含めて観光を楽しみたいものですね。

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