【巡礼14~16日目】ラスカバヌ~サン・タントワーヌ。土砂降りと優しいネコ

こんにちわ、わらびです。

今回はスペイン巡礼「ル・ピュイの道」、14~16日目まで歩いた時の記録になります。

総移動距離は400kmを過ぎル・ピュイの道も半分を歩いてきました。

体には未だ不調も何もありません、おそらくこれからも無いのでしょう。

巡礼14~16日の様子

  • 14日目
    • ラスカバヌ→ロゼルト
  • 15日目
    • ロゼルト→モアサック
  • 16日目
    • モアサック→サント・アントワーヌ

14日目、大雨

巡礼14日目。

今日の移動も20kmちょっととほぼ無いに等しい。いつもと変わり映えしない毎日が始まるのであった。

いつも通りのありふれた日常が今日も続くものだと思っていました。

明らかに何かが起きる前振り。

突如、アスリートのように長くて筋肉質な足を披露。

途中通過した村の近くには、スーパーマーケットがあるので巡礼路から大幅に逸れて買い物へ。

当然購入したのはビール、そしてスプライト。

どうせ急ぐ用も無いので、ここでゆっくりと朝食のバゲットと一緒に食べます。

というか朝から酒って…

目的地まであと1時間少しという距離。何だか雲行きが怪しくなってまいりました。

コンクを過ぎて以降、標高も下がり雨が降ることはありませんでした。

まあ?最近雨が降ること無かったし今日もどうせ降らないでしょう。

むしろ雲が出ているおかげで涼しくていいではありませんか?

どうせ降らないだろうけど、あと6kmくらいなのでちょっと速度を上げて先を急ぎます。

…どう考えても死亡フラグである。

ほらね。

さっき盛大にフラグを建てたので、雨が降ってきました。しかもとんでもない大雨。

山の中で突如降りだしてきたので、雨宿りできるような場所もありません。

軽い雨だったら木陰でしのぐこともできるだろうけど、木々の間からシャワーのように流れてくる雨。

フランスの自然は時として容赦なく牙をむくのである。

その内止むだろうとタカをくくっていましたが、全然止まない。

それどころか強くなる一方。

今まで雨が降ってもせいぜい30分程度。いつも雨宿りするようにしていたので、雨の中歩き続けるのは今日が初めて。

雨合羽を着ているので服とバックパックは濡れずに済みましたが、靴はびちょびちょ。

大雨のせいで巡礼路は全て水没。

ここを通るしか無いけども、すでに靴はびしょ濡れ。

もうびしょ濡れなので仮に川の中だろうが歩いても問題ありません。

しかし、これから更に泥だらけにもならないといけないのか…

それにしても凄い雨だったのでこうやってポンチョの先を持って雨水を溜めていました。

一体これに何の意味があるのか?

そう思う方もいるかもしれません。

しかしこれにはどんな時でも遊び心を忘れない、つらい時こそ楽しんでいこうという意味が込められているのかもしれません。

土砂降りのお陰で1リットルは優に超える量が溜まっていましたが、下りで転んで全て溢してしまいました。

無論、こんなことをしているから両手が塞がり転んだのは言うまでもありません。

本来マイナスとされる雨の巡礼路。能天気なおかげでエンジョイできています。

いったい何をしているんだか?

土砂降りの中歩き続けること2時間。

丘の上にある街「ロゼルト|Lauzerte」が見えて来たところでやっと雨が弱まる。

初めて靴までびしょ濡れになって歩いた日。

雨が止んだ後もどんよりとした曇り空で中々洗濯物も乾かない。新聞紙を突っ込んでおいても太陽が出ないから靴も乾かねえ。

臭くなるんだろうな…

嫌なことは酒で忘れよう。

移動距離

14日目

ラスカバヌ→ロゼルト:23.7km
総移動距離:386.1km

巡礼宿情報

宿情報
名前Gîte Les Figuiers
住所25 Chem. du Coudounie, 82110 Lauzerte, フランス
料金ドミトリー、23ユーロ
設備料金に朝食込み、WiFi

15日目、休憩忘れ

巡礼15日目。

今日もまた何もない1日が始まる。

朝起きた瞬間から夜飲むビールのことを考えながら歩きだす。悲しい行進のはじまりである。

前日雨のせいで観光に行けなかったロゼルトの街。

丘の上にある城塞都市。

今日は土曜日なので街の広場では市場が開催されるようでした。

街の広場近辺では巡礼路のマークが見つけにくいので正直苦手。

市場が始まるのはもう少ししてから。

そこまで興味は無いので先へと進む。

高床式のような教会。

豊穣。

ここからフランスの美味しいパンは作られるのです。

ビックリするほど何も考えずに歩いているのでたまに道を間違える。

出発してから7時間、「モアサック|Moissac」に到着。

そういえば、今日はずっとぼーっとしながら歩いていたので、休憩するのを忘れていた。

普通の人間であれば何キロも続けて歩くのはしんどいので休憩を挟むが、自分の場合は全く疲れないのでこうして休憩し忘れることがある。

おそらく、水さえあれば2日程度は問題なく動ける。

夢の次世代機関みたいな体。

モアサックは美しい歴史的建造物が残る観光都市。

ル・ピュイの道には小さい村ばかりで、モアサックのような観光地的な街というのは珍しい。

しかし、花より団子、観光より酒。

晩御飯の買い出しついでに街をちらりと観光し、クッキングスタート!

野菜がたくさん入ったスープパスタを作ります。

完成した画像は撮り忘れ。

蚊が多かったので腰にアース製薬の「おそとでノーマット」を付ける。

何か役に立つかもしれないと海外に持って来たはいいけど、全然活躍の機会が無く捨てようかなと思っていたのがこんなところで役に立つとは。

まあ、蚊に刺されまくって全然役には立ちませんでしたけど。

この日同じ宿の巡礼者から聞いたのですが、自分はやたらデカい荷物を持って歩いている巡礼者としてちょっと有名になっているそうです。

移動距離

15日目

ロゼルト→モアサック:30.2km
総移動距離:416.3km

巡礼宿情報

宿情報
名前Gîte La Petite Lumière
住所1183 Chem. du Calvaire, 82200 Moissac, フランス
料金ドミトリー、17ユーロ
設備WiFi、自炊可能なキッチン、有料の夕食サービス
備考キッチンの利用には1ユーロ必要

16日目、優しいネコさん

巡礼16日目。

今日はバラの花びらを散らした紅茶から始まる。これが朝食。

食用のバラなので食べれるし、これがシャリシャリ食感で意外に美味。

優雅に朝食を済ませたところで出発。

今日は日曜なのでどこのスーパーも午前で閉店、街を出る前に買い物は済ませておきます。

スーパーの開店を地元の人たちと待つ。

水やらジュースやらワインやらいろいろ買いこみいつもより荷物が重くなる。

そしてビールも購入してしまった…

本当に、本当に一体何をやっているんだか…

もはや朝っぱらから酒を飲むようになるなんてダメ人間の極みじゃないですか?

しかも働いていないんですよ、私。

今日は日曜日。街の広場では市場が開かれていたので軽く見学。

日曜日なら朝から酒を飲んでいてもおかしくありませんね?

なんせお休みなんですから?

美味しそうなオリーブの漬物を200gほどゲット。これを今晩のおつまみにしましょう。

何はともあれ、ビールと共にオリーブを軽くつまみながら街を出る。この時午前9時。巡礼者の中では断トツで遅い出発である。

しかも酒を飲んでいるときた。

この上ないダメ巡礼者。

さて今日の巡礼路はというと、街を出てしばらくするとかなり急な上りが数カ所。

難所の類が待ち受けていました。

当然、他の巡礼者たちは途中何度も休憩を挟みながら登るのだが、自分の場合はあっという間に登りきる。

しかも25キロの荷物と酒が少々入った状態で。

今まで通ってきたどんな急な坂でも足に疲労がたまることはなく、どれだけ酔っていようとも険しい岩場も難なく踏破。

難所を抜けるころには先行する巡礼者たちを何人も抜き去り遅れも取り戻す。

坂道の怪物ここにあり。

難所を抜けるとあとはひたすら舗装された道と平坦な道路が続く。

それにしても今日は暑い。

途中の街ではスーパーに立ち寄りコーラ(偽)の1.5リットルを買う。これが今日のお昼ご飯。

水分補給なしで炎天下の中ハーフマラソンを走りぬく体力があるので、意外とそこまで水分を取らなくても大丈夫だったりする。

実は、普通の人間であれば死んでいるような状況でも問題なく動くことが出来る。

主観でも客観で見ても本当に狂った能力を有している。

どうでもいいけど、モアサックの宿で貰った造花を帽子に挿しています。

可愛いでしょう?

これはお気に入りなので、最後まで巡礼を共にする新たな仲間になりました。

川沿いの道。

遠くには巨大な塔?

火力発電所の煙突か何か。

この日の気温は30℃。暑い中ひたすら歩く。

バックパックの横にワインが入っているので、こんな高温にさらされてしまったら品質が悪くなってしまいそう。

別にアルコールが入っていればそれでいいので味なんて二の次なんですけどね。

途中通りかかった村。

ここは巡礼宿も多く多くの巡礼者が拠点に選ぶそうですが、安い宿が予約できなかったので次の村が宿泊地になりました。

こんな日に限ってやたら暑いのは何故か?

そしてワインもあるので、いつもより荷物が重い。

これは自業自得だけど。

巡礼者に対する試練なのか?

歩き続けていると、草むらからネズミを咥えたネコさんが出てきました。

弱肉強食、自然の厳しさを垣間見た瞬間。

このネコさん、なぜか足元にやってきてネズミを落とすではありませんか?

ニャーニャー鳴きながらこちらを見てきます。

おそらく自分にくれるということなのでしょう。

出会って数秒の他人に自分の食事をあげる。

自らは野生で日々の糧を得るのにも苦労し、何も食べれない日もあるだろうに…

本当に信じられないくらい優しいネコさん。

でも、さすがにネズミはいらないのでその場を立ち去る。

気持ちだけで十分です。

ありがとうございますネコさん。

毎日同じような事ばかりで飽きてきた巡礼の日常。道端で出会った親切なネコに心動かされ、また明日からも頑張ろうと、そう思わされました。

ここ最近で一番感動した出来事。

少し先で豪雨が降り始めたころ、目的地の「サン・タントワーヌ|Saint-Antoine」に到着。

今日は元療養所だった巡礼宿に宿泊します。

雰囲気がちょっと怖い。

サン・タントワーヌはとても小さな村。

教会があるくらいで特に目ぼしいようなものもありませんが、見つけてしまいました。

運動公園!

小さい村には似つかわしくない大きな公園。

そんな人口いない村なのに卓球台とかあって色々充実している。

ブランコがあったので乗ってみました。

一体何年ぶりだろう?ブランコに乗るなんて。

移動距離

16日目

モアサック→サント・アントワーヌ:28.8km
総移動距離:445.1km

巡礼宿情報

宿情報
名前Gite de st Antoine
住所4 route de gascogne, 32340 Saint-Antoine, フランス
料金ドミトリー、16ユーロ
設備WiFi無し、自炊可能なキッチン、有料の食事サービス

夜はモアサックの朝市で買ってきたオリーブの酢漬けとワインで晩酌。

これはニンニクも一緒に漬けられ美味しくお酒のおつまみにもピッタリ。

朝市でよく売られているみたいなので、これからは見つけ次第買うことにしましょう。

巡礼の新たな楽しみができました。

この日は、朝っぱらからの飲酒に始まり、帽子に挿した造花、道中出会った優しいネコさん、美味しいオリーブの酢漬け。

飽き飽きしていた巡礼の日々に新たな変化や楽しみ、心動かされる出来事があり印象的な一日でした。

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