こんばんは。わらびです。
今回はスペイン巡礼48日目、「フランス人の道」の記録。
難所の一つといわれるイラゴ峠を越え、美味しいスペイン料理もたくさん作ります。
巡礼48日目の出来事
48日目①、イラゴ峠越え
巡礼48日目。
フランス人の道には峠を越える難所がペルドン峠、イラゴ峠、オ・セブレイロ峠の3つあります。
本日はそのうちのひとつ、フランス人の道では最高地点となるイラゴ峠を越えてポンフェラダを目指します。
今いる場所は標高1000mくらいなので、朝出発する時点では非常に寒い。クソ寒い。
上着がバックパックの奥にしまってあるので取り出すのが面倒。
今まで歩いて来た乾燥した高温地帯のメセタ台地とは大きく気候が変わってくる。気温の高低差が激しいと体調を崩す巡礼者もいるようだが、どうやら自分には関係ないようです。
山をなめている訳ではありませんが、いつも通り半袖で出発。
正確な気温は分かりませんが、おそらく10℃以下。空気が肌を刺すように痛い。
徐々に高度を上げて山へ入り峠の途中の「フォンセバドン|Foncebadón」に到着。
小さい村で巡礼宿が数件とバルがあるだけ。
峠道を越える前の最後の休憩地点だけど、まだ歩き始めて1時間程度。空気はひんやりしてて汗もかいてない、もちろん疲れもない。
私に休憩なんて不要なのである。
この気温にはネコも寒いらしく、太陽の当たる場所で固まって寝ている。
巡礼路のネコには人懐っこい子が多いけど、ここの子たちは人が苦手な様子。近づくとすぐ散り散りに。
サンティアゴデコンポステーラまであと236km。
大荷物を抱えてよくここまでやってこれたものです。
いよいよイラゴ峠を登り、フランス人の道の最高地点へ。
普通の人間の感覚を持ち合わせていない自分には全く理解できませんが、ここは難所のひとつらしい。
坂の斜度自体は大してきつくないのですが、問題は道の悪さ。
これはまだマシな方ですが、基本的にこんな岩場が登り降り問わず15kmほど続きます。
ル・ピュイの道ではこれよりもっと酷い道がたくさんありましたが、スペイン側の道しか知らない軟弱な巡礼者たちからしてみれば紛う事なき難所である。
イラゴ峠の象徴的な一場面である「鉄の十字架」
道の脇に小高く盛られた丘があり、その上に高く聳える十字架が建てられています。
柱には巡礼のシンボルであるホタテ貝やカラフルな紐が結び付けられているが、最も重要なのはその足元に転がる石。
ここには巡礼者たちが祈りを込めた石を置いていく。自らの名前や写真十字架、様々なことが書かれた石が足元に積み上げられ、中には地元から持参した石を置いていく人もいるそうです。
転んだら大怪我必死の岩場。普通の巡礼者たちはここを抜けるだけでも途中何度も休憩を取り5時間ほどかかります。
一方私は、久しぶりの悪路にテンションが舞い上がりわずか3時間ほどで小走りで駆け抜けるのでした。悪路のほうが肩にかかる負担が少ないので嬉しくなってしまうんです。
周りから見ると大荷物背負って岩場を軽々駆け抜けるただの化け物。
巡礼も終盤に差し掛かり、靴の裏が薄くなってきた。母指球あたりの溝はすでになくなりツルツル状態。
こんな岩場を歩くとさすがに足の裏に石が刺さるようで痛い…ので、器用にかかととつま先部分を選んでとがった岩場を駆け抜ける。
やっぱりただの化け物。
そして山の上の方なので景色もすこぶる良い。今日は一眼カメラがよく活躍する。
道の先に見える雲。
何たる天空感。
ピレネー山脈が最高地点だと思っていたのですが、どうもこのイラゴ峠がフランス人の道の最高地点だそう。
眼下に広がる小さな集落。
青森県で生まれ育った私が言えたことではありませんけど、こんな所にも人が住んでいるのですね。
道の両脇には紫の花が咲き乱れこの地に夏の訪れを告げています。
今日はテンションが高いので道端の花もクローズアップしてみました。
ヒースという名前らしいです。
今まで毎日変わり映えの無い景色と思っていましたが、もしかしたら私が見ようとしなかっただけで、そこには今日のように巡礼者を祝福する光景が広がっていたのです。
知らんけど。
難所と呼ばれるイラゴ峠ですが次々と巡礼者を追い抜き3時間で通り抜ける。正直どこが難所なのか全くわかりませんでした。
峠を降りてすぐの村「エル・アセボ・デ・サン・ミゲル|El Acebo de San Miguel」。
大して疲れていないので休憩せずにスルー。
看板の落書き。
海外でも人気があるようですね。
ポンフェラダの少し手前の村「モリーナセカ|Molinaseca」。
今日の目的地まであと少し。
ポンフェラダで遅めの昼食でもしようかなと少し悩むも、長めの悪路も歩き終え少し疲れたのでしっかりと休憩をとることに。
今日のお昼ご飯は何と…
1リットルの瓶ビールを買ってしまいました。
缶ビールならよく飲んでいましたが、瓶ビールを買うのは初。キンキンに冷えていたのでこれはしょうがない。ここにきて新たな挑戦である。
巡礼中に小さな缶ビールを飲む人ならいるけど、大きな瓶ビールを飲むやつなんてまずいない。通り過ぎていく巡礼者たちの引き気味の視線が刺さるがそんなの気にしない。
自分のしたいようにする
私はそうやって生きていくのだ。
今日の目的地「ポンフェラダ|Ponferrada」は少し大きな街、スーパーマーケットも充実しているので新しい料理にでも挑戦してみましょう。
②スペイン料理クッキング
さあて今日は何と、新しいスペイン料理に挑戦してみようと思います。
なくなったオリーブオイルを再補充。前使ってたやつは500mlだったけど今回のは750ml。
また重くなってしまったけどまあいいか!
もうこれ以上肩が悪くなりようは無いだろうし。
ついでに唐辛子の小瓶も購入。唐辛子は12gの容量、軽いしカビも生えない優れもの。
巡礼自体はあと2週間ほどで終了する予定なので、たった2週間で750mlのオリーブオイルを消費しきるために、これからはふんだんに使ったメニューを作っていきます。
途中経過は省くとして、今日作ったのがコレ。
マッシュルームとイカ、エビのアヒージョ。
エビの頭は旨みとか出るかなーと思って入れてみたものの、どれほど効果があったかは不明。
イカは自分でワタ取って洗って下処理して、エビもしっかり背ワタを処理しました。初めてイカを捌きましたが意外と簡単なものなんですね。
そして味に関しては言うまでも無し。
普通に美味!
自炊以外でアヒージョを食べたことが無いのでお店の味が分からない。
マッシュルームが余ったので、アヒージョの旨みが詰まったオリーブオイルでタパスも作ってみました。
味はほぼアヒージョ。
そして、いつも上に乗っけるジェノベーゼさんはカビが生えていたのでここでお別れ。今までありがとう、ジェノベーゼ。
ずっと食べてばかりだけどラストはシーフードパエリアを作ります。
ニンニクとタマネギ、イカを炒め、
イカに火が通ったら米を炒めサフラン、赤ワイン、コンソメキューブを加えます。
ある程度水が少なくなってきたら具材を入れて、最後は強火で1分。
その後火を止めて5分蒸す。
おら!
凄く良い色で美味しそうな出来栄えではありませんか。
今日は久しぶりに30km以上歩いてきたので少し塩を濃い目にした味付け。
これがワインにとっても合うんです。
底にはおこげもできてて香ばしいくて美味しい。
日々料理の腕が上達しているけど、いずれの料理もお店で食べたことが無いので、ちゃんとした料理人が作るものとどのくらい違うのか不明。
他の巡礼者たちに見せつけるように豪華な料理を肴に酒をかっくらう。そういえば今日どのくらい飲んだんだっけ?
まあいいか!
移動距離
ラバナル・デル・カミーノ→ポンフェラダ:32.2km
総移動距離:1,314.8km
巡礼宿情報
宿情報 | |
名前 | Albergue de Peregrinos San Nicolás de Flue |
住所 | C. Obispo Camilo Lorenzo, 2, 24400 Ponferrada, León, スペイン |
料金 | ドミトリー、寄付制 |
設備 | WiFi、自炊可能なキッチン |