【巡礼49~51日目】ポンフェラダ~トリアカステーラ。最後の峠越え

こんにちわ、わらびです。

今回はスペイン巡礼49~51日目、「フランス人の道」の記録になります。

50日目はフランス人の道にある3つの峠、ペルドン峠イラゴ峠、そして最後のひとつオ・セブレイロ峠を越えます。

巡礼49~51日目の出来事

  • 49日目
    • ポンフェラダ→ビジャフランカ・デル・ビエルソ
  • 50日目
    • ビジャフランカ・デル・ビエルソ→リニャーレス
  • 51日目
    • リニャーレス→トリアカステーラ

49日目、ノートパソコンが逝った日

巡礼49日目。

今日は珍しく朝ご飯。

前日食べきることができなかった生ハムをバゲットに挟んで食べます。さすがにアヒージョとタパス、パエリアを食べた後では晩酌できずに残してしまったのです。

私はフードロス問題に真摯に取り組む巡礼者なのである。

ボソボソのバゲットとしょっぱい生ハムで、たいして美味しくない朝食を済ませ出発。

まだ日も登りきらないポンフェラダの街。

一応観光地的な街だけど前日酒ばかり飲んでいたのでどんな街かは知らない。

巡礼の長い道のり、こんなこともあるだろうさ。

昨日飲み切れなかったビールを片手に歩く。

そう、今日も久方ぶりの朝から酒。生産者のことを考えると当然だけど、残したり捨てるという選択肢はない。

ほろ酔い状態で歩いていると面白そうな遊具を発見。

日本では安全性の観点から、ブランコやジャングルジムなどの鉄製遊具が次々と撤去されているそうです。フランスでも例に漏れず蜘蛛の巣みたいな遊具がありました。

数年前地元に帰った際、子供のころによく遊んだジャングルジムがこの蜘蛛の巣に変わっていたのを見て、移ろいゆく時代を感じたものです。

まだ日も登りきらぬポンフェラダの外れにある公園、そこには大荷物を背負って遊具で遊ぶ男の姿があった。

無論、言うまでもなく私である。

この日の道中は、初っ端からアホなことしていた以外は特筆すべきことが無いので割愛。

目的地の「ビジャフランカ・デル・ビエルソ|Villafranca del Bierzo」

この村の巡礼宿で事件は起こった。

いつも通り、昼でもなく夜でもない微妙な時間から料理を作りワインを飲む。

作業も一区切りついたので本腰を入れて酒を飲もうとした矢先、コルクがキーボードの上に乗っているのに気が付かずにパソコンを畳み「べっぎゅむっ」という変な音を立ててしまう。

ほんのわずかな焦りを感じつつ、特に問題は無いだろうと余裕を気取りつつパソコンの電源を付けるも…

変なブザー音を鳴らすだけで画面が全くつかない。

何度繰り返しても同じ。

画面は付かない、変なブザー音だけが鳴り続ける。

巡礼49日目、この日パソコンが逝ってしまったのである。

過酷な巡礼の道のりの最中、雨で水没したや転んで下敷きにしてしまったとかではなく、ワインのコルクを挟んだという訳の分からない理由でパソコンがぶっ壊れる。

自分らしいと言えば自分らしい理由。とりあえず超ショック。

移動距離

49日目

ポンフェラダ→ビジャフランカ・デル・ビエルソ:24.7km
総移動距離:1,339.5km

巡礼宿情報

宿情報
名前Public Albergue of Villafranca del Bierzo
住所24500 Villafranca del Bierzo, León, スペイン
料金ドミトリー、8ユーロ
設備WiFi、自炊可能なキッチン

50日目、オ・セブレイロ峠

巡礼50日目。

朝起きてパソコンの電源を付けてみるも、やはり変なブザー音が鳴るだけで画面が付かない。機械には人間のような自己修復機能は無いみたいです。

今日もまた日も昇らぬうちに出発。

今日はフランス人の道では最後の難所となるオ・セブレイロ峠を越えます。

街を出るとすぐに山へ。

綺麗な虹が出てる。普通の人間であれば綺麗とかあたり障りのない感想を抱くのだろう。しかし、虹が出ているということは雨が降っていたということ。

山の天気は変わりやすいというし、これから降るかもしれない。

テンション下がるなあ…

それはそうとしっかりと写真を撮って虹は堪能する。

しばらく歩くと、やっぱり雨が降って来た。

小雨の降る中、通り過ぎていく巡礼者を見つめる犬に出会う。

愛いやつめ。

10時のおやつタイム。

ビールとエナドリにスナック菓子。いつもはビール2本なのだが、今日は控えてみた。

郵便局の前のベンチに座ってビールを飲んでいると、通り過ぎていく巡礼者たちが怪訝な目を向けてくる。今さらだけどもう慣れっこ。

エナジードリンクで不要なエナジーを補充し再び歩きはじめます。

そこまで強くないが雨が降っている。

終盤に差し掛かる頃、数キロ続く登り坂が。

おそらくコレが最後の難所とされるオ・セブレイロ峠。

悪天候と寒さ、足元の悪さが巡礼者たちの魂をゴリゴリ削る。かくいう私の肩もとうに限界。

標高も1000mを越え雨も降っているのでかなり寒い。

肩が痛い、引くほど痛い。

最後の難所と言われるオ・セブレイロ峠。

坂の斜度、道の悪さ、長さも今まで越えて来た道と比べてみても難所を名乗るには烏滸がましいレベル。

しかし今日はぶっ壊れたパソコンの精神的ショックにくわえ雨、そして耐えがたいほどの肩の激痛。せめて肩の骨が折れていたらこれを言い訳に堂々とリタイアできるのだが…

何で折れてないんだよ肩、折れなさいよ肩。

スペインの山中にパソコン捨てて行こう行こかな?

雨が強くなる。

誰もいない山道、気合を入れるためかはたまた怒りの咆哮なのか?

雄叫びをあげながら歩く巡礼者の姿がそこにはあった。

当然私である。

峠を越え雨が降りやむころに眼下に数軒の家がある小さな小さな村「リニャーレス|Liñares」が広がっていた。

折れた心と、感覚的には折れているであろう肩。やっとのことでたどり着いて目にしたその光景は、この巡礼中で見たどんな光景よりも神秘的で美しいものでした。

今日のメニューは、ソーセージとタマネギ、ズッキーニをカレー粉とマスタードで炒めた何か。

よく作るけど名前は無い。

最後の難所オ・セブレイロ峠。道自体は全然大したことはありませんでしたが、精神的ショック、雨、肩の痛みも相まって最も過酷な道のりでした。

移動距離

50日目

ビジャフランカ・デル・ビエルソ→リニャーレス:31km
総移動距離:1,370.5km

巡礼宿情報

宿情報
名前Albergue Linar do Rei
住所27671 Liñares, Lugo, スペイン
料金ドミトリー、12ユーロ
設備WiFi、自炊可能なキッチン

51日目、山の景色とミーアキャットおじさん

巡礼51日目。

気づいたら残すところあと1週間。

そして壊れたpcもドライバー一本あれば治せるかもしれないことが判明。どうなるか知らないけど、まあ治らなかったら日本に帰ろうかな。

それはそうと今日の道のり。

朝8時、今日の距離も大したこと無いので結構遅めに宿を出る。

今いる場所が標高1200mくらいなので、ある程度日が昇ってから出発するのです。

上着はカバンの底から引っ張り出すのが面倒なので着るという選択肢はない。

日が昇ってもまだまだ寒いので、木々の隙間から差し込む日光を浴びて温まる。

なるほどね、ミーアキャットの気持ちが理解できます。

ミーアキャットは問答無用で可愛いが、大荷物抱えた筋骨隆々なおっさんが日向ぼっこしている絵はどう頑張っても可愛くはならない。

山の美しい景色を堪能したりする。

この頃になると暖かくなってきて心地よい。

ここからはずっと平地が続くらしい。

平地では肩にかかる負担が大きいので自分にとってはここからが正念場。どうにかもってくれよ俺の肩。もしくはベキッとへし折れてリタイアする口実を下さい。

本日はほとんど汗をかくこともなく目的地の「トリアカステーラ|Triacastela」に到着。

村を散策中、こんな物を発見。

つい最近作られたものらしい。

終着点のサンティアゴデコンポステーラまであと130km。

日曜日なのでスーパーなどの店舗はすべてお休み。珍しくバルでビールを飲みます。

お店の人に何か軽くつまむものは無いかと聞いてみたところ、オリーブの酢漬けを無料で頂いてしまった。

フランスでは市場で買うことが多かった酒のつまみ。久しぶりに食べてみたけどやっぱり美味しい。

明日は多くの巡礼者が出発点として選ぶサリアへと向かいます。

移動距離

51日目

リニャーレス→トリアカステーラ:17.7km
総移動距離:1,388.2km

巡礼宿情報

宿情報
名前Albergue Aitzenea
住所Praza de Vista Alegre, 1, 27632 Triacastela, Lugo, スペイン
料金ドミトリー、10ユーロ
設備WiFi、自炊可能なキッチン

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