こんにちわ。わらびです。
フランスの巡礼路で最も人気の高いル・ピュイの道。
全巡礼路の中で最も人気の高いフランス人の道。
この2つを歩いた経験から天気や道の状況について比較していきます。
是非参考にしてみてね。
もくじ
ル・ピュイの道
「ル・ピュイの道」は、ル・ピュイ・アン・ヴレから、フランス人の道の始まりであるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーまで続く約740kmの道。
フランス国内の巡礼路では最も美しく人気のあるルートです。
ル・ピュイ・アン・ヴレ〜コンクまでの区間は、風光明媚な景色の連続で、非常に多くの巡礼者が歩きます。
私がル・ピュイの道を歩いたのは、2023年5月28日〜6月22日の26日間。
その間の天気や道の状況について紹介します。
5月末はフランスの大型連休なので、この時期は特に人が多くなり、宿が不足気味になります。
道の状況
フランス側では一番巡礼者が多い道ですが、殆どが未舗装路で悪路も多くあります。
序盤から中盤にかけては、山岳地帯で毎日アップダウンの連続。
ハードな箇所も多くあり、コンクを出てすぐの山道は、濡れた岩場と急な坂道が約2kmに渡って続き、巡礼中に歩いた中では最も険しい道でした。
雨がよく降る時期は、泥濘や水没している場所もたくさんあります。
悪路と呼ぶにふさわしい道ばかりで、まともに歩くことすらできない場所も珍しくありません。
怪我人も続出しているのか、腕にギプスを巻きながら歩く人もよく見かけました…、
折れたのならもう帰ったほうがいいと思う。
分岐ルートに関しては、殆ど人が通らないので倒木が道を塞いでたりもします。
全体的に道が悪くハード。
それでも、巡礼者には年配の方多く、彼らでもトレッキングポールがあればなんとか踏破できるレベル。
この道では、荷物を最低限にするか、配送サービスを使うのが良いでしょう。
- 1時間あたりの移動距離:3〜4km
- 1日の推奨移動距離:15〜25km
天気
6月のル・ピュイの道は、雨がよく降ります。
この道の天気は、
- ル・ピュイ・アン・ヴレ〜コンク
- コンク以降
の2つに分かれます。
- ル・ピュイ・アン・ヴレ〜コンク
- 標高が高いので朝晩は冷える
- 午前は晴れる
- 毎日雨が降る
- コンク以降
- 夕立ちが多い
- 全体的に不安定
ル・ピュイ・アン・ヴレ〜コンク
序盤の山間部、ル・ピュイ・アン・ヴレ〜コンクに関しては降水確率が100%なので、雨具は必須です。
午前中は晴れていることが多く、昼あたりから天気が崩れます。
標高が高いので朝晩は冷え込みます。
この時期は花粉の飛散量が凄いことになっているので、花粉症の人は対策を忘れずに。
雨は毎日2回。
最初は昼過ぎに30分くらい。次は16:00以降に土砂降りという、非常に規則正しい雨の降り方でした。
お昼の雨はすぐ止むし、その間は昼食でも摂ればいいので問題ありません。
土砂降りは避けたいので、16:00までに宿に到着しておきたいところ。
規則正しい天候なので、対応はし易いかと思います。
洗濯物は1日では乾かないので、バックパックに結びつけて歩くこともありました。
コンク以降
コンク以降は標高が下がり、気温は上がります、
6月の気温は25℃前後ですが、湿度が高く、道も険しいのでかなり汗をかきます。
晴れと曇りは半分ずつくらいの割合。
雨も多く、4日に1度くらいは降っていました。
日当たりの悪い場所、水はけの悪い道はずっとぬかるんだまま。
毎日ではないけど、夕立が降ることもよくあったので、ここでも16:00までには宿に到着しましょう。
巡礼宿
ル・ピュイの道の宿泊場所は「Gîte|ジットゥ」と呼ばれる、個人宅の空いている部屋をドミトリーとして貸し出しているものが一般的。
利用に際しては事前予約が必要。
序盤の宿は不足気味で、最も人気の高い区間であるル・ピュイ・アン・ヴレ〜コンクまでは、宿が足りていない状態。ハイシーズンともなると、各ステージの拠点となる町の宿に飛び込みで泊まるのは難しい。
後半になるにつれ、徐々に巡礼者の数も少なくなっていくので宿にも余裕がでてきます。
自治体が運営するジットゥも何ヶ所かあり、そこは収容数が多く、常に余裕がありました。
ジットゥでは、食事サービス(有料)も提供している所が多くあります。
予約の際に、必要かどうか伝えておきましょう。
役立つサイト
ル・ピュイの道で役立つサイト「Gronze.com」。
1日の推奨移動距離を「1ステージ」とし、それぞれのステージの難易度も記されています。
ジットゥの情報も細かく書かれているのでとても便利。
- 宿の設備(キッチン、WiFi)
- 宿泊料金
- 食事のサービス
- チェックイン開始時刻
- 収容人数(個室、ドミトリー、ベッド数)
- 連絡先(Email、電話番号)
フランス人の道
フランス人の道はサン・ジャン・ピエ・ド・ポーから始まり、サンティアゴまで至る約780kmの道。
全巡礼路の中で最も歩く人の多いルート。
巡礼用のインフラが最も充実し、定期的に有名な都市も通過するため観光面でも楽しめます。
私がフランス人の道を歩いたのは、2023年6月23〜7月22日の29日間。
その間の天気や道の状況について紹介します。
道の状況
フランス人の道は全体的に平坦。
悪路は殆どなく、未舗装路でも歩きやすい所ばかり。
全巡礼路の中で最も多くの人が歩くだけあって、道がしっかりと整備されています。
途中通過する村でもスーパーなど補給箇所が多く、巡礼者に優しい環境が整っています。
個人的に巡礼者を支援する地元の人も多いので、距離のある山中でも補給ポイントが設置されています。
初日からいきなりピレネー山脈を越えることになるので、ここから巡礼を始める人にとっては少々辛いでしょう。
難所の一つであるイラゴ峠では、長く続く岩場があるので、きつい場所といえばそこくらいでしょうか?
それでも、フランス人の道の一番きつい箇所よりも、ル・ピュイの道ではよくある悪路の方が疲れます。
天気も安定し、全体を通して楽な道。
印象的な道が多く、巡礼を楽しみながら歩くにはこれ以上ない環境と言えるでしょう。
移動は午前中のみで、午後は観光に充てるというのがおすすめ。
- 1時間あたりの移動距離:4〜6km
- 1日あたりの推奨移動距離:20〜35km
天気
7月のフランス人の道は、基本的にカラッと晴れています。
気温は30℃を越える日が多く、雨は滅多に降りません。
熱波が到来すると、山火事の危険もあり、政府が中止命令を出すこともあります。
湿度は低いので、25kgの大荷物を担いでいたにも関わらず、あまり汗をかきませんでした。
洗濯物もあっという間に乾くのは有り難いこと。
日差しが強烈で、遮るものが何も無い中何時間も歩くことになるので、充分な対策が必要です。
夏の巡礼では、朝早くから歩き始め昼過ぎには到着するのが推奨されています。
そのため、巡礼宿は12:00頃からチェックイン可能な場所が多くあります。
ポンフェラーダからサリアまでの山間部は、標高1,000mを越えるので、朝晩でも冷え込みます。
天気に関しては、熱中症対策だけしっかりしておけば問題ないと思います。
巡礼宿
フランス人の道では、各自治体や教会が運営する「アルベルゲ|albergue」に宿泊するのが一般的。
各ステージの拠点となる街には、収容数が100人を越える大型のアルベルゲもあり、巡礼者の多い7月でも泊まれないということはありませんでした。
ハイシーズンでも全体的に余裕があります。
原則として事前予約はできません。先着順にチェックインし、好きなベッドを選びます。
通常、アルベルゲは1泊のみですが、ブルゴスやレオンといった観光地では、延泊可能なところもあります。
レオンの手前、「マンシージャ・デ・ラス・ムラス」は、多くの巡礼者が宿泊地として選ぶ町ですが、ここだけは宿が不足している状態なので注意。
アルベルゲでは、虫刺されの被害が多くありました。
スペイン側では、草むらで休憩する巡礼者も多く、彼らが宿に虫を持ち込むのでこうなるようです。
フランスのジットゥと違い、基本的に食事のサービスは無し。自炊か外食になります。
サリア以降は一気に人が増えるので、貴重品の管理は気を付けましょう。
役立つアプリ
スペイン巡礼路の必須アプリといえば「Buen camino」。
これ一つあれば他には何も必要ないというくらいの超優れモノ。自分の歩くルートの情報を事前にダウンロードしておけば、オフラインでも使用できます。
- 巡礼路上の詳細な情報
- 距離
- 高度
- 通過する村
- 水飲み場、トイレ、スーパーの有無
- 巡礼宿の詳細な情報
- 収容数
- wifi、キッチンの有無
- チェックイン開始時刻
- 料金
まとめ
- ル・ピュイの道
- 悪路が多い
- 雨が多い
- 宿は不足気味なので予約が必須
- フランス人の道
- 平坦で歩きやすい
- 日射しが強く熱中症対策が必須
- 途中に観光地が多い
- 宿は全体を通して余裕がある
フランス人の道は、巡礼のインフラが充実し、きつい道も無いのでとても楽。
印象的な景色がたくさんあったし、観光地も多くお酒も安いのでもう一度歩いてみたいとも思っています。
ル・ピュイの道はもういいかなって…
あそこは靴がすぐ汚れるし、洗濯物も全然乾かない。
※ル・ピュイの道は6月、フランス人の道は7月の状況